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それぞれの定義

「『オリ&ツキ』は今回でランク5になりましたので、次回から案件受注可能となりますね」


「え! 本当ですか?!」


「はい」


「やった!」


「ふふ、案件受注できると選択の幅が広がりますからね」


「はい、ありがとうございました」


 ◇


「聞いて聞いて、明日から案件受注できるようになった!」


「ランク5になったんだ~、おめでと~」


「やったわね! ランク5からの依頼はやりがいがあって楽しいわよ」


「迷子の犬探しとかもあるけど~」


「飼い主の人から凄く喜ばれるから、私は好きだけど」


「分かる~。泣いて喜んでくれるの嬉しいよな~」


 お~。いいないいな。


「他のパーティーとの合同もあるから、知り合いも増えるしね」


「俺は人見知りだから、それは緊張するけど」


「え? オリって人見知りなの?」


「うん」


「そんな事思った事ないけど~?」


「それは二人だからだよ」


 普通の人とだと、天気の話くらいしかできない。


「そうかな~?」


「でも、依頼で一緒になるんだから人見知りも何もないと思うわよ」


「そうだね~、そんな事言ってたら死んじゃうし~」


「そうなの?」


「連携とかしなきゃいけないのに、もじもじしてたら無理でしょ」


「そっか」


「といっても、ランク5は命にかかわる仕事はなくて、皆さまの暮らしを支える案件が多いから大丈夫だけどね」


「人付き合いも慣れだよ慣れ~」


「頑張る」


「肩の力抜けば大丈夫よ」


「お祝いにご飯食べに行こうか~」


「いいわね! 行こ行こ! ライのおごりで」


「いいよ~」


「えっ! 悪いからいいよ」


「いいって、いいって~。お祝いお祝い」


 ライって本当太っ腹だよな。腹筋はバキバキだけど。


「どこ行く?!」


「サラちゃんとフェスにも声かけて来なよ~」


「そうね!」


 リリーが走ってサラの部屋へ行った。


「そんなつもりなかったのに、なんか悪いな」


「悪いと思われるより喜ばれたいな~」


 あ、そっか。


「そうだよな! ライいつもありがとな!」


「どういたしまして~。おいしい店行こ~」


 これはもう抱かれたいレベルのいい男だ。


「本当、ライはモテるはずだよ」


「モテないよ~」


「それは嘘だ」


「本当だって」


「絶対嘘だね」


 この世に『絶対』はないとかいうけど『絶対』はある。


「う~ん、じゃあオリとはモテるの定義が違うのかも~」


「どういう事?」


「好きな人にモテなきゃモテるって言わないって事~」


 おお~……。


「そんなこと言う奴本当にいるんだ」


「え~……変なこと言ったかな~?」


「いや、言いたい事は分かる」


「でしょ~」


「好きな人にはモテないんだよな~」


「す、すすすすすす好きな人!! いるのか?!」


「あはは~! 何そのすすすすすって~」


 つい動揺してしまった。


「今はいないよ~……」


「そ、そっか」


 あ~、ビックリした。

 そうか、そうだよな。

 好きな人がいる場合もあるよな。

 なんか考えた事もなかった。


「で、できたら教えてくれよ」


「う~ん。言わないかな~」


「え?! あ! そっか」


 なんかライだと教えてくれそうな感じしてたけど、言わない派なんだ。


「オリなら教えてくれる?」


「お、俺も言わない派だった」


「あはは~。一緒だね~」


 俺好きな人できたことないから、言う派か言わない派か分かんないな。

 たぶん言わない派だと思う。うん。


「サラちゃんとフェスも行くって~」


「そういえば、いつからサラちゃん呼びなんだ」


 打ち解けてんな。


「いつからだろ~?」


「自然と呼んでたわね」


「どう考えても『ちゃん』って感じしないだろ」


「そうかな~、可愛い感じするよ~」


「うんうん、可愛いじゃない」


 うん。分からん。


「オリって案外『ちゃん』とかつけないわよね」


「そういえばそうだな」


「たまに冗談で言ってるのは見るけど~」


「なんか、恥ずかしくない?」


「『ちゃん』に恥ずかしいとか恥ずかしくないとかあるの?!」


「ん~、なんか分かんないけど言い難い」


「呼び捨ての方が言い難いと思うけどな~」


 確かに、さん付けから呼び捨ての方が普通は難易度が高いか。


「うぉい! 飯どこ行くか決まったか!」


 サラがテンション爆上げで入ってきた。


「この間おいしいって聞いた店があるからそこ行こ!」


「皆でご飯食べに行くの久々だね~」


「今回はサラちゃんもいるし楽しくなりそう!」


「オリとツキちゃんのおかげだね~」


「いや、ライのおかげだろ」


「ツキちゃんもいっぱい食べようね~」


 コクリ。


 いたんかい。

 いつからいた。


(『ちゃん』付けできないところから)


 気配を消すなよ。


(消してませんよ。あなたが『ちゃん』付けについて考えだしたから、私に気がつかなかっただけですよ)


 俺なんでちゃん付けできないんだろ。


(よく『ちゃん』をつけるつけないで考え込む事ができますね)


 うるせー。


(あなたのそれは『ちゃん』が弱者につけるものだと思っているからですよ)


 どういう事だよ。


(『ちゃん』は、赤ちゃんや子供、守ってあげる対象につけるものだと思っていて、ちゃんをつけると相手を弱い者としているようで無意識に避けているのですよ)


 確かに子供とかにはちゃんづけできるな。


(相手を対等な者として扱うところからきているので、悪い事ではありません)


 おお……。


(そもそも普通はそんな事を考えもしませんが。あなたの定義で『ちゃん』をその位置づけにしているので、そうだというだけです)


 なるほど。


(ライとリリーにはちゃんづけが弱者扱いしているという気持ちがないから、可愛いものにちゃんづけをするのです)


 それで、ツキとサラにちゃんづけは理解に苦しむが。


(私は可愛いですから)


「よくそんなこと真顔で言えるな」


(声に出してません)


 あっそ。


「オリー、ツキちゃ~ん! 行くよ~」


「はーい!!」


「ではまた次回」

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