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覚悟できてなかった男の話

「え?! ツキは一緒に行けないのか?!」


 俺とツキが顔を見合わせる。


「当たり前じゃないですか。

 魔法を使える者のみが行けるところですよ」


 ツキさんめっちゃ魔法使えますけどね。


「付添いとかで入れないのか?」


「入れません」


「でもさ、6歳で神殿に入る子供たちとか、最初くらい手続きとかで親御さんも一緒に入るだろ」


「入りません。あと、ツキさんを親御さんと一緒にしないでください」


 えー……どうしよう。


 すぐさましゃがんで、ツキと膝を突き合わせながらコソコソ相談する。


「どうする?」

「どうもこうもないでしょう。

 一人でいくしかないのでは?」

「え~、来てよ」

「……」


 すごく面倒くさそうな顔をしている。


「お前ならどうとでもできるだろ」

「……手段を選ばなければ、できないことはないですが」

「じゃあ、一緒に行こうぜ」

「オススメしませんよ」

「一緒に行くのにオススメも何もないだろ」

「あなたがすごく頑張らないといけませんよ」

「じゃあ頑張る」

「後で後悔しないでくださいね」

「しないしない」

「言いましたね……ではなんとかしましょう」

「マジで?! やった!」

「ただし、準備に時間がかかると思いますから、行くのは1週間後にしてください」

「ええ~……すぐ行こうよ」

「無理だと思います」

「なんだよそれ」

「とにかく、私は隠れて行きますから、フェスには一人で行くと言ってください」

「OK」


 立ち上がる俺達。


「待たせてごめん。なんかツキが自分も一緒に連れてけって駄々こねるんだよ。ツキを説得して俺だけで行けるようにするから、やっぱり行くの1週間後とかでもいいか?」


「かまいませんが……

 ツキさんが駄々こねてるんですか?」


「そうなんだよ~……っ!」


 恐ろしい顔で俺を睨み付けるツキ。

 これは相当お怒りだ。


「ツ、ツキ~……聞きわけてくれよ~。

 寂しいのは分かるけど……っ!」


 ごめんなさい。ごめんなさい。

 後で土下座でもなんでもします。


「大丈夫ですか? ツキさんが納得できるまでで良いですよ。私は特にどうでもいいですし」


 おい。


「悪いな、フェス。俺が今日連れてってくれって言ったのに行けなくて」


「かまいませんよ。私としてはオリよりもツキさんを連れてって差し上げたいですが、こればかりはなんともなりませんので。しっかり話し合ってください」

 

  ◇


「すみませんでした」


 俺の部屋に入った瞬間土下座した。


「大丈夫ですよ。

 私はあんな事では怒ったりしませんし」


 嘘つけ。


「さて、私についてきて欲しいというオリ・ジナルさん。

 手段を選ばなければ、私がついて行くのは簡単です」


 おお~。さすがチート。

 手を叩く俺。


 パチパチパチパチ……


「ただし。

 この場合、大変なのは私ではなくあなたです。

 私について来て欲しいならば覚悟が必要です」


 そんなに?


「そんなにです」


 何するんだ?


「まず最初に私が小さくなって、あなたに隠れます」


 へ~……小さくなってね。


「はっ……? 小さくなるってなんだよ?!」


「言葉通りです」


 言うが早いが、シュルシュルと小さくなっていくツキ。


「ええーーーーーっ!」


 リガちゃんサイズのツキになった。


「ツツツツツツ……ツキが……」


 小さっ!


「マジかよ……」


「マジですよ」


「嘘だろ」


「信じられないかもしれませんが」


「可愛いっ」


「はい?」


「うわー! なんだこれ! 可愛すぎだろ。

 持って良い?」


 思わず、ツキを持ちあげる俺。

 もちろん優しく。


「ちょっと……」


「うわー! うわー! マジかぁ!」


 こういうの、漫画とかで見るけど実物やばいな!


 手のひらにツキを立たせる俺。


「ちょ、ちょ、俺の手の上で歩ける?」


「歩きません」


 俺の手のひらから、スタッと床に飛び降りるとぐんぐんと元に戻るツキ。


「あっ……あ~あ」


「興奮するのやめて頂けますか」


 ゴミを見るような目で俺を見るツキ。


「ごめん、なんか変なスイッチ入った」


「以後気をつけるように」


 はい。


「さて、今のサイズの私が鞄かポケットに入りますのでオリについて行くのは簡単です」


 おお~。

 パチパチパチ……手を叩く俺。


「ここからが問題です」


 お、おお。


「この1週間は私がこれから行う事に慣れなければなりません。できなければ、一人で行ってください」


 お、おお。


「本当にオススメしませんが、やりますか?」


 やるぜ!


「は~……

 どこまで耐えられるか分かりませんが。

 あなたが望むのであればやりましょう」


「え、そんなにやばいの?」


「やばいです」


「痛い?」


「痛い方が良いかもしれません」


 な、ななななんだよそれ。


「これから行うのは――――」


 どきどき。


「念話です」


 念話?


「念話です」


 あの、有名な念話?

 異世界ものと言えばよく出てくる念話的な念話?


「その念話です」


 憧れじゃん!

 念話とか憧れちゃうやつじゃん。

 あるんだ! できるんだ念話って!


「できます」


 いつも俺の心の声、聞かれてるけど。

 俺もツキの声が聞こえるってこと?


「ちょっと違いますがそうですね」


 なんでそれがオススメしないんだよ。

 むしろオススメして欲しいぞ。


「まぁ、実際に体験した方が早いでしょう。

 覚悟はいいですか?」


「おう! 来い!」


(オリ、これが念話です)


「あぁっ……」


 思わず口を抑える俺。


「な、ななななな何だ今の?」


(分かりますか?)


「あふっ…」


 すぐさま口を抑える俺。


「こここここここれは……やばいっ」


(続けていいですか?)


「あっ……だっ……だだだだダメ!!」


「それでは次回」

なんとなく想像つきますかね?

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