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俺の回復魔法

「俺は回復魔法を覚えたい」


「どうぞどうぞ」


「どうやってやればいい?」


「自分で考えてください」


「でもさー、回復魔法って回復する対象がいないとどうしようもないじゃん」


「そうですね」


「元気いっぱいの自分にかけたって分かんないし。だからと言って、お前に怪我してもらうわけにもいかないじゃん」


 睨んでる睨んでる。


「や、だからダメだよって話よ」


「怪我人探すわけにもいかないしさ」


「怪我人がいる所にいけば良いのでは?」


「戦闘中のところに割って入るとかか~?」


「傷ついた人達がいるところに行けば良いのでは?」


「そんなところ……あるな」


「では行きましょう」


「待て待て待て」


「なんでしょう?」


「回復魔法が使えるかも分からないし、使えたら使えたで面倒くさくならないか?」


「なんとかなるのではないですか?」


 テキトーだな。


「適当なわけではありませんが、あなたさえ良ければあなたを傷つける事は厭いませんよ」


 厭え厭え。


「遠慮しないで」


 してません。


「いつでも言ってくださいね」


 言いません。


「『腕が千切れる手前』なども言っていただければご要望にお応えしますよ」


 要望しません。


「もう許してください」


「許すも許さないもありませんが」


 頭を横にしてきょとん顔すな。


「気持ち悪」


「なんですって?」


 いえなんでも。


「冗談はさておき、あなたさえよければ傷つけますから」


「冗談はさておかないで」


「本気ですから」


 もー、やめろって。面白くないから。


「精進します」


 なんとか頑張ってください。


「無料治療所は常に奉仕活動を求めていますからね」


「そうだなぁ」


「回復魔法を使えるか使えないかは置いておいて、傷ついた方を治すお手伝いは良いことですし」


「そうだな、行ってみるか」


 病気にも状態異常にもならなくて、回復魔法があったら心配事はなくなるもんな。


「一瞬で塵となったら、さすがに無理ですけどね」


「一瞬で塵なら諦めもつくわ」


 そもそも諦める余裕もないだろ。


「すぐに選択の場所でしょうね」


「そう思っちゃうと、死にたくはないけど死ぬこと自体は怖くないんだよな~。痛いのが嫌なだけで」


 死を恐れないってダメだよな。


「そうですね。それが記憶持ちの難しいところですね」


「ってなわけで、痛いのは嫌だからなんとか回復魔法を会得しよう」


 練習がてら、怪我人を治療できれば、尚良いし!


「Win-Winですね」


「よし、行くか」


 ◇


「助かります! 常に人手不足で」


 早速、俺達はギルドの裏にある治療所に来ていた。


 ある事は知ってたけど、怪我に縁がなかったから初めて来た。こんな感じなんだな~。


 治療所は4階建ての病院みたいなところだった。


 病院みたいってか無料の病院だよな。


「ジナルさんは、こちらは初めてなんですか~?」


「はい。おかげ様で怪我したことなくて」


「ええ?! すごーい! お強いんですね!」


「いえいえ、まだ弱いんで弱い敵としか戦ってないだけですよ」


「それもそうですねー」


 うん。


「簡単に治療所のご案内しますねー」


 絶対陽キャだよなって感じの看護婦さんが治療所を案内してくれた。


 1階 診察室と軽傷患者の治療

 2階 中等症から重症患者の治療と病室

 3階 重体患者の治療と病室

 4階 事務室等


 本格的に病院だな~。


「無料ってすごいですよね」


「ギルドの奉仕活動ですからね」


 そうなんだ。


「冒険者さんたちには早く元気になって馬車馬のように働いてもらわないと!」


 うん、言い方ね。


「俺達は何すれば良いですか?」


「ジナルさんは重症患者さんの清拭や床ずれ予防の体位変換などお願いします」


「床ずれ予防?」


「ご存じないですか? 寝たきりでずっと横になると床ずれしちゃうんですよ。褥瘡じょくそうともいうんですけど。それを予防するためには、骨突出部への圧力がかかり過ぎないようにする必要があるんです。で、体位変換するんですけど、これがまた力がいるんで結構大変なんですよ」


 めっちゃ早口になった。


「そんなのあるんですね」


 寝てるだけかと思ってた。


「怪我をしていない人は寝てても自分で寝がえりを打てますからね」


 なるほど。


「ツキは何したら良いですか?」


「ソーイさんは軽症患者の治療か診療前の聞き取りのどちらかをお願いしたいです」


「軽症患者の治療とかツキがやって大丈夫なんですか?」


「いいですよ」


 軽。


「消毒したり、ちょっと包帯巻いたりするだけなので」


「じゃあ、ツキは軽症患者の治療が良いよな?」


 コクリ。


「そうなんですか? ソーイさんに聞き取りしてもらえたら、喜ばれそうですけど」


「ははは! ないない」


「その発言はどうかと思いますよ」


 陽キャっぽい看護婦さんに怒られた。


「ごめん」


 ツキに謝ったけど、めっちゃニヤニヤされた。


「ツキは無口なタイプなので、軽症患者の治療でお願いします」


「どちらでも助かりますから! よろしくお願いします」


「はい! 頑張ります!」


「ではまた次回」

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