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目覚めたら異世界

 はっっ!!


 俺は……どうなった?!


 ミジンコか?


 セミか?


 犬か?


 猫か?


 牛か?


 人か?


 落ち着け。

 

 とりあえず辺りを見回すんだ。

 

 状況把握。これ大事。


 目の前には……空!


 澄み渡る空! 快晴だ! 爽やかだ!


 足元には……森!


 森?


 ぱらら……小石が落ちていくね。


「うわぁぁぁぁあああ! 崖だぁっ!!」


 腰が抜ける俺。


 四つん這いで広い地面を求める俺。


 ど、動物にでも転生したのか?!


 手、手は?!


 人間の手だ!!


 やった!


 記憶もある!


 俺は20憶分の1を引き当てた!


 俺の望む異世界! ゲットだぜ!


 というか、ここはどこだ?


 自然豊かな場所なのは分かる。


 空気がおいしい。


 とりあえず、深呼吸しよう。


「スー…ハー… スー…ハー…」


 ふぅ、ちょっと落ち着いてきた。


 とりあえず、広い大地のありがたみを感じるね。


 一歩間違えれば落ちてたな。


「あっという間に選択の場所に戻るところでしたね」


「ほんと、ほんと! 危なかったな!

 ははは……はぁ?」


 首がもげるんじゃないかと思う勢いで振り向いた!!


「痛いっ……!」


 お、お前は!!


「おはようございます」


「あ、おはようございます」


 じゃなくて!


「な、な、な……」


「名前はまだないですよ」


「じゃなくて!! なんでここに?!」


「あなたが望んだからじゃないですか?」


 はあぁぁっ!?


「私だって好きでここにいませんよ」


 俺が望んだ?


「言ったじゃないですか、無意識の望みを拾うって」


 言ってたけど。


「ホント困りますよ。あの仕事気にいってたのに」


 えぇ……


「なかなか、選択の場所担当になるの難しいんですからね」


 それは、すみませんでした。


「じゃなくて! 一体どうなったんだ?」


「おめでとうございます。当選しましたよ。なかなか持ってますね」


 あ、ありがとう。


「その笑顔、気持ち悪いですね」


 うるせー。


「それはさておき。名前決めましょうか」


 名前?


「名前を決めてからが本番です。

 我々一度も名乗ってませんから」


 そういえばそうか。


「まぁ、醍醐味ですよね。普通は自分で決められませんよ」


 何がいいかな?


 前の名前じゃダメなのか?


「お好きにして頂ければ良いですが、生を全うした名前はもういいのでは?」


 それもそうか。


「私の名前も考えてくださいね」


 え? いいの?


「まぁ、これから一緒に冒険するわけですし」


 そうなの?!


「あなたが望んだのでしょう」


 なんでだろ?


「ふっ……分かりますよ。私は魅力的ですからね」


 第一印象、普通の白髪2本の人だったんだけど。


 でも確かによく見てみると……


 あれ? 白髪なくなってる!


「おかげ様でこの身体若いので……ふふっ。

 ……ではなくて」


 顔は変わってないけど。

 う~ん……あらためてみると……

 やっぱり普通だな。

 

 んんっ? 女の子じゃないか!


「今更ですか」


 うわ。


 なんかごめんなさい。


 中性的な顔してたから、男性……

 とも思ってないな別に。

 性別の事なんて考えてなかったわ。


「とりあえず今は名前です」


「あ、そうか」


 名前か~……


 何が良いかな?


 普通、名前って自分で決めないよな。


 う~ん。


 う~ん。


「そんなふんばったら、出ますよ。生きてますから」


 あ、そっか……


 うるせぇ。そっちじゃねぇよ。


「そうだなぁ! 分かった! 決めたぞ!」


「早いですね」


「オリ・ジナル! だっ!」


「は?」


 ほら、オリジナルを目指したいから。


 黒髪の少女がすごい目をしてこちらを見ている。


「ダメかな?」


 黒髪の少女が頭を抱えている。


「オリって呼んでくれよな」


「本人が良いなら良いですけど。ダサいですよ」


 なんだって?!


「オリ・ジナールの方が良いかな? オーリ・ジナルとか?」


「何かの強制力でも働いているんでしょうか」


 オリ・ジナルに決まりだな!


「ではオリ。私の名前を……」


 それも決めたぜ!


「ドゥルルルルル! ジャーンッ」


「無駄にドラムロールの真似が上手いですね」


「ツキ・ソーイだ!!」


「は?」


「最初はツキ・ソイにしようと思ったんだけど、なんかピンとこなかったから」


「は?」


「どう?! いいだろ! 良い名前だっ!」


「え?」


「ツキ! 俺と一緒に冒険に行こう!」


 俺は崖から青い空、広い森に向かって力一杯叫んだ。

 俺の中で格好良いBGMが鳴り響く。

 冒険の始まりだ!


「行きませんよ。行く流れにしようとしてますけど」


 え?


「なんですか、その名前」


「ほら、付き添いで来てもらってるから。

 ツキソイ。ツキ・ソーイ。ね」


 考えてみたら、選択の場所で会った時、なんか頼もしいと思ったんだよね。

 いてくれたら、心強いなって。


「だから無意識で付き添いで来てほしいって思ったんだと思う。だから」


「ツキ・ソーイですか……」


 あれ、黒髪の少女の目から汗が出てる。


「涙です」


 そんなに嬉しく思ってくれるなんて感激だ。


「おそろしい人」


 そういえば、俺って何歳なんだ?


 鏡がないから分からない。


「そうでしたね。あちらに湖があるので行きましょうか」


 崖の反対側には森があり、しばらく行くと湖に出た。


 なんて綺麗な湖だ。さすが異世界。


 さす異世。


「前の世界でもありましたよ。あなたが出不精だっただけで」


 そうでした。


「さて、異世界ドキドキ確認ターイム!!」


 本当にどきどきしてきた。


「ではまた次回」

名前決めとか難しいですよね。

とりあえず、無事タイトル回収しました。

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