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ハンプレンドルダンジョン 1F

想像したら気持ち悪い表現があります。

「肝が冷えるとはまさにこのことだったな」


「このボスは激弱ですけどね」


 知ってるよ。


「弱いって分かってても苦手なもんは苦手だからしょうがないだろ」


「分かっていますよ。苦手だからといって必ず克服しなくてはならないものでもないですし」


 そうそう。


「こいつらは頑張ってまで克服する必要はない」


 逃げの一手です。


「何か落ちてますよ」


 お! ドロップしたか!


「また透明なボールの中に粉が入ってるな」


 ドッジボールくらいのサイズだ。


「本見てみるか……

 洞窟蟻(集合体)が落とす『免疫力向上剤原料』

 『免疫力を向上させる薬が作れる』だってさ」


 薬の原料が多いな。


「どれくらいの価値があるんだろうな」


「蜂蜜代くらいは出てほしいですね」


「そうなんだよな。派手に使っちゃったからな~」


「蜂蜜残ってますか?」


「どうだろ。ちょっと見てみるわ」


 アイテムボックスを探る。


「これって探らなくて良い方法ってないのか?」


「整理整頓すれば良いだけです」


 はい。


「家に戻ったら、整頓するわ」


「アイテムボックス内はあなたの思うがままなので、棚をイメージしたりすれば綺麗におけますよ」


「そうなの? 俺、なぜか球体イメージしてたわ。そのせいで片づかないんだな」


 良い事聞いた。


「というか、もっと早く教えてくんない?」


「聞かれなかったので」


 そうですね。


「それはさておき蜂蜜蜂蜜っと……あ~、あと2個しかない」


「もっと早く回収しておけば良かったです」


 なんで?


「蜂蜜は色々な料理に使えますので」


「お母さん、いつもおいしいご飯ありがとう」


「誰がお母さんだ」


「楽しみにしてる」


「あなただって料理できるのですから、たまには作ったらどうですか」


「ツキの味付けの方が好きだから」


 ゲシッ。


「褒めたのになんでローキックなんだよ」


「そこに足があったからですね」


 あっそ。


「次の階でお弁当食べようか」


「そうですね。まずはここから出ましょう」


「この扉の先どんなだと思う?」


「さあ? 出てみれば分かりますよ」


 そうですね。


「よし、開けるぞ」


 ◇


「なぜ木造」


 ボス部屋の奥の扉から出ると、木でできた地下道みたいな感じだった。

 

「木造とかあるんだ」


「ダンジョンですから何でもありでしょう」

 

 確かに。


「下りの階段って事は、1階に戻るのか。で、どんどん下に行くって感じか?」


 そういえば、ここの建物は木造2階建てだから上はないもんな。


「待てよ、ここの建物がダンジョンとか言ってたよな」


 そうなると木造でもなんの不思議もない。


「なんだここ……」


 階段を降りて1階に到着した瞬間に感じた。


 嫌な予感。


「嫌な予感ほど当たるんだよなぁーもうっ!」


「分かりましたか」


「当たらないでほしいけど」


「いますね」


 泣きたい。


「俺は帰りたい!」


「帰っても良いですが、このフロアが終わってからにしましょう」


「ダメか~」


「こちらから進んだ方が早く帰れますよ」


「黒も嫌だけど、白はもっと嫌だ」


 俺の目の前には黒蟻同様、テニスボールサイズのシロアリがいた。

 こちらには気づいてないようだ。


 見た事なかったけど、黒以上に気持ち悪い。


「シロアリだから木造ってね、俺はどうかと思うよ」


「魔力は大丈夫ですか?」


「あ~、さっき無駄話ししてた間に回復してる」


「無駄話?」


「楽しい話してたよな~」


「爆散は使えませんね」


「なんで?」


「本気で聞いてますか?」


「……木造くぁ~」


 どうしよ。


「ぷっ……本当に情けない顔が似合いますね」


 うるせー。


「何も思いつかない」


 とりあえず飛んで回避するか。

 天井高が3mくらいしかないから、飛ぶというより浮いてるが正しいけど。


 火はダメ、水も凍らせるのもキリがないからダメ、土もよく分からんがダメ。


「となると風か」


 吸うのはできるんだから、送る方だな。

 強風でぶっ飛ばすか。


「天井に近いですが良いのですか?」


「は? 天井? ぎゃあああぁぁっ」


 天井にシロアリがいた。

 いや、良く見たら前後左右でシロアリが蠢いていた。


「湿気のある木が大好物ですからね」


「おええぇ」


「弁当食べてなくて良かったですね」


 うん。


 よく見ると木がシロアリに食べられて、変な模様になっている。


「あ~……もう分かった」


 気持ち悪すぎて腹立ってきた。


「どうしました急に」


「潰す」


 やりたくないけど。


「潰すのですか?」


「グロいのはわかってるけど、もう潰すしかない」


 これだけ、木の中に入ってると風魔法とかで飛ばせる気もしないし。


「とりあえず、真ん中でやるか。やった事ないけど、この勢いならできる。大丈夫だと思うけど、お前は俺の後ろにいて」


 考えるまでもなく、イメージできてしまっていた。


「は~……やりたくない」


「ではやらなくていいのでは?」


 うるせー。


 俺は目を瞑る。

 これから起こる光景を見たくないからだ。


「圧縮」


 ブチュッ……ブチュッ…… と周りから聞こえてくる。


「これは確かにグロいですね」


 見てんのかよ。


「シロアリたちが潰れて、木が泣いてるようですよ」


 言わんでいい。


「アイテムドロップしましたよ」


 アイテムドロップしたという事は目を開けても問題なさそうだ。


「は~……しんどかった」


「あ……」


 ピチャッ……。


 天井にいたシロアリの潰れた液体が俺の頭に落ち、おでこを伝って頬に流れた。


「あ~あ」


 俺は泣いた。


「ではまた次回」 

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