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いざ神殿へ

「では小さくなりますが、前回のような反応はおやめ下さいね」


 了解。


「では私は鞄に入って同行します」


 というと、シュルシュルと小さくなるツキ。


 おぉ~~。

 何回見ても小さくなると可愛いな。

 俺でも小さくなったら可愛いかな。


「小さくして差し上げましょうか」


 え? できるの?


「できますが、やりません」


 なんでだよ。


「なんとなく、イラッとしたので」


 ひどい。


「早く行きますよ」


 俺はツキを鞄に入れて、居間にいるフェスのところに行った。


「準備できましたか?」


「もの凄く準備してきた」


「ツキさんは?」


「一緒に行けないから、ふて寝してる」


 ツキの部屋には使ってない布団を丸めて置いてある。対策はバッチリだ。


(何がバッチリですか。私はあんなに大きくありません)


「お! オリ、ついに神殿に行くのか~」


 ライとリリーもいた。


「オリが神殿に行くなんてね~。

 戻ってきたらどんな所か教えてよ」


「神殿の情報は門外不出なので無理ですよ」


 フェスがキッパリと答える。


「え~、いいじゃない。

 どうせ分かんないわよ」


「お土産買って来てな~」


「なんかいいの売ってたら買ってくるな!」


「私の話聞いてましたか? さっさと行きますよ」


「ごめんごめん。

 じゃあ行ってきます」


「「いってらっしゃーい」」


  ◇


「で? どこにあるんだ?」


「まぁ、ついて来てください」


 フェスについて行くこと30分。


「ここは……!!」


「はい」


「お前が贔屓にしてる、たくあんぬ屋じゃねーか!」


「おやつを買っておこうと思いまして。自作のも持参しているのですが、ここのは格別でして」


「どんだけたくあんぬ好きなんだよ」


「いいではないですか。店主ー! 注文よろしいですかー?!」


 奥から店主が出て来た。

 体格の良い、まるで漁師のような雰囲気がある。


「あいよー! お~、フェスじゃねーか。今日は何にする?」


「そうですね。

 青たくあんぬ、赤たくあんぬ、黄たくあんぬを」


 早口言葉かな?


「珍しいもの注文するな」


「彼が好きみたいで」


「たまに一緒に来てたな、あ~名前は?」


「あ、オリです」


「へ~、オリ君がね~」


 いや、俺そんな原色なたくあんぬ好きじゃないし。


「フェス、何言って――」


「じゃあ、二人ともこっち来い」


「ほら、行きますよ」


 店主について行くと、奥の部屋に通された。


「う、すごい色んなたくあんぬの臭いする」


 さすがに売っているだけあって、臭いがすごい。


「ははは、そうだろう。

 慣れないと最初はキツイよな」


「オリ、こんな香しい臭いは他にはありませんよ」


 などと言いながら、フェスがスーハーしている。

 顔は凄くいいけど、なんか気持ち悪いな。


「さてと……

 青たくあんぬ、赤たくあんぬ、黄たくあんぬだったな」


 店主が青赤黄のたくあんぬが入った壺を台の上に置いて行く。


 ゴゴゴゴゴ……


 な、なんだ? か、壁が床へ下がっていく。


「は?」


「行きますよ」


「はあ?!」


「なんですか、顎が外れたような顔をして。

 変な顔だからやめた方が良いですよ」


 いやいやいや。


 壁がなくなったところには通路があった。


「ここから神殿へ行きます」


「ええっ!」


「ははは! 初めて見たらそうなるな!」


 店主がフェスにランプを渡す。


「さ、行きましょう」


 マジかよ! 凄い! なんか興奮してきた!


「はぁはぁ言うのやめて頂けますか。

 気持ち悪いので」


 さっきまでスーハーしてたフェスには言われたくない。


「少し歩きます」


「お、おお……」


 カツカツ足音を鳴らしていたのが、カツーン、カツーンと反響する音に変わっていった。


 しばらく歩くと奥がぼやっと明るくなっていた。


「ここは……」


「ここには魔法陣があります。

 これで神殿まで転移します」


「て、てててて転移!」


 来たコレ! 来ちゃったよコレ!!

 異世界と言えば、魔法陣転移陣とかよく見ます!

 聞きますです!


(興奮しすぎです)


 そういえば、ツキがいたんだった。


 ドシッ。


 鞄の中でツキがローキックをしてそうな可愛い衝撃がした。


「こちらに来てください」


「は、ははははひゃい!」


 興奮しすぎた。


「気持ち悪……」


 すみませんね。


「では行きます」


 足元が明るくなり、前が見えないほど光り思わず目を閉じてしまった。


「着きましたよ」


 え?


 ゆっくり目を開くと目の前に神殿があった。


 あれ……これ……


「驚きましたか?

 初めて見ると、美しさに息を飲みますよね。

 このような建物は見た事がありません」


「う、うん……」


 いや、見た事あるわ。

 ツキが一瞬で建ててた神殿だ。


 これお前が作ったの?


(これは私が作った神殿ではありません)


 全く一緒じゃん。

 あ、でも、ちょっとこっちの方が年季入ってるか?

 それでも綺麗だけど。


(他の誰かが作ったのでしょう。この神殿はテンプレですから)


 テンプレ?


(神殿カタログというのがあの世にはありまして)


 なんだそれ。ふざけてんのか?


(至って真面目です。作った者と好みが一緒だったようです。やはり、人気ナンバー1を選んではいけませんね)


 なんの話だよ。


(カタログの話です)


 うるせー。


「何をぼっとしているのですか。入りますよ」


「ごめん。圧倒されてた」


 なぜかフェスが得意げな顔をしている。


 フェスと俺が前に進むとクリスタルの門がゆっくりと開いていった。


(この門はオプションですね)


 うるせー。


 なんて念話していたら、神殿の扉の前に着いた。


 フェスが真っ白い扉に手をあてる。

 指紋認証かな?


(魔力認証のようですね。扉が魔力を感知すると開くのでしょう)


 へー。


 音もなく扉が開く。


 建てつけが良いですこと。


 ツキが建てた神殿と同様に埃ひとつない。

 床は綺麗すぎて、スカートをはいていたら見えてしまいそうだ。


 目の前には寝台っぽいテーブルがあり、ホテルのコンシェルジュのような人がいた。

 髪は金色、前髪はピンで固定され、後れ毛のない夜会巻きをしているキッチリとした感じの女性だ。


 テーブルの向こうで見えないが、スカートかな?

 スカートをはいていたら見えてしまいそうだから、どうなのかな?


 ドシッ。


 鞄の中でツキがローキックをしてそうな可愛い衝撃がした。


「こんにちは、本日はどうされましたか?」


 凄く綺麗な声がホールに響いた。


「こんにちは、フェス・ティバールです。

 突然魔法を使えるようになった者がいたので連れてきました」


「それはお珍しいですね。そちらの方ですか?」


 お姉さんがこちらを見る。


「こんにちは。

 私は受付担当をしております。

 バーバラ・フロラディアと申します。

 お名前をお伺いしてもよろしいですか?」


「は、はい! こんにちは!

 オリ・ジナルといいます!」


「それでは、応接室にご案内いたしますね」


 フェスがこちらを見て、コクリと頷く。


「は、はい!」


 バーバラさんが、前を歩いて案内してくれる。


 気づかなかったけど、背ぇ高いな。

 俺と同じくらいか?

 ああ、ヒールを履いてるからか。

 

 スカートはタイトで綺麗な足が印象的だ。

 

 いや待て。足だけじゃないぞ。スタイル抜群だっ!

 ツキの板みたいなのとは違って、体のラインが柔らかそうでとても良い。


 ドッ。


 鞄の中でツキがパンチをしてそうな可愛い衝撃がした。


 なんだ、嫉妬か。


 ドッ。


 図星か。


 ドッ。


 分かった分かった。

 何でもいいから、この後からは音たてるなよ。


(それくらい分かっています)


 おお、どきどきする。


(ではまた次回)

たくあんぬがひらがなのせいで読みにくいですね。


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