弱いのは俺のせい
スキル確認をした翌日、ツキが教えてくれるというので、冒険者ギルドへ行きゴブリン20体分の依頼を受注してゴブリンのいる場所へやってきた。
「前回なんなく18体倒したのですから、レベルの上がりそうな40体にしておけばいいのに」
「俺は手堅い男だからな。
何かの理由で依頼達成ならず。
とかになったら最悪だ」
「お好きにしたらいいですけど。
受注数が少なくても多い分には問題ないわけですし」
「それでいうと何で受注数書かせるんだろうな?」
「ギルド職員に聞いてください」
そうですね。
「では、本日は魔法の使い方について知りたいのでしたね」
そうそう!
「でもその前にゴブリン20体やってからにする。
魔法に夢中になってて、依頼達成ならず。
とかになったら最悪だからな。」
「では、待っています」
「おう!」
そして俺はゴブリンの群れに走りだして行った。
ザシュ! バシュ! ドシュ!
ザシュ! バシュ! ドシュ!
…………
◇
「ふ~、我ながら流れるような剣捌きだったな」
……寝てる。
ツキさんはお眠りのようだ。
ゴブリンとはいえ、隣で流血騒ぎのなか。
とりあえず、鼻をつまむ。
「ふぐっ」
「終わったぞ」
「早かったですね」
お前もな。
「もう少し寝れると思ってましたが」
魔法魔法!
「その前に何体倒しましたか?」
「40体。せっかくならレベルアップしてから魔法したいもんな」
「ではレベルアップしたか聞いてみてください」
そうだな。
「俺のレベル知りたいな~」
【 3だよ 】
変わってないじゃねぇか。
「私を睨んでも上がりませんよ。
40体ピッタリで上がるとも言ってませんので。
せっかくなら、もう少し倒してきては?」
「もういいよ。今この辺にいないし」
「そうですか。まぁ、あとで練習がてら倒せばいいですしね」
なんかゴブリンの扱いひどいな。
倒しておいてなんだけど。
「で? どうすればいいの?」
「どうするもなにも、えいやってすれば良いのですが」
教える気がない事は分かった。
「教える気はありますよ。
そうですね……
あなたは詠唱か無詠唱どちらがお好みですか?」
え? 詠唱か無詠唱か?
……どっちも捨てがたいな。
無詠唱でズドンッとやって『あいつ無詠唱で?!』も格好良いし、格好良く詠唱してババンッと決めるのもいいよな~。
え~…どっちも好き。
「お好きにしてください。」
聞いたのあなたですよね?
「この世界の魔法は……無詠唱でいいんだっけ?
フェスが無詠唱で炎放ってた記憶が」
そう、フェスは魔法使いなのだ。
そんな感じの見た目だし。
「フェスは優秀ですからね。
一部を除き魔法を使う者は詠唱を必要としています」
そうなんだ。
フェスしか見た事ないから分からない。
「魔法のある世界ですが、魔法を使える者が多いわけではありませんからね」
おおー! 俺使えるぅ♪
ようになったぁ♪
「あ、はい」
なんだよ。
「そして、オリはつい最近前世の記憶が目覚め、魔法が使えるようになりました。実際は魔法だけではなく、選択の場所で望んだ事が大体できるようになっています」
すご。でも何望んだかよく分からんが。
「あなたの都合の良いようにできています」
そんな感じないけどな。
「あなたは弱い」
うるせー。
「そもそも、弱いのは自分のせいですよ」
なんだそれ。
「あなたは何歳からでも選べるのに、16歳での転生を望みました」
そうなの?
「意識していないだけです。
きっとすぐに青春を満喫したかったんでしょうね。
前世のあなたに春は来なかったから」
殴っていいかな?
「当たりませんよ」
それにしてもなんで16歳だと弱いんだよ。
「分かりませんか?」
分かりません。
「頭も弱い」
そうですね。
「これが0歳からの転生だった場合、どうなっていたと思います?」
0歳だったら?
「0歳から前世の記憶がある場合です。
これもまた異世界関連の物語でよくありますよね?」
なんでそんなに詳しいの?
「私に知らない事はありません」
マジで?
「嘘です」
だと思ったよ。
「0歳から前世の記憶がある主人公がやることと言えば?」
魔力溜めたり、魔法のコソ練したりしてる!
「ご名答」
やった~。
「0歳から始まる異世界生活を選択していたら、16年間修行できていた。という事です。多くの転生者がそれでチートを入手しています」
そうだそうだ。
そういうのよくあるよね。
そのパターンも好き好き。
「でもあなたはそれを選ばなかった。
すぐに春を謳歌したいが為に」
それ理由にするのやめてくれる?
「あなたは出遅れたのです」
俺のせいか~……
「ちなみに、あなたが16歳を選んだがために、私はずっと前世の記憶がないあなたにつき合わされていました。
前世の記憶があればまだしも、無垢な子供と一緒に16年……
こちらは見た目は子供でも、精神は成熟を超えた存在なのですから」
コーナン君かな?
「せめて6、7歳くらいならば良かったのですが」
コーナン君の年齢だね。
「兎にも角にも、弱いのは致し方のない事です。
ゆめゆめお忘れなきよう」
はい。
「そんなわけで、あなたの望むことは大体できますが、あなた自身でさえ自覚のない、心の奥底の望みが反映されますので、何がどうなるのかは私ですら分かりません。
童貞が尾を引いてますね。」
うるせー。
「ここでのあなたも童貞ですし」
ここではまだいいだろうが!
あと女の子なんだから童貞童貞言わない!
「確かに。注意しましょう」
よろしくお願いします。
「さて、詠唱か無詠唱かの話しでしたね。
本当に話しがよく逸れますね」
俺のせい?
「目覚めが遅いほど、説明に時間がかかりますからね。
知識の基盤を作るまでの年齢だったら1回で済んでますから」
ほんと、すみません。
「いえ、今回は私も愚痴を言いすぎました」
じゃあ、魔法の説明いいすかね?!
「ではまた次回」




