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ドラゴンとお風呂

「お風呂空きましたよ」


「お~」


 じゃあ、入るか。


「あれ? 姉ドラゴンどうした?」


「私の部屋で寝ています。食事の用意ができるまで時間もありますし」


 そっかそっか。


「そういえば、どれくらいの力で洗っていいんだ?」


 汚れがひどい。


「ドラゴンなので力を入れてゴシゴシしても大丈夫ですよ」


 そっかそっか。


「よし、じゃあ入って来る。ご飯よろしく~」


 ◇


「さて、と」


 洗うか。


「ドロドロっていうか、もうカピカピなんだよな」


 ツキが用意したのか、ドラゴンが浸かるのに丁度いいタライがあった。


「まだ眠そうだな~」


 ドラゴンが舟を漕ぐのを見る日が来るとは。


 お湯を溜めたタライにドラゴンをゆっくり入れる。


「大丈夫か~? 熱くは……なさそうだな」


 とりあえずお湯でどれだけ落ちるか手で擦ってみる。


「泥は落ちるな」


 泡でゴシゴシ洗う前に予洗いをしなきゃな。


「痛くないぞ~、まずは大きい汚れを落とそうな~」


 あまりに頭がぐわんぐわんしてきたので、手で支えてやる。


「お湯がちゃぽちゃぽしてると、余計眠いんだよな」


 なんとか側の泥は落ちたが、本番はこれからだ。


「ツキの奴、もしかしてこんなタワシで洗ったんじゃないだろうな」


(タワシで洗って大丈夫ですよ)


 聞いとったんかい。

 本当かよ。


(ドラゴンにとってはそれくらいが気持ちいいのですよ)


「ふ~ん」


 じゃあ、ツキを信じてみますか。


 ごしごしごしごし……ごしごしごし……


「なかなか、力が要りますね~」


 頑固な汚れだな。


「おお~、色見えて来たわ」


 青色か?


「綺麗な青だな」


 ブルードラゴンかな?


 ごしごしごしごし……ごしごしごし……


「ひいぃぃ……手が、手がぁ……」


 ツキの奴、よくあんなに早く出て来れたな。

 まぁ、ダンジョンの壁を殴り飛ばすくらいだから余裕か。


「は~……落ちた……だろ」


 起きたドラゴンと目が合った。


「お、起きたか? 綺麗になったぞ」


「キュイィ?」


 がわいいいぃっ!


「じゃあお湯をかけて、と。一緒に湯船浸かろうな~」


 タライとはおさらばして、ドラゴンを抱きかかえながら湯船に入った。


「なんという抱き心地。タワシで洗っても大丈夫なのにツルツルしてる」


 たまらん。


(変態のようですよ)


 うるせー。


「熱くないか~?」


 ドラゴンを膝にのせながら話しかける。


 俺の母性本能がくすぐられまくっている。


「キュイ」


「ちょっと元気になったか~?」


「キュ」


 あああ、可愛いいぃぃい。可愛すぎておかしくなりそうだ。


(おかしくなる前に出てきてください。食事の用意ができましたから)


 はいよ。


「じゃあ、出ような~。おいしいご飯が待ってるぞ~」


 ドラゴンをふんわりタオルで拭いてやる。


「あれ? さっきは気づかなかったけど、目も青いんだな」


 綺麗~。


「綺麗だし、可愛いし、最高だな」


「キュキュ」


 ふぐっ!


 誰も見てない事をいい事に、ドラゴンのほっぺに俺のほっぺをすりすりさせてもらった。


「は~……」


「キュ~……」


「あはは、ごめんごめん。行こう行こう」


 ◇


「長かったですね」


「ちょっと長湯しちゃったか? あれ?!」


 ダイニングテーブルに、真っ赤なドラゴンがいた。


「え? 姉ドラゴン? 何で色が違うんだ?」


「こういうパターンもあります」


 ふ~ん。


「キュイイッ」


 ちょっとは元気になったかな?

 うん、目が生意気そうだな。


「キュキュイ!」


 弟ドラゴンが姉の元に行きたそうにしていたので、ダイニングテーブルにおろしてあげた。


「お腹も空いているでしょうから、さっさと食事にしましょう」


「そうだな」


 メニューは何だ?


「カラアーゲーです。この世界でカラアーゲーが嫌いな生き物はいません」


 まぁ、唐揚げは大正義だからな。


「さ、食べなさい」


 二匹が唐揚げにがっつく。


「お~……引くほど食べるなぁ」


 勢いがありすぎて、ちょっと怖い。


「俺のご飯は?」


「今、ちょうどなくなりました」


 え?


「あなたの皿のカラアーゲーも行かれましたね」


 ええ……


「そこそこの量を用意しましたが、お腹が空いていたのでしょう」


「お前のくれよ」


「これは私のですから」


「1個!! ……いや、2個!!」


「卵かけご飯でも食べたらどうですか」


 残念ながら、唐揚げは食べられなかったが二匹の腹が満たされたならヨシとするか。くすん。


「くすんとか思われても気持ち悪いだけなんですが」


 うるせー。


「ツキの唐揚げおいしかっただろ!」


 見ると、二匹とも爆睡していた。


「満腹になったからでしょうね」


 わ~、気持ち良さそう。


「それにしても可愛いな~」


 あーっ! つんつんしたい!


「本当に騒がしいですね」


 心の声なんですけど。


「しょうがないだろ。ドラゴンの子供だぞ」


 俺、子供好きなんだよな~。


「見てれば分かりますよ」


 ロリコンじゃないぞ。


「分かってます」


 本当か?


「鬱陶しい」


 ひどい。


「さて、保護したのはいいですが、これからどうするんですか?」


 これから?


「どうするもこうするも、しかるべきところで保護してもらうんだろ」


「なるほど」


 しかるべきところってどこだろ?


「ライかリリーに聞いてみるか」


 とりあえず、俺は卵かけご飯を食べるよ。


「台所にまだ唐揚げありますよ」


 あるんかい。

 

「お前はいつだって俺の心をもて遊ぶね」


「は?」


「お母さんありがとう!」


「誰がお母さんだ」


 でも卵かけご飯も食べよう。


「ではまた次回」

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