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岩の女

 ふわりちゃんが阿舞野あぶのさんに取材したいことをSNSで伝えたところ、彼女は快くOKしてくれた。


 明日、部活が終わった後に会おうとスムーズに話は進んだ。


 そして当日の午後。


 漫画部の活動を早めに切り上げて、阿舞野さんのライバー部が終わるのを待った。


 彼女がくるまでの間、ふわりちゃんは緊張気味だった。


 無言で岩のように固まっている。


「阿舞野さんまだかな。ライバー部の活動って大変みたいだよ」


 オレから話しかけてあげる。


「はぁ」


 ふわりちゃんは肺から空気が抜けたような返事をした。


「なんかライバーで人気になって芸能界入りするのが夢みたいだから、歌やダンス、トークのスキルを身につけなきゃいけないって」


「はぁ」


「また阿舞野さんが配信する日に、機会があったら観てあげてよ。視聴者とかフォロワーが増えると彼女も喜ぶし」


「わかりました」


 阿舞野さんが来るまでの繋ぎに、オレが一方的にふわりちゃんに話しかけた。


 もともとコミュ障気味の話題の乏しいオレが必死に相手に話しかけるなんて、生きていると色んな状況になり得るものだ。


 部活が終わる時間のエントランス。


 広い空間に下校する生徒達の談笑の声が響く。


 漫画の話とかもして時間を潰したけど、やがて話すネタも尽き、緊張が解けないふわりちゃんをどうしたものかとオレが思っていた時、


「お待たせー!」


 廊下の先から、元気いっぱいにこちらに手を振る女子の姿があった。


 阿舞野さんだ。


 彼女は小走りでオレ達のところへとやってきた。


「ごめんね、だいぶん待った?」


 笑顔の阿舞野さんが言う。


「いや、大丈夫」


 オレが首を振る。


 隣でふわりちゃんも無言で首を振る。


「今日部活もハードでさー、ってこの一年生がゆらっちが話してた子?」


 阿舞野さんがふわりちゃんを興味津々の目で見る。


「ああ、漫画部の後輩の……」


「あ、あの、稲羽いなばふわりです。ほ、本日はよろしくお願いします」


 そう言ってふわりちゃんはカチカチの固いお辞儀をする。


「アタシ、ゆらっちと同じクラスの阿舞野うずめ。ライバー部所属! ヨロ!」


 阿舞野は笑顔で小さく手を振った。


 それから三人で取材はどこで行おうか話し合ったところ、この間阿舞野さんと行ったハンバーガーショップですることにした。


 結局、高校生の所持金で行けるところなど、ファストフード店ぐらいしかないのだ。

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