表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/222

はじめての窓口とゴブリン討伐

「52番の方~」


「はいっ」


「お待たせしました。

 本日はどうされますか?」


「ゴブリン3体の討伐を受注します」


「はい、それでは受注票お預かりします」


「あっ! はい!」


「パーティー名は『オリ&ツキ』で、お二人でよろしいですか?」


「はい!」


「では、ギルドカードを」


「はい!」


 ギルドカード! あのギルドカードか!

 くぅ~! 来たね来たね~!

 ……あれ? どこだ?


「ここ」


 ああ、お前が持ってくれちゃってたわけね。


「確認させて頂きます」


 お姉さんがサラサラとペンを走らせ、俺とツキのギルドカードの番号を受注票に記入していく。

 ちなみにギルドカードは紙? でできてるっぽい。

 あとでよく見てみよう。


「最低3体。多くなる分には問題ありません。

 魔石を回収して持ってきてください。

 ゴブリンですので、本日中に納品よろしくお願いします。

 回収できない場合でも、本日中にご連絡ください」


 納品って言っちゃうんだ。


「は、はい!」


 魔石来たーーー!

 魔石回収来ちゃったよ。

 魔石のある世界、それが異世界よ。


「やば!」


 ついつい、頬がほころぶ。


「はい?」


「いえっ! なんでもないです。行って来ます」


「行ってらっしゃいませ。お気をつけて」


「ありがとうございます! 行こうぜツキ!」


「はい」


 初心者とバレバレなのか、とても暖かい目でお姉さんから見られているのが分かった。

 ちょっと浮かれちゃったな。


  ◇


「よっしゃ! 討伐前に装備の確認だ! 準備はいいか!」


「あなたは?」


「あ、俺大丈夫か?」


 ポーションとかこの世界あったっけ? 薬草か?


「絆創膏」


 あ~、絆創膏ね。

 傷にはやっぱり、絆創膏よ。


「マジで?」


「嘘です」


 やめて。


「キズパワワーワット」


「嘘だろ」


「嘘です」


 もういいよ。


「ポーションありますよ」


 よしよしよし! 来た来た来た!

 いいんだよ、テンプレでいいんだよ!

 興奮するから。


「鼻息荒すぎです。これが俗に言う変態ですか。気持ち悪いですね」


「うるせー。あれ? 俺ポーション持ってるか?」


「ありますよ。腰袋に入れておきました」


「お母さ~ん」


「誰がお母さんですか。そこはママと言ってみてください」


 無理。


「本当だ、3本入ってる」


 思い出してきた。ポーション売ってるわ。

 冒険者ショップで。


「説明しましょう。

 冒険者ショップとは、冒険に必要なアイテムが多数揃えられており、ポーションやエーテルはもちろん、武器や防具、そして、おやつに至るまで何でもあるお店です。

 一日中いられると評判です。ついつい買いすぎてしまうとか。ホットトドックとか安くておいしいらしいです。我々はまだ食べたことがありませんが」


 急にどうした。


「忘れてると思いまして」


 助かりました。ってかおやつまであるのか。


「今度行こうな!」


「そうですね、おやつは300ギゼルまでです」


「バナナーナはおやつに入りますか?」


「入りまー…すん」


「どっちだよ。ツキその中途半端なの好きだよな」


「おちゃめさんなもので」


「せっかくなら、おやつをアイテムボックスに入れておくか」


「そんな使い方で良いんですか?」


「今のところ入れるものないしな」


「ちなみに、アイテムボックスはギッリギリ、パンッパンに入れておくと、容量が大きくなっていきますよ」


 まじか。ってか、もっと早く言えよ。


「石でも詰めておいたらいいのでは?」


 やだよ。


「よくそれでさっき『おやつ入れでいいのか』とか聞いたな」


 なんて、しょーもない話をしてたらゴブリン達がいるところまで来ていた。


 おぉ~いるいる。

 わぁ~ゴブリンだぁ。

 ゴブゴブ言ってるかな? 耳をすませてみる。

 なんかギチギチ言ってた。きんもい。


「なんか5体もいるな。どうしようか。

 さすがにいきなり5体はな……」


「では、あちらに行ってみますか?」


「おお、確実に行きたいからな」


「いましたよ。おあつらえ向きに1体です。どうぞ」


「よし……」


 緊張するけど、それはじじいの俺なのか、今の俺なのか。

 じじい時代も今の俺も何かを殺すというのは初めてだから。

 今の俺は素振りとか無料の戦闘訓練とかはしてきたけど、命を奪うってのは……

 これが異世界でよくある、前の世界では無縁の感情か。


 でも異世界で生きて行くって決めたからな。やってやるぜ。


「もういいですか?」


 はい。


 ゴブリンはこちらに気づいていない様だ。後ろから行こう。


「ゴブリーン」


 ちょ、ばか。呼ぶ奴があるか!

 ゴブリンが凄い勢いで……でもなく、こちらに走ってくる。


 遅。


「ギギィ……」


 うわ、よだれきたな


「今ですよ」


 ズシャ!


「パチパチパチ。1体討伐完了ですね」


 弱。


「弱くね?」


「まぁ、こんなものですよ」


「そっか」


「なので、5体も行けると思いますよ」


「そうかな?」


「余裕、余裕」


「じゃあ、行っちゃうか!」


「どうぞ、どうぞ」


「って、行かねーよ! 騙されないぞ。さすがに5体は無理だ。次は2体を狙う。確実に行くぞ。元じじいは慎重だ」


「長年の経験から来る慎重さですか。そういうのも大切かもしれませんね」


 ズシャッ!


「5体行きましょうとか言ってたヤツの言うセリフかよ」


 ズシャッ!


 ゴブリンを斬りながら話す俺。


「弱」


「だから言っているじゃないですか」


 まさかの本当だった。

 これは5体行けそうだ。


「行っちゃうか!」


「どうぞ、どうぞ」


 このノリがなんか信用できない。


「やっぱり若いと身体が軽いな」


「じじいの発言ですね」


 だな。


「てかさ、お前は戦わないのか?」


「戦いませんよ」


「なんで?」


「分かりませんか?」


「うん」


「強いので」


 さいですか。


「よ~し、じゃあ5体行くか!」


 あいつの事は放っておいて、俺はゴブリン5体に飛びこんで行った。


 ダッシュ斬りにジャンプ斬り。

 我ながら、本当にいい動きだった。


「さっきまで、命を奪うのはなんちゃら~って思ってた人とは思えませんね」


 そうだね。

 我ながら、どうかと思った。

 斬ってもなんにも思わなかった。

 これは相手がモンスターだからだろうか。


「まぁ、いいや。今日は帰るか。疲れてないけど初めての討伐だし」


「魔石は拾っておきましたよ」


「ありがと」


「では戻りますか」


「これって、いくらくらいの稼ぎになるのかな~?」


「知らずに戦ってたんですか?」


「受注票ちゃんと見てなかったわ」


「ちゃんと見ないとダメでしょう」


「ごめんね、ママ」


「よしよし」


 なんて話してたら冒険者ギルドに戻ってきてた。


「ではまた次回」

誤字報告ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ