【手探りで進めるスキル確認】
ふぅ、さっぱりしたぜ!
部屋に戻るとツキが俺のベッドで寝ていた。
とりあえず、鼻をつまむ。
「……ぶはっ!」
「スキル確認良い?」
「いいですよ」
「よし! ……どうしよう?」
「数打ちゃ当たると思いますよ」
「え~……めんど」
「とりあえず、レベルの再確認でもしておくか。
あ~、レベルが知りたいな~」
【 2だよ 】
「おい、下がってんじゃねーか!」
【 嘘だよ 】
【 3だよ 】
これお前だろ!
「違います」
本当かよ。
「レベルは変わっていませんね。
まぁ、ゴブリン倒したくらいではね」
分かってたけどね。
でも前見た時がレベルの上がり際だったら上がるじゃん?
「ゴブリンだとあと40体でもやればレベル4になるでしょう」
地道~。
「あれないのかな? 経験値倍! とかってやつ」
【 ないよ 】
あっそ。
ツキに聞いたつもりだったけど、左手が教えてくれたわ。
ないよってなんだよ。
「じゃあ魔法なに使える?」
【 なんでも使えるよ 】
なんでも使えるってなんだよ。
火魔法とか水魔法とかあるだろ。
「はっ? え? なんて?
何でも使えるの俺?」
「何でも使えるという事はそういう事でしょうね」
「チートじゃん……」
チートだ!
え? やだ、どうしよう、高まっちゃう。
「チートですかねぇ」
なんだよ、今はレベル3だから弱いかもだけど、レベル上がって魔法何でも使えたら凄いだろ。
「そうかもしれませんね。頑張ってください」
うわ~、生温かい言葉ありがとう。
「どういたしまして」
俺って魔法使った事あったっけ?
16年の記憶をあさってみる。
う~ん……うん、使ったことないぞ。
「どうやって使うんだ?」
「えいやってすれば」
教える気がない事は分かった。
「バレましたか?」
おい。
「なんて……ここは家だからですよ。燃え散らかしてもいいんですか? ここは魔法を教えるのに向いてませんから。
ご希望とあらば明日にでもお付き合いしますよ」
マジで?
「本気と書いてマジです」
え、ありがとう。
「ちなみに、あなたが魔法を使った事がないのは、今世のオリには適性がないからです」
え、どゆこと?
「前世の記憶と融合したことで、魔法が使えるようになりました」
ほほう。
「前世の知識、想像力などが魔法を使う上での土台となります。
つきましては、前世でどれだけ異世界文化の知識を取得、想像していたかが鍵となります」
ほほう。
「あなたが生涯独身、童貞を貫きとおし(女性は貫いていませんが)ファンタジーの世界に没入してきた甲斐が、ここで初めて出るということです」
童貞は貫きたくなかったよ。
女性は貫きたかったけど。
「なんということを……」
引いてんじゃねー。
お前がボソっと変な事言うからだろうが。
「俺に想像力があれば何でも使えるのか?」
「そうですね、それこそオリのオリジナル魔法とかも想像力次第で使えるようになると思いますよ。
……オリのオリジナル魔法……面倒くさいですね」
うるせー。
待てよ。
目覚めた時、ツキは俺達にまだ名前はないって言ってたけど、ここで16年過ごしてるんだから、名前あったよな。何この矛盾。
「気づきましたか」
『気づきましたか』じゃないよ。
どうなってるんだ?
「いえ何。せっかくの異世界ですから、名前くらいは決めさせてあげようと思いまして」
決めさせようと思ったって、できるわけないだろ。
16年生きてきたんだから。
「あなたを含め、みんなの記憶をちょちょっと触りました」
ちょ、ちょちょって、ちょっと…。
そんな事ができるのか……
「できませんよ」
は?
「嘘です」
いい加減にしろ。
普通にお前ならやれそうだからやめて。
「幼馴染ジョークですよ」
面白くない。
「精進します」
やめとけ。
「それよりもう左手には聞かなくていいんですか?」
そうだったな。
「ん~、俺の属性とか何だろ?」
【 ・ 】
「痛い痛い痛い…」
点ってなんだよ。手にペンを突き刺すんじゃない。
答えが分からないからって俺の左手で考え込むな。
「よく分かりましたね」
当たってた? なんとなくそう思っただけなんだけどね。
というか俺って属性分かんないの?
「きっと、魔法が何でも使える事から考えても、属性が単純に書ききれるものではないのかもしれませんね」
だったら、さっきみたいな感じで全部だよとか書いておけばいいのに。
「根は真面目なんでしょうね」
左手の話だよね?
「まだあまり難しい事を聞かない方が良いようですね。
レベルが上がったら答えてくれる内容も変わるでしょう」
「そういえば魔法はなんでも使えるのに、鑑定とかはできないの?」
鑑定は魔法扱いじゃないのかな?
【 できるよ 】
できるの?
前ツキができなさそうな事言ってたけど。
「それは左手に聞いてなかったからですよ」
マジか! 鑑定といったら、もうテンプレもいいとこのいいとこじゃないですかぁ!
「え~……何聞いたら鑑定できるんだろ?
鑑定! って言ってもダメだったよな?」
【 聞いて〜 】
左手に聞くの?
「左手に人格があるみたいなんだけど…」
「ありませんよ……たぶん」
はっきり違うって言ってくれませんかね。
「どれだけ優秀な私でも、答えられないことはありますよ」
さいですか。
「事実ですから」
はいはい。
「左手に鑑定してもらわなくて、いいのですか?」
そうだった!
すぐ脱線するから話しが進まないよ。
「そっくりそのままお返しします。切実に。
話しが進まない方の身になって下さい」
なんだそれ。
兎にも角にも鑑定、鑑定。
「そうだな〜、俺のレベルは分かったから……
ライのレベルとか?」
【 15だよ 】
本当に教えてくれるんだ。そして二桁かよ。
「じゃあ、リリーは?」
【 12だよ 】
二桁かよ。俺よわ~。
「じゃあ、リリーのスリーサイズは?」
【 オリはスケベだよ 】
そうですね。
「じゃあ、フェスのレベルは?」
【 23だよ 】
強。
は? フェスって23なの?
一番強いじゃん。凄。
ケンカしないようにしよう。
「じゃあツキは?」
【 ● 】
「いったい! 痛い痛い痛いっ」
大きく強めにグリグリすなっ。
「どういう事だよ」
「私は計り知れない。という事なのでしょう」
怖。
「ではまた次回」




