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隣町・フラインゴルドー

 到着!!


 隣街! フラインゴルドーへやって来た!


「おいおい、マジかよ。いつの間にこんな栄えてたんだ」


 生活圏が狭いせいで知らなかったが、隣街が大変貌を遂げていた。

 この辺りでは見た事のない店が立ち並び、買い物客でごった返している。


「わざわざ冒険者ショップに行かなくても良かったかも」


 隣街の方が近いし。


(あれはあれで行って良かったでしょう)


 まぁ、そうだな。


「ここまで店が多いと、どこ入っていいか分かんないな」


「オリ兄様、やっぱり手を繋いでもいいですか?」


「おっ! そうだな」


 さすがに人が多過ぎて、手を繋いでないとはぐれそうだ。


「ツキはクウガと手を繋いでくれよ」


 コクリ。


「クリス、行きたい店あるか?」


「そうですね……あそこの乳児小児用雑貨専門店に行きたいです」


 クリスが行きたい店に指を差す。


「お! いい店あるな~。じゃあ、あそこ行こう」


「オリ兄様、私があの店に行きたいと言っても何も思いませんか?」


「ん? よく気づいたなって思ったよ?」


「それだけですか?」


「うん、他になんかあるか?」


 クリスが何を言いたいか分からない。


「なんでもないです。行きましょう」


 不思議な質問はなかったかのように、笑顔で手を引っ張られ店についた。


「うわー。本当に子供関連のものばっかりだ。これは助かるな」


 子供服は高いとリリーが言っていたが、とてもお手頃価格な上に種類が豊富だ。


「へ~、服も身長別に分かれてるんだな」


 二人とも俺の腰くらいだから、100cm前後か。


「よし、二人ともここの棚で好きなのあるか~?」


 クウガは特に興味がないようで、ツキの手をひっぱっておもちゃコーナーへ行こうとしている。

 ビクともしてないが。


「クウガの服も私が選びます」


「やっぱりまだクウガくらいの男の子は服とか興味ないか~」


 クリスが真剣な顔で服を選ぶ。

 選ぶ。選ぶ。選ぶ。めっちゃ選ぶ。


「その積み上がってるの、全部買うのか?」


「はい」


 お金の心配とアイテムボックスがあるから持って帰る事に問題はないとはいえ、かなりの量だ。


「あちらの、高級服エリアにも行きたいです」


「お、おお」


 さすがにクリスは持てないので、俺が持つ。

 前が見えない。


「この店は本当に品揃えが豊富ですね」


 クリスが感心しながら高級服を選んでいる。


「その辺りの服、着ていくところあるか?」


「念の為です」


 女の子は服好きだし、お金持ってるしな。


「決まった?」


 クウガをずるずると引っ張りながら、ツキがこちらにやって来た。


「凄いですね」


 面食らったように、クリスがツキとクウガを見ながら言った。


「ん? 何が?」


「クウガの力に負けないなんて、ツキさん凄いですね」


 何ぃい?!


「ど、どういう事だ?」


「子供とはいえ、クウガはドラゴニュートなので力は普通の成人男性よりも強いはずなのですが」


 へー、そうなんだ。


「ツキさんのように、線も細い女性がクウガを引っ張ってこれるなんて。と思いまして」


 ツキと顔を見合わせる。


「ツキはこんなんでも冒険者だから普通の男子より力強いし。何より、たぶんクウガが力入れてなかっただけだろ。な~、クウガ~?」


 クウガはオモチャコーナーに目が行って、こちらの話なんか聞いてもいなかった。


「それでも凄いです」


「よ、良かったな~、ツキ。凄いってさ!」


 にこり。


「お~、ほら、ツキも喜んでる」


「ツキさんは無口なんですね」


「そうなんだよ、省エネなんだよコイツ」


「省エネ?」


 あ、しまった。


「あはは、なんでもない。俺の地元の言葉だった」


「オリ兄様の地元はどちらなのですか?」


「あ~、クリスは知らないかもな」


「世界地図は頭に入ってますよ」


「じゃあ、また今度ゆっくりと教えるな~」


 余計な事言ってもうた。


「さて、と。服はもう決まったか?」


「はい。これくらいあれば当分は大丈夫です」


「じゃあ、お会計するか」


「ばく、あれ欲し~よ~」


「クウガ、好きなの1個だけですよ」


「あい!」


 ツキの手を引っ張りながらオモチャコーナーに走っていった。


「ホント、クリスはしっかりしてるな~」


「よく言われます」


「だろうな~」


「不気味がられていました」


 ん?


「私は2歳の頃から、こうして話していました」


 前世の記憶あると、2歳から話せるのか。チートだな。

 俺も0歳からの設定にしておけばな~。


「へ~、凄いな」


「それだけですか?」


「2歳から話せるんだろ? 親御さんは意志疎通ができて楽だっただろうな~」


 クリスが驚いた顔をしている。


「あれ? なんかおかしな事言ったか?」


 言ってないよな?


「2歳からこうして話していたのですよ?」


「頭良かったんだな~」


「……オリ兄様のような方は初めてです」


「そうか?」


「家族以外で私を気味悪がらなかったのは」


「ええ? クリスみたいな可愛い子を気味悪がる奴なんているのか?」


 クリスが急に泣きだした。


「え?! どうした?! ごめん! 俺なんか変なこと言っちゃったか?!」


 小さい子を泣かせておろおろする俺。


「嬉しくて」


「お、おお……」


 いかん。前世の記憶があると思って、特に不思議に思ってなかったけど、普通2歳で敬語をペラペラ話してたら不気味がるのが普通なのか……?

 ん~、でも前世の記憶なくても、別に気味悪がったりしないだろ? 凄い賢いなって思うくらいで。


「たまたま、クリスの周りにいたのは驚きやすい人達ばっかりだったのかもな。俺だけじゃなくてライもリリーもフェスも近くにいたら、気味悪がったりなんてしなかったよ」


 うん、きっとそうだと思う。


「驚きやすい人達?」


「ビックリしてる時って変顔しちゃうだろ」


「そうでしょうか?」


「俺なんて、しょっちゅう驚いたりしてるから気持ち悪いって言われまくりだし」


 それは本当に言われまくってるな。


「でも小さい時だときっと怖く見えちゃうよな~。クリスは偉いな~」


 また泣き出した。


「ちょっ! クリス? 俺山盛り服持ってるから、くっつかれると……」


 クリスが俺の足にしがみついてきた。


「助けてくれたのが、オリ兄様で本当に良かったです」


「お、おお。クリスとクウガを助けられて俺も良かったよ」


 危ない。バランスが。


「持つ」


 ツキ達が戻ってきて、ツキが服を持ってくれた。


(一体、何をしているのですか)


 帰ってから話すよ。


「よし! じゃあ、お会計しよう」


(ではまた次回)

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