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神殿カタログ

この小説はフィクションです。

実在の人物や団体などとは関係ありません。

「「おかえり~」」


「早かったね~」


「なんか話し聞いてるだけで疲れたから、さっさと帰って来た」


「で、どうだった神殿!」


 リリーが前のめりになって聞いてくる。


「神殿か~……

 フェス、どれくらい話していいの?」


「何も話してはいけないですね」


「って事だから、ごめんな。

 すっごい話したいけど、怒られるから」


「ええ~、つまんない」


 分かる分かる。


(いい加減、元のサイズに戻りたいのですが)


 やべ。


「先にちょっとツキ見てくるわ」


「ずっと部屋に籠ってたよ~」


「そうかー。

 なーに、拗ねてるんだかー」


(棒読みですね)


  ◇


「ごめんごめん」


 鞄を床におろすと、ツキが匍匐前進で出て来た。


「は~……」


 言いながらツキのサイズがぐんぐん戻る。


「それって大きくもなれるの?」


「なれますが、なりませんよ」


 だと思ったよ。


「いや~、疲れたな~」


「ですね」


「さっきもフェスと話してたけど、1回でお腹いっぱいだな」


「あの神殿を作った者が気になりますね」


「あっ!そうだよ。

 何だよ、神殿カタログって。

 ふざけてんのか」


「私がふざけているように見えますか」


 見える。


「なんという……

 そこは『見えない』と言うところでしょう」


「で、何あの神殿。

 あ、待て、その前に俺が寝る時出してた神殿どうした?!」


「消しましたよ」


「消したの?!」


「消せるので」


「消せるんだ……」


 何この会話。


「ずっと出しておこうと思えば出しておけますが、邪魔ですし、たぶん騒ぎになるでしょうし」


 確実に騒ぎになるね。俺でも分かるわ。


「で、ずっと出てるパターンが今日行った神殿なんだ?」


「そうですね。ちょっと老朽化してそうですが」


「あれ見てなかなか老朽化してるとは誰も言わないだろうな」


「あなた思ってたじゃないですか」


「そりゃ新築……って言っていいのか? を見たばっかりだから、さすがに分かる。

 そもそもカタログって何だよ?」


「神殿カタログというのがあの世にはありまして。

 基礎から自分のイメージで神殿を作ることも可能なのですが、よほどの拘り派でなければ面倒なので、だいたい神殿カタログを見て神殿を作りますね。

 カタログ人気ナンバー1を選んだせいで被ってしまいました。悔しいです」


 人気ナンバー1選んだら被りやすいの分かるだろ。


「まぁ、雰囲気出てますからね」


「カタログに載ってる神殿って他にも種類あるのか?」


「ありますよ、あなたの世界でもありましたよね。

 柱をたくさん使ってるのとかもそうですよ。

 あとは、なんていいましたっけ……

 トースター島のモヤシ像でしたか?」


 うん、なんか色々違う。

 分かるけど。


「あれは人気なかったので、オリの世界では何箇所かくらいにしかなかったですね」


「え、あれって1箇所じゃないのか?」


「あー……それはっ……ぶふっ」


 急に笑い出したぞ。


「ぷっ……くふふ……ははは!」


 怖い怖い。


「失礼しました。思い出し笑いです。

 あのモヤシ像ですが、製作者の顔が柱にっ……

 ぷぷ……え~……製作者の顔が柱になるんですよ」


「あれって、作った人の顔なの?」


「ええ……ぶふっ。

 思ってたんと違うってので、キレまして。

 吹き飛ばしたはいいものの、肝心の顔だけっ……

 顔だけ残るっていう……

 消せば良かったのに吹き飛ばしたせいで。

 消せなくなったという……ふはっ……というのがアレです」


 聞きたくなかった真実だよ。

 あとモヤシ像じゃないからな。


「何箇所かってのはどういう事だよ」


「見事にふっ飛んでいったのもあるし、地中に埋まっているのもあります。

 悔しかったのか、再トライしてましたから。どれも似たような顔でしたけど」


「なんかあの世の人達でも人間味あるな」


「人間ですから」


「え?!」


「何かおかしな事言いましたか?」


「に、人間なの?!」


「元人間ですね。

 ちなみに元犬、元猫、元モンスター、元ミジンコ等々、なんでもこなしてますよ」


「なんだそれ」


「一応お伝えすると、あなたは前世と今世の記憶持ちですが、その前もありますからね」


「嘘っ?!」


「本当です。覚えてないだけで」


「言ってよ」


「必要ないと思います。

 あなたの頭じゃ物理的にパンクしますよ」


 物理的には嫌だな。


「その辺りはまた気が向いたら教えて差しあげますよ」


「何で今じゃだめなんだよ」


「そろそろ居間に戻らないと」


 やべっ!


  ◇


「おっ! ツキちゃん復活!

 やっぱりオリと一緒がいいんだな~」


 首をふるふると横に振るツキ。


 いや、話せよ。


「オリ、お土産話ししてあげなよ~」


 一緒にいたから必要ないとは言えない。


「何あわよくば聞こうとしてるんだよ。

 言わないって」


「ちぇ~」


「神殿の事は言わなくてもいいけどさ~。オリの魔法見せて~」


「ええ~?」


「一緒に依頼受けようよ~」


「私もオリの魔法を見たわけではないので興味があります」


 フェスは俺たちが見学中ずっと応接室にいて、たくあんぬ食べてたもんな。


「まだ皆に見せる程でもないから……」


「オリ。私は今日、貴重な時間をオリの為に割いたのですが」


 そうでした。


「一緒に行かせていただきます」


「え~、ツキ&オリがついに!

 我らスターライトと一緒に依頼受けてくれるんだ♪」


 ださ……

 何回聞いてもださいな。

 本人たち大真面目だから口にだせないけど。


(オリ&ツキもださいですけど)


 「あっ……」


 油断した。


「どうした~?」


「なんでもない。ははは」


「じゃあ、明日5人でギルド行こうな~」


 この3人と一緒に行くと目立つからな〜。

 3人とも人の視線に慣れてるだろうけど、俺はキツイ。

 3人とも好きだけど、俺とツキには不釣り合いだから。

 比べられたくない。


(一緒にしないでください)


 そもそも俺が自分と3人を比べてるのが嫌なんだよ。

 3人は何も気にしてないから余計に。

 嫌な奴らだったら、気が楽なんだけど。

 自分のことながら拗らせてんな……

 あと、パーティー名がださい。


 しまった! ツキに心の声聞かれてた……

 これはデリケートな事だから、ツッコまないでくれ。

 豆腐メンタル発動中だから。


「あ、勝手にいいって言っちゃったけど、ツキもいいか?」


 ツキと目が合う。


「分かった」


 どっちの返事なんだろうか。


「ではまた次回」

神殿関連が続きましたが、またレベル上げ等していきたいと思っています。

神殿やあの世の話しばかりしてたらオリがなかなか冒険しませんからね。

あと、モヤシ像関係者の皆様、本当に申し訳ございませんでした。

※この物語はフィクションです。

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