ソパールダンジョン 3F(2)
「お・ま・た・せ!」
「本当に待ちましたよ」
「綺麗に落ちてったね~」
「余裕とか言ってたの誰よ」
「馬鹿」
「おい、普通に悪口言うな」
「で、どうするの? 宝箱開けてく?」
「本当に運だからね~」
「もちろんやるぜ!」
「じゃあ、また宝箱探そー!」
「聞いて、聞いて。下落ちたらさ、キラービー踏んづけててさ、しかも2匹。右足と左足で。すごくない? おかげでクッションになった上、蜂蜜と針ドロップした」
「良かったね~」
「あ、あったわよ」
「おお!」
「どうするんだ~」
「行けるかな? ちょっと待っててな」
目を閉じて集中する。
飛びたい飛びたい。飛んであの宝箱を取りたいぜ!
「嘘?! オリ浮いてる!」
「あ、浮いてる?」
目を開けると前回同様浮いていた。
「なんでなんで〜?」
「魔法です。オリも浮遊できます」
「すごいすごい!」
「よし! 進むぞ」
ふらふらしながら宝箱へ進む。
「おお、進んでる進んでる~」
「心許ない動きね」
宝箱の前まで来れたのは良いものの……。
体が直立だと宝箱が開けられない。
まだ浮くのに慣れてないせで、浮いてる時に体勢を変えられない。
とりあえず、床に座るか?
でも、急に床が落ちたら対応できそうにないし。
じゃあ、あれしかないか……。
「なんで戻ってきた~?」
「ちょっと体勢変えようと思って」
「向こうで変えればいいじゃない」
「まだ慣れてなくてさ」
とりあえず、うつ伏せになる。
「何をしているのですか?」
「まぁ、見てて」
飛びたい飛びたい。コレ実際は浮きたい浮きたいだよな……。
「おお~。浮いてる浮いてる」
「じゃあ、行ってくる」
うつ伏せの浮いた状態で宝箱に進む。
「何あれ」
「美しくないですね」
「ちょっとカッコ悪いかな~」
「滑稽」
うるせー。
「よし、宝箱開けるぞ」
やっとこさ宝箱を開ける。
……床は落ちなかった。
「落ちんのかい」
浮くのをやめて床に降りる。
「どうせなら床が落ちた方が浮き甲斐あったわね」
「まぁ、いいけど。何が入ってんのかな?」
「大理石の腕輪と耳飾りね」
「アクセサリー? なんか特殊効果でもあるのか?」
「あるわけないじゃない」
そうですか。
「そこそこ良い価格で買い取って貰えるよ~」
「なるほど。アクセサリー以外もあるのか?」
「あるわよ。色々出るから、それも運ね」
「食べ物もあるんだよな~」
「たくあんぬはありませんが」
「よし! 要領も分かったし、どんどん進むか!」
そして、格好悪いと言われながらも宝箱を開けていった。
落ちる宝箱もあったが、浮いていたので問題なく攻略できた。
【入手アイテム】
大理石の腕輪・耳飾り×3(色違い)
サークレット×1
バンダナ×1
ひたいあて×1
なんかの石5個×1
なんかの羽3枚×2
なんかの粉1瓶×1
いも5個×1
「ここはボス部屋とかないんだよな?」
「宝箱階ですからね。普通に階段上がって終わりですよ」
「3Fはあっけないな」
「魔法使いは特にそうでしょうね」
「じゃあ、次は4階だね~」
「ツキちゃん、どうしたの?」
ツキが階段横の壁を見ている。
「何見てんだ?」
ツキがちらりとこちらを見る。
なんだよ。
(ここ、部屋ありますけど。どうしますか?)
「え?! マジで?」
「何々?」
「ここに部屋あるみたいなんだけど」
「聞いたことないな~」
「何でそんな事分かるの?」
「え……? え~っと……う~んと……」
考えてなかった。
「あ! 探索魔法的なやつが発動した」
「なんですかそれは」
なんだろうね。
「ピピピー!っと俺の脳になんか来てさ。こう……ここに空間があるな! ってね」
(馬鹿っぽいですね)
うるせー。
「それは間違いないのですか? 気のせいとかではなく」
追求されると誤魔化せないぞ。
「あっ! そうだな! 気のせいだわ! 4Fへ進もう!」
「いえ、オリの魔法は想像もつかないので、確認してみた方が良いでしょう」
「じゃあ、ちょっと皆して何かないか見てみよ~」
「黒と白のなんの変哲もない壁よね」
本当に部屋あんのかよ。
「ここ」
「どうしたのツキちゃん」
白いタイルを指差すツキ。
「これは……ちょっとオリ良いですか」
フェスが3人に背中を向けて小声で話しだした
「何?」
「神殿の扉と同じ魔力感知の印があります」
「あの手を当てたら開いてた扉?」
「そうです。あの白いタイルに魔力を流したら、オリの言う部屋に行けるのかもしれません」
「おお~。それっぽいな」
「魔力を流してみましょうか?」
「いいねいいね。やろうやろう……なんでこんなコソコソすんの?」
「神殿の話はできないので」
「あ、そっか」
「忘れてると思いましたよ」
すみません。
「では、試してみます」
「なんか分かったの~?」
「フェスが思いついたみたいでさ。試してみるから見てて」
「ワクワクしてきた!!」
フェスが白いタイルに手をあてて、魔力を流し始める。
手をあてた所を中心に淡い光が扉を形作っていく。
俺達4人はその光景に目を見張る。
ツキだけいつもの顔してる。
「嘘、扉出来てる……何これ」
「秘密の部屋のようですね」
なんと、甘美な響き。
こういうの待ってました。
「入る……か?」
皆が頷く。
ツキだけはなんのリアクションもしない。
こんな時こそ『コクリ』じゃねーのかよ。
「では、開けます」
フェスがゆっくりと扉を開けた。
その部屋は真っ暗だった。
「暗。灯りないの?」
「ないわね」
「今度荷物に入れておこ~」
「手探りするしかありません」
「この部屋、ダンジョンの光が全く入らないのね」
「真っ暗だけなはずないと思うんだけどな。壁とかに何かないか?」
柔らかいものがあった。
「これなんだ?」
「痛い!」
まさか!!
「私の胸よ!」
「ごめっ……んがっ」
肘でどつかれた。
「なんとなく分かるでしょーが!!」
触った事ないから分かんねーよ。
「女の子の胸は優しく触らなきゃダメなんだからね!!」
「え? 触っていいの?」
「馬鹿! そんな事誰も言ってないでしょ!」
「ちょっと静かにしてください」
「だって、オリが!!」
「取っ手のようなものがあります」
「やったー!」
つい、今しがた怒っていたハズなのに大喜びするリリー。
「開けますか?」
「そりゃ開けるだろ」
「開けて大丈夫かな~?」
「ちょっと怖がらせないでよ」
「初心者用ダンジョンだから大丈夫なんじゃないか?」
「油断は禁物です。開けるなら皆さん気を引き締めてください」
そうだな。二度生まれて初めてのラッキースケベに喜んでいる場合ではない。
「よし、いいぞ」
「では……開けます」
「ではまた次回」
どんな力で揉んだんだか。




