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レベル上げ

「はい! じゃあ、ツキさん入りま~す!」


 パチパチパチパチ……


「ちゃららららら~♪

 ちゃらららら、ら~ら~♪」


「何その曲~?」


「ん? こういう時の曲」


 口ずさんでるだけだけど。


 ツキがスタスタと皆がいる居間に入ってきた。


「あっ! 音楽に乗って来いよ~」


「わぁ! ツキちゃん可愛い!」


「うん! よく似合ってる~」


 冒険者ショップで買った装備のお披露目だ。


「俺が選んだんだぞ」


「ツキちゃん、回って回って~」


 それはやらないだろ。


 ……回ってる。


「とても良いです。ポリポリ。

 たくあんぬもおいしく感じます」


 それはちょっと気持ち悪い感想だ。


 ぺこり。


 いや、声だせよ。


「いつもの服より防御力もありそうだし、可愛いし、良かったね~」


 コクリ。


「武器も買ったんだ。皆にも見てもらえよ」


 チャキ。


 ツキがポーズをとってダガーを構える。


 お前、そういう事するんだね。


「わぁ~。可愛いダガーね」


「今までの武器はどうしたのですか?」


「そういえば、ツキちゃんの武器ってなんだったかしら?」


 やべ。


「さてと! じゃあ、ギルド行ってくるか~。

 沢山買い物したから稼いでこないとな~」


 コクリ。


「じゃあ、行ってきま~す」


 ◇


「おお~、今日はキラーラビット日和だな~」


 快晴だ。レベル上げには持ってこいだな。


「あなた全然強くならないじゃないですか。亀もビックリですよ」


 うるせー。


「なんだかんだで、レベル5止まりだもんな」


「いましたよキラーラビット」


「可愛いな」


「来ましたよ、キラーラビット」


「おうっ」


 ザシュッ!


「今、可愛いって言ってませんでしたか?」


 言ってたな。


「あなたは可愛いと思っていても、顔色ひとつ変えずに倒せるんですね」


 自分でもビックリしてる。


「お前は戦わないのか?」


「私が戦ったら、レベル上げにならないでしょう。

 私はここで見てますよ」


「せっかく、装備買ったのに」


「ここら一帯、吹き飛ばせば満足しますか?」


 見ててください。


 ズバ! ズバ! ズババ!

 ザッシュ! ザッシュ! ザシュシュ!


「リズムに乗るのやめてもらえますか」


「これってどれくらいでレベル上がるのかな?

 いちいち左手に聞くのも面倒くさいし」


 ズブ! ザシュ! ドシュ! バシュ!


「切り方の工夫するのやめてもらえますか」


「あ! なんかドロップしたっ」


 魔石以外の物が出たのは初めてだ。


「キラーラビットの肉ですね」


「おお~、異世界肉ゲットだぜ」


「いつも食べてるでしょう」


「自分で取るのと買うのでは大違いだろ」


 魚釣りと一緒だな。


「新鮮だから今食べたらおいしいとかあるかな?」


「調味料もないのにおいしいわけないじゃないですか」


「あ、そっか。まぁ、サイズも小さいし、アイテムボックスに入れておくか」


 ちなみに冒険者ショップで買ったホットトドックは次の日に皆でおいしく食べました。


「誰に言ってるんですか」


「急に思い出してさ。皆で食べるとホットトドックもさらに美味しく感じたな」


 アイテムボックスには水袋とあの日購入したポーションやらが入っている。


「やっぱり、水袋いいな。

 ぶよぶよだからギツギツに入れやすい。

 隙間ができにくいというか。

 他のを入れたいとき、水を飲むか捨てればいいんだから。土よりいいわ」


「普通アイテムボックスに土なんか入れませんよ」


 おい。


「おや、珍しい。キラーラビット生息地にスライムがいますよ」


 マジ?


「スライムは弱すぎて、戦う事なかったけど。見たい見たい」


 ぽよんぽよんしてるスライムが2匹いた。


「うわ~。スライムだ~」


「異世界の代名詞のようなモンスターですね」


 どこの異世界にもいるな。


「いないのはあなたのいた世界と……

 いくつかの異世界ですね。

 モンスターがいない世界は案外少ないです」


「え? そうなの?」


「大丈夫かと思いますが……

 あなたのいた世界もこちらの世界から見たら異世界ですからね」


 あ、そうか。


「スライムはどこでもいますね」


「仲間になったりするかな?」


「漫画の見過ぎですね。モンスター界における食物連鎖の下位グループを仲間にしてどうするのですか」


「食べたらおいしいかな?」


「気になるなら食べてみれば良いのでは?」


「食べられるのか?」


「お腹を壊すくらいでしょうね」


「じゃあ、食べないよ!

 ってか状態異常と病気にならないんじゃないのかよ」


「それとこれとは別です」


「腹壊すって病気じゃないのかよ」


「なんと言えば良いのか…。

 お腹を壊すのはダメージと思ってください」


「ほう?」


「あなたの場合、外傷は負うわけですよ。

 ナイフが刺されば怪我しますし腹をさされれば、死ぬわけです」


「おおう」


「なので、腐ったようなものを食べるとお腹を壊します。

 なんせ壊すって言ってますしね」


「毒飲んだって平気なんだろ」


「はい」


「毒と腐ったものの違いはなんなんだよ」


「なんかもう面倒くさいですね」


「はぁ?」


「分からないならいいですよ。

 とりあえず、硫酸とか飲んだら死にますよ」


 飲まねーよ。


「せっかくなので、スライムも倒しておいては?」


「そうだな」


 ズブウン。


「うわ、何この感覚」


「ぷよぷよしてますからね。斬った感覚も違うでしょう」


「わ~……揉んでみたらどうなるんだろ……」


「…………」


「へ、変な意味じゃないぞ!」


「揉んでみればいいじゃないですか」


「い、いいかな」


 サッ……


 スカッ……


 サッ……


 スカッ……


「捕まえられない……」


「斬るのと捕らえるのではまた違いますからね。スライムを揉むためにも、レベル上げしてスピードを上げましょう」


「そんなものの為にレベル上げするか」


「揉みたいくせに」


「変態扱いするな」


「それはさておき、そろそろ魔法も使いましょう」


 そうだな。


 そんなくだらない話をしながらレベル上げに勤しんだ。


【 レベル8だよ~ 】


 ではまた次回。

水袋の水はとても美味しいそうです。


誤字報告ありがとうございました。

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