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ライの秘密

「俺とショウ姉、付き合ってたんだ」


「え?」


「俺とショウ姉、付き合ってたんだ」


「あ、聞こえてたよ」


 おいおい、それだと話し全然変わって来るぞ。


「リリー知らないのか?」


「知らない」


「なんで言わないんだよ」


「絶対に誰にも言わないって約束でショウ姉と付き合ってたから」


「言わないせいで、性犯罪者扱いされてもか?」


「さすがにそこまでの言い方はされてないけど」


 ライが苦笑いする。


「あ、ごめん。それでいうと俺に話していいのか?」


「ダメだろうね。今から言う話、ショウ姉にバレたら殺されるかも」


 えー……。


「ただ、この話を誰かに話せるとしたらオリしかいないから」


 重。


「念の為に言うと、リリーの事を信用してないとかじゃないんだ。リリーは俺とショウ姉の家族に近すぎて内緒とか嫌だろうなと思って言わないだけだから」


 ああ、そうか。


「確かに秘密の共有は負担にもなるからな」


「親とかの前では普通のいとこ同士、リリー達の前ではショウ姉に近づく奴らを排除したりしてたんだけど、付き合ってるのは秘密にしてたんだよ。たまにイチャついてる所は見られてたけど、それは俺がショウ姉を口説いてるって思ってたみたいだから、そのまま誤解して貰ってた」


「排除……」


「あ! 違うよ! 排除って言っても俺から先に手を出してはいないから」


 後で手を出して排除したんだね。


「そんな感じで皆には内緒だったけど毎日幸せだったんだよね~」


 ライが当時を思い出してにやにやしている。


 こんな顔をしているライを初めて見た。

 甘い顔してる。

 顔が溶けるとはこういう事か。


「だから油断しちゃって」


 ライの顔が陰る。


「油断?」


「ちょっと言うの恥ずかしいんだけど」


 ライが顔を赤らめ出した。

 と、思ったらにやけ出した。


 ライの顔でもちょっと気持ち悪い。

 俺の顔ならもっと気持ち悪いんだろうな。


「そんなに恥ずかしい事なら聞かないけど」


「いや、これを言わないと誤解されっぱなしだから」


 キリっとするけど。またすぐにやける。


「なんか聞きたくなくなって来たんだけど……」


「ごめんごめん。リリーには説明しても話にならないのは目に見えてるから言わないってのもあるんだけど。オリなら分かってくれると思う」


 なんなんだ?


「俺さ……あの頃、幸せの絶頂でさ」


 思い出して恍惚としてる。


「その……ショウ姉とひとつになれた……んだよね」


 !!!


「ちょ、ごめっ。やっぱ恥ずかしいなコレ」


 ライがテーブルに伏せて顔を隠す。


 今、俺……何を聞いたんだ?!


 誰もいない居間なのに、答えを教えてくれる誰かを探してキョロキョロしてしまう。


「は~……ごめん。こんな話聞きたくないよな」


 ライが顔を上げて、俺と目を合わせる。


 うん。俺が恥ずかしいよ。


「お、おお……大丈夫」


 大丈夫じゃないけど。


「でさ、俺、もう嬉しくて嬉しくて。ついさかっちゃって」


 !!!!!!


「ところかまわずっていうか……」


 ライがテーブルの上で頭を抱えて顔を隠す。


 俺が隠れたいよ。


「なんか俺、常に発情しちゃってて」


 !!!!!!!!!!


「だってさ! ショウ姉とだよ!! しょうがないよな?!!」


 突然立ち上がり、頷き出す。


 …………。


 もはや声も出せない俺。


「あ……ごめん」


 我に返り、椅子に座るライ。


 あんな事自分で言っておいて顔が真っ赤だ。


「オリ、顔真っ赤だよ」


 俺もだったらしい。お前のせいだよ。


 居間で真っ赤な顔を突き合わせながら座ってる男二人ってどうなの?


「その話、本当にいる?」


 我ながら耐性がないと思う。

 前世で色々なAVを見ていたとはいえ、あれは購入できる芸術作品だ。

 友達もいなかった俺は、実際の体験談を知っている人から聞いた事などないのだ。

 つまり、リアルな話と縁がない。

 そしてこれ、語り手と登場人物は知り合いだ。リアルすぎるにも程がある。


「ちょっと冷静になった。ごめん本題に入るよ」


 そうしてくれ。


「あの時、どこでも発情してた俺は」


 真顔で何言ってんだ。


「こんな所じゃ嫌だっていうショウ姉をちょっと強引に組み敷く事もあったんだ」


 ここは顔赤くなれよ。


「それで余計に興奮してた」


 俺は頭がぐつぐつ沸騰してる。


「嫌がるショウ姉もいいなって」


 なにわろてるねん。


「分かるだろ?」


 分かんねーよ。


「そんな事ばっかりしててさ」


 はい、俺の頭から脳が吹きこぼれますー。

 誰かびっくり水入れてー。


「リリーに聞かれちゃった」


「え?!」


「その時は嫌がってるパターンの時で」


 パターンて。


「付き合ってるって知らないと、無理矢理に見えるというか……」


 でしょうね。


「分かると思うけど、リリーは正義感の塊みたいな奴だから乗り込んで来てさ」


 な、何ぃぃ!!


「まぁ、実際、それも当然なんだけど。本当に襲われてる場合だってあるかもしれないから」


 確かに。緊急性があったら乗り込むか……。


「リリーは、そういう系の話しが全く分からないから、俺の話なんて聞いてないし。ショウ姉はショックで気絶しちゃうし。もう混沌としてて」


 カオス。


「リリーにどうしても言えないんだ『嫌よ嫌よって言ってても、良い事があるんだよ』なんて」


 俺にも言わないでほしかったよ。


「それは……言わない方がいいな」


「だろ! だから誰にも言えなくて」


 俺にも言わないでほしかったよ。


「分かった」


「オリ! やっぱりオリは分かってくれるか!」


 いや、その分かったじゃない。


「その話しについては理解した」


「ありがとう!」


 顔を輝かせるんじゃない。


「整理させてくれ」


「うん!」


「ライがおかしくなるとかは置いておいて。当時、皆に内緒でライとショウさんが付き合ってて、愛し合ってるところを何も知らないリリーに見られた」


「そう、激しく愛し合ってた」


 うるせー。


「それでなんで、ショウさんがいなくなる事になるんだ? 二人の事が皆にバレたのか?」


「リリー曰く、その後ショウ姉からのお願いもあって、ショウ姉の名誉の為に俺との事は誰にも言わないでおいてくれた」


「リリー曰くってなんだよ」


「その次の日にショウ姉がいなくなったから」


「え?」

「ではまた次回」

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