俺の探索スキル
「買い物に行って世間話する人も対象だな」
「話した事のない人は対象ではないという事ですね」
「キリないから、それは無理だって思っちゃうよな」
「あなたが無理だと思ったらダメですね」
「あれ? それでいくと俺が知ってる人ならいける気がするな」
「相互作用可能という事ですか」
「じゃあ、ショウさん探せるな」
「シオン君はダメという事ですね」
「そうなんだよな~……もうちょっと高機能にならないもんかな」
「あなた次第でしょうね。あなたがストッパーを外せばいけるでしょう」
「できる! って思えるようになるためにも強くなんなきゃな」
「そうですね」
「じゃあ、早速やってみるか」
「もうできるのですか?」
「たぶん行ける」
「やりますね」
「ふふん」
「殴っていいですか?」
なんでだよ。
「よし、行くぞ『クリア・サーチ』」
おっ! ツキに反応してる。
「ふむふむ。ほうほう……」
探索終了っっと。
「どうでしたか?」
「探索範囲せんま」
こんなんじゃ使えねぇよ。
「目で見るのと変わらなかった」
「それは残念でしたね」
「分かってただろ」
「分かっていませんよ。しかし、なかなか勝手の良すぎる能力なので範囲は狭そうだなとは思いました」
言ってよ。
「そんな水を差すような事はしませんよ。それにそんな事を言ったら、私の言葉がストッパーになりますから」
なるほど。
「そう都合よくはいかないか」
「その能力も魔法ではないので、使えば使うほど範囲は広くなっていくと思いますよ」
「アイテムボックスみたいにか」
「はい」
「そういえば、これの凄いところ1つあるぞ」
「なんですか?」
「なんと名前が出る」
「ほほう」
「ちゃんと『ツキ・ソーイ』って書いてあった」
「それは便利ですね」
「これで探索範囲が広くなったら凄いかもしれない」
「そう思うとGPSみたいですね」
本当だ。
「あのさ、この世界でGPSとか言うのやめてくんない?」
「分かりやすいと思ったのですが」
そうですね。
「まぁ、いいや頑張って範囲広げよう」
「ライ達が喜ぶでしょう」
「実際、ショウさんが会いたがらなければ二人には言わないけどな」
「そうなのですか?」
「ああ」
ショウさんの意志を尊重しないとな。
「もちろん、俺のできる限り説得はしてみるけど」
「応じて下さるといいですね」
「だな。じゃあ、能力強化の為にもクリア・サーチしながら探しますか」
◇
「しんど……」
「能力を使い続けるとそうなるでしょうね」
「魔法じゃないんだろ?」
「能力は体力を使うようなものなので。ちなみにHPの体力とは違いますよ」
「なんだよそれ?」
「歩き続けたら疲れますよね」
「そりゃそうだろ」
「そういう事です」
「じゃあなんで、アイテムボックスは疲れないんだよ」
「閉じているからですよ。開け続けていたら疲れますよ」
なるほど。
「さすがに、ちょっとしんどいからサーチやめるわ」
「お好きにどうぞ」
「結構歩いたけどいないな」
「そもそもボロ小屋もないですしね」
「街はずれとはいえ、立派な家立ってるもんな」
「日も暮れてきましたし、今日はここまでですね」
だな。
「そう上手くはいかないけど、探索能力を得たのは大きいな」
「街中に戻ったら、また探索してみてはどうですか?」
「そうだな。どんな感じになるか見てみたいな」
◇
「おお! おお~!」
「どうですか?」
「凄い凄い。俺凄いかも」
「どう凄いのですか?」
「点々と俺の事を知ってるまたは俺が知ってる人達がいる。野菜屋さんは俺が名前を知らないせいか『野菜屋さん』って出てるぞ」
「あなたいつも、あの店のおば様と話していますからね」
「お! ギルドの受付の綺麗なお姉さんが近くにいる」
「いつも綺麗だと言っている人ですね」
「アクセサリー屋にいるな」
「まるでストーカーのようですね」
そうですね。
「言われてみれば、ちょっと気持ち悪い能力だな」
ここぞという時以外、使用は控えよう。
「控えていたら、範囲が広くなりませんよ」
「街外れとかでやる」
「素晴らしい心がけですね」
そう?
「あなたが全うな人で良かった」
「変態だったら、ヤバかったな」
「お、ここ曲がったらライとリリーがいるぞ」
まじで便利かも。
「いましたよ」
「お~……ぃ」
「早速、あなたの似顔絵を使ってますね」
本当に依頼が終わったら探してるんだな。
「は~……」
ショウさん見つけたら言っちゃいそ。
「言えばいいではないですか」
そうなんだけどね。
「俺が前世の記憶を思い出さなければ言ってたかもな」
オリは単純だから。
「あなたもでしょう」
「そうなんだけど、さすがに老衰で死んだ男はそこまで単純じゃないんだよ。大人の判断もしてしまうというか……」
こんな時はオリのままが良かったと思うよ。
「あなたはオリですよ」
「分かってるよ。せっかく大人の記憶があるんだから、なんとかしてショウさんを説得するぜ」
「どうなるか私は見守るのみですよ」
「それは頼もしいな」
「チートですからね」
「だからそれは関係ないっての」
心にチートも何もないからな。
「心はないですよ」
「なんか言ったか?」
「いえ、別に」
「うそつけ」
「え?」
「聞こえてたぞ」
「あなたという人は……」
「痛っ」
久々にツキのローキックをお見舞いされた。
「あるよ」
「何か言いましたか?」
「別に」
「おかしな人ですね」
聞こえてるくせに。
「聞こえてません」
あっそ。
「まぁ、いいけど。今日の夜ご飯何?」
「二人に声をかけなくていいのですか?」
「おう」
「熊は私が飽きたので、買い物でもして帰りましょう」
「じゃあ、肉ばっかりだったから魚でも買って帰るか」
「そうですね」
「大きい魚買わなきゃな」
「そうですね」
「食費もらってるから買えるっていう」
「消費量が凄いですからね」
「焼くのも大変そうだ」
「秒で焼けます」
そうですね。
「ではまた次回」




