御免の告白
翌朝、オレは早めに登校した。
「おっはよー、ゆらっち!」
少し遅れて阿舞野さんがやって来る。
例によって、二人で人目につかないところへと移動した。
そこでオレは阿舞野さんにラノベ部部長、雨宮瑞葉が書いてくれた原稿をそっと渡す。
「これが次にやる秘密? へぇ〜。って、マジ!? 学校の屋上で水着撮影!? 超大胆じゃん! でもこれゆらっちの字じゃないよね?」
そう言った阿舞野さんに、オレは正直に話すことにした。
「実はオレ自身のアイデアが枯れちゃってて、前の体に名前書くのもオレが考えたアイデアじゃなくて、ラノベ部の部長に考えてもらったんだ。ごめん」
オレは秘密を告白して頭を下げる。
阿舞野さんは驚いたのか、目を丸くしてフリーズしている。
「…‥嫌ならもう……、止めてもいいけど……どうする?」
阿舞野さんの様子を見たオレは、恐る恐る彼女に尋ねた。
すると阿舞野さんは、なぜかケラケラと大きな笑い声を上げ始めた。
「なんでゆらっちが謝るの!? ちょっとシリアスな顔して、マジおかしいんだけど!」
阿舞野さんはお腹を抱えている。
「あれ? オレが考えたアイデアじゃなかったけど、良かったの?」
爆笑する阿舞野さんに尋ねた。
「別に? 誰がアイデアを考えたって良いじゃん! それを漫画にするのはゆらっちなんだしさ。アタシはゆらっちの漫画が良い作品として完成するの楽しみしてんだし。それに他人が書いたものの方がゆらっちも何させられるかわからなくてドキドキできるじゃん? だからこれからもラノベ部部長のアイデアでいこうよ!」
悲観的な反応ばかりを想定していたオレは、笑う阿舞野さんを見て胸を撫で下ろす。
これで今後も彼女と秘密のプレイを続けられるのだ。
それにしても優しい人だな、阿舞野さんって。
人気の秘密は外見だけじゃないんだ。
「それでさ、水着一緒に買いに行かなきゃなんないけど、いつにする?」
阿舞野さんはあっさりとオレをデートに誘ってきた。
そう、ストーリーに沿うならば二人で撮影用の水着を買いに行かなくちゃいけない。
「えっ? えっと、えっと……」
生まれて一度もデートに誘われたことのないオレは、あたふたして言葉が続かない。
「アタシさ、再来週の日曜ならアタシ予定空いてるけど!?」
オレはほぼ年中、漫画を読むか書くかだけなので、いつでも予定は空けられる。
「あっ、そうだね、そうしよう」
それから二人で相談し、再来週の日曜日の朝11時にショッピングセンターの最寄駅で待ち合わせすることにした。




