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お薬コーナー(2)

「猛毒消しはさすがに、まだ要らないだろ。

 まぁ、高いからってのもあるけど」


「あっ! 金の針あるぞ!

 うわ〜。想像よりサイズ大きいんだな!

 ボールペンくらいある!

 えっ?! 銀の針ってなんだ?」


「糸があれば、ほつれた着衣が直せます」


「裁縫道具じゃねーか。

 なんで金の針の横に売ってんだよ」


「遊び心ですかね」


「なるほどね。って、本当かよ」


「適当です」


「それにしても、金の針大きいな」


「銀の針サイズだと、使いにくいからではないですか」


「なるほどね」


「というのは冗談です」


「おい」


「金の針の中に液体が入っています。

 勢いよく刺す事で特殊な薬剤が身体に入り、石化を治療します。

 注射器のようなものですね」


「なるほどね。2本くらい買っていくか。

 なんかオシャレだし」


「これをオシャレだと思う感性は理解できませんが。好みは人それぞれなので」


「なんだよ~。あ、目薬! 目薬も種類多いな」


「これこそ、好みのようですね。

 穏やかな使用感、爽快な使用感、刺激体験……」


「へ~。ガラスのスポイトなんだな。

 あ~、ここがゴムなわけね。

 まぁ、そりゃそうか。

 プラスチックないんだもんな」


「その辺りは、あなたのいた世界は進んでますね」


「よく考えられてんな〜。

 これも2個くらい買ってくか……この辺りは病気関連なわけね」


「お薬屋さんですからね」


「こんだけ沢山あるとな~。

 なんか常備薬で持ってた方がいいのあるかな?」


「我々は状態異常にも病気にもならないので、買わなくていいでしょう」


「…………は?」


「我々は状態異常にも病気にもならないので、買わなくていいでしょう」


「聞こえてるよ! なんだよそれ! 聞いてねーぞ!」


「おや? 言ってませんでしたか?」


「初耳だわ!」


「では、今言いました」


「お前な〜。

 なんでそんな大事な事いつも言わないんだよ。

 俺をもて遊んで楽しいかよ」

 

「心外ですね。なんなら本当にもて遊ぶという事がどういう事か教えて差し上げても良いのですよ」


 すみませんでした。


「分かれば良いのです」


 こっわ。

 顔と迫力どうかしてるわ。


「なにか?」


 なんでもないです。


「それにしても、状態異常にも病気にもならないってチートじゃん」


「あなた、前世でも病気してないではないですか。老衰ですし」


「あ、本当だ。俺、病気したことないわ」


「なんとかは風邪を引かないという言葉もあるくらいですしね」


「おい」


「ふふ、冗談ですよ」


「状態異常にならないのは嬉しいけど、この買おうとしてる毒消しとかは……どうしよう」


「まぁ、異世界記念として持っていたらいいのではないですか? それにこの間のように、合同パーティーになった時に使ってあげればいいですし」


「……お前でもそういう、他人の為になること言ったりするんだな」


「あなた、私をなんだと思っているのですか」


「ははは! ごめん、ごめん」


「まったく」


「でも、お前の言う通りだな。なんにもないに越した事ないけど、せっかくだから、持っておこうっと」


「なら、病気コーナーは別にいいかな。キリないし。お、ここはなんだ」


「この辺りはサプリ的な栄養補助食品でしょう」


「そんなのもあるんだ」


「あちらの棚は美容関係のようです」


「へ〜。おお〜。シャンプー、トリートメント。化粧水、乳液。色々あるじゃん」


「どこの女性も切磋琢磨していますから」


「ツキはいらないな。肌とかつるつるだし」


 ツキのほっぺを触ってみる。


 むにむに。


「お、弾力もいいじゃないか。若いからかな」


「ちょ! 何、触ってるんですか!」


「あ、ごめんごめん。

 褒めたんだから、そんな怒るなよ」


「この『カミノジハーダ』と『カミノホーゴ』は今から買っておいた方がいいんじゃないか?」


「勿体ないからいいですよ」


「若い時からケアしておけば、将来白髪2本に悩まなくて済むぞ」


 ゲシッ。


 久々のローキック。いつもより痛い。


「大きなお世話です」


 さよですか。


「まぁ、予算も少なくなってきたからどうせ買えないんだけど」


「知ってます」


「今度プレゼントしてあげるからな。健やかな、黒髪維持の為に」


 ゲシッ。


 っと来る前に避ける俺。


 はっはっは!

 さすがに分かるぜ。


 ゲシッ。


 すばやく、追いローキックがきた。


 ツキさんに敵うわけがなかった。


「くっ」


「あ、この辺りは行かない方がいいですね」


「なんでだよ。俺はなんでも見たいぞ」


「女の子製品が置いてありますが」


 ごめんなさい。行きません。とても行けません。


「あちらにはあなたの興味ある品がありますよ」


「え? 薬局で男の子製品なんて何がある?」


「………………」


 ゴミを見るような目で見られた。


「行ってみれば分かります」


「どれどれ……」


「ポーションの次に求めていたのではないですか?」


「ふわぁ~。エーテルだあ!」


 丸いフラスコみたいな形の瓶が置かれてる棚にエーテルと書いてあった。


「わわわ。エーテルだぞツキ。これがあれば魔力が回復する」


「魔力は自動回復しますが、あった方が良いでしょう」


「あれ? エーテルはポーションみたいに種類ないんだな」


「魔法を使える人が少ないからでしょうね」


「だから、こんな端に置いてあるのか」


「まあ、迷わなくて済むけど。このエーテル12本セットとハイエーテル2本くらい買って行くか!」


「いいんじゃないですか」


「よ〜し! じゃあ、お会計して夜ご飯食べに行くか〜」


「ではまた次回」

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