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ソパールダンジョン 2F

 なんやかんやあったが、順調にソパールダンジョン1Fを進んでいる。

 まぁ、順調じゃなきゃおかしいくらい敵が弱いんだけど。


「すごい取れるな。このベチョライム液」


「3匹に1つは取れるからね~」


「ただ、ダンジョンだと魔石が落ちなくてドロップアイテムのみってのが残念よね」


「そのドロップアイテムもよく取れますし需要もあるのですが、いかんせん荷物になるのでその辺りが難しいですね」


「ふっふっふ」


「オリ、どうしたの? 顔が気持ち悪いわよ」


 ひどい。

 でもいいんだ。俺にはほくそ笑む理由があるのだ。今回はダンジョンに入るにあたり、アイテムボックスの中に入れていた水袋を置いてきたぜ!

 そう! せっせと拡張作業を行い、今では『直径50cm』くらいにまで広がっているアイテムボックス! バランスボールくらいの大きさだな。すごくない? 俺頑張った。アイテムボックスは俺の強さに関係ないから、マメに作業するだけでいいのだ!


「まぁ、取ったアイテムは俺のアイテムボックスに入れればいいから」


 とりあえず、30本くらいのベチョライム液瓶をアイテムボックスに入れる。


「「「おお~」」」


「すごいじゃない! こんな便利なの本当に見た事ないわ!」


「それ重くないの~?」


 えっへん!


「全然重くないんだな~コレが」

 

「本当に興味深いですね。どれくらい入るのですか?」


「う~ん、水袋5、6個くらいかな」


「すごく入るじゃない! 大きい冒険者リュックサイズはあるわよ」


 そうなんだよ~。もっと褒めて。


「これが魔力で?」


「ん? んん~……そうだね」


「どのように発動しているのか皆目見当がつきません」


「まぁ、俺も分かってないから。お、またベチョライムいるぞ。倒そう倒そう」


「そろそろ2Fね」


「そういえば、ダンジョンボスとかいるのか?」


「いるわよ『ベチョライムキング』が」


「へ~、強いの?」


「弱いな~」


「噂をすれば、あの光ってる穴よ」


 今いる場所は薄暗い洞窟内なのだが、結構広い。

 高さとかは5、6mくらい余裕であると思う。

 そして、リリーが指差した方向には通路サイズの穴があり、ぼうっとした光を放っていた。 


「おお~、っぽいな~」


「っぽい。とは何ですか?」


「いや、雰囲気あるな~と思って」


「そうね~。中にいるのは弱いけど」


「知らなかったら、勇気いるよな~」


 確かに。先人冒険者に感謝せねば。


「ここ入っちゃえばいいの?」


「そう」


 おお、ダンジョンボス部屋か。


「初ボス部屋への第1歩!!」


 入口の眩しさに目を瞑りながら、1歩を踏み出す。


 胸が高鳴るぜ!


「あ~……いなかったわね」


「え?」


「今日は誰かが倒したみたいだね~」


「え? こういうのって、各パーティーが倒せるものじゃないのか?」


「モンスターが自然に湧くと言っても、10分、20分じゃ湧かないからね!」


「最低、1時間はかかるでしょうか」


「え~……教えておいてよ。

 胸高鳴らせちゃったんだけど」


「ごめんごめん。いたら良いかなっと思って」


「じゃあ、このまま2Fに行けるのか?」


「そうよ」


「次来た時にいたらいいね~」


「ここのベチョライムキングは何をドロップするんだ?」


「『ベチョライムキングの布』ね」


「布?」


「そうそう、ベチョライム液無効の布らしいわよ」


「へ~。それはそれで需要がありそうだな」


「ダンジョンボスのドロップ率は非常に低いので、階層に限らずレアですね。もちろん、ベチョライムキングなんかは討伐数が多いので入手しやすいですが」


「じゃあ、2F行こうか~」


「ここのボス部屋って、光る石が多いんだな」


 蛍光灯みたいに光ってる石が何個もある。


「ボス部屋以外にはないから不思議ね」


「これって持って帰って、家とかに使えないのか?」


 持って帰れたら電気代タダだよな。

 まぁ、この世界電気ないんだけど。


「同じように考えた人が持ち出そうとしたら、外に出た瞬間、ただの黒い石になったそうですよ」


「そうなんだ。この場所限定なわけね」


「確かに、この石使えたら便利よね」


「いい加減2F行こうよ~」


「ごめんごめん」


 ボス部屋の後ろにある階段から2Fへ上がる。


「お、なんか煉瓦になってるんですけど」


 壁も床も煉瓦だ。なんかオシャレだな。


「ここからまた変わるのよね」


「お、看板ある。

 『ソパールダンジョン2Fは

  キラービーが出現します』」


「私、虫嫌いなのよね。特にあの羽音」


「え、キラービーってさ」


(蜂です)


「わっ! 無理! 俺、蜂怖い!」


「羽音は不愉快だけど、弱いわよ」


 前世の蜂を想像してしまうと、怖いイメージしかない。


「刺されたらアナフィラキシーショックになる!」


「来たわよ」


 ひぃ。


「オリ~。目を閉じちゃったら、さすがに危ないよ~」


 ライに注意され、思わず閉じてしまった目を薄っすら開く。


「でかっ!! サイズでかすぎだろ!」


 キラービーは蜂そのものの見た目だったが、人間の赤ちゃんくらいのサイズがあった。


「なんか、サイズが大きいと逆に怖くないな」


 キラービーがこちらに向かってきたが、バッサリ斬ってやった。


「ビビらせんなよな」


「一人で騒いでたわね」


「急に落ち着いたね~」


「なんでもない。キラービーも弱いな」


「羽音はうるさいでしょ」


 確かにあのサイズでブンブンしてるかららうるさいな。


「うん、あれは鬱陶しい音だな」


「ね~」


 なんて言いながら、キラービーをばっさばっさと斬ってやった。


 ツキもダガーを使って、倒している。


「ダガー様になってるな」


 コクリ。


「でも脳天を片手でぶっ刺すのは、なかなか過激なのではないだろうか」


「別に倒せば一緒でしょ」


「いや、間合いが近いというか。ほら、キラービーの体液が頬についてるし」


「あらら~、本当だ」


 なんて言いながら、ライがツキの頬についたキラービーの体液を袖で拭っている。


 本当にライの子供みたいだな。


「ちょっと! ライってば! 袖で拭くとは何事よ! 汚いでしょーが。ツキちゃんの柔肌に傷がついたらどうすんのよ」


 たわしで擦っても、傷なんかつかないと思うぞ。


「キラービーのドロップアイテムなんなんだ?」


「それは『栄養価の高い蜂蜜』ね」


 プリンの容器みたいなのに入って落ちている。容器付って助かるよな。


「こっちは『キラービーの針』だな」


「2種類あるんだ」


「両方とも人気よ」


「針なんかは場所もとりませんしね」


「キラービーはバンバンとりましょ」


「「「おー!!」」」


「ではまた次回」

オリはアナフィラキシーショックにはなりませんが、本人気づいてません。

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