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友達のはじまり

「俺がいないところで俺とショウ姉の話し、オリにするのやめてくれる〜」


「それは私が悪かったわよ! ごめんね!」


 ちゃんと謝るんだね。


「前から言ってるけど、リリーは誤解してるんだよ〜」


「ライ。ショウ姉の話しの時に、その話し方はやめてって何度も言ってるでしょ」


「はいはい、分かったよ」


「はいは一回でしょ!」


「は〜い」


「あのさ……」


「何?!」「何〜?」


「あの、ライが俺に聞きたい事があるならできる限り答えるけど、俺に説明とかいらないからな」


「「え?」」


「二人の個人的過ぎる話しに立ち入るつもりはないというか、俺が聞いて良い話じゃないというか……」


 受け止めるキャパがないというか……。


「なにそれ」


 二人が顔を見合わせている。


 なんか変な事言ったか俺?


「オリはこの話、気にならないんだ〜?」


「気にならないことはないけど……俺、部外者だし」


 またしても二人が顔を見合わせてる。


「なんでそんなこと言うの?」


「部外者だと思ってたら話さないんだよな〜」


 ライが頭を掻いている。


「まぁ……聞きたくないよな~、こんな話」


 ライの表情が暗くなる。


 え?


「は~……ごめんな~」


「私も勝手にオリなら聞いてくれるんじゃないかって思っちゃってて」


 リリーの表情も暗くなる。


 え? 何々? どうした急に。


「オリは俺らの事なんか部外者だと思ってるならそりゃそうだよな~」


「オリからしたら、私たち部外者だもんね~……」


「いや、お前らじゃなくて、俺が部外者だって言ったんだぞ」


 二人してこっちを見て来る。


「「は~……」」


 二人とも息ピッタリだね。

 ケンカしてたんじゃないのかい?


「おい、なんか話変わってるぞ」


「オリが悲しい事言うからでしょ!」


「ショックだな~」


「いや、違うって。そういう感じの話じゃないだろ」


「俺、ショウ姉の話を他人ひとに話そうとする事なんてないよ」


「そうよ。だから私一人でオリに話してたんだし」


「それはダメだろ~」


「だからごめんって言った!」


「オリ以外だったら許さないから~」


「何でそんなに俺ならいいんだ?」


 俺なら俺に言わないけど。


「え? 分かんないの?」


 うん。


「オリっぽいな~」


 俺っぽいって何?


「あのさ、俺はショウ姉の話になると自分でもおかしくなってる自覚があるけど。基本的に人を巻き込みたいわけじゃないんだよ。俺がショウ姉を好きな事は俺だけの問題だから」


「おかしくなってるんだ?」


「ああ。おかしくなるくらい好き」


 困ったように笑うライの顔が凄く良い顔してる。


「だから、それについてオリに恋愛相談とかしたいわけじゃないんだ。ショウ姉の事についての悩み相談とかもない。俺がショウ姉について悩む事なんて何もないから」


 なんという真っすぐな目をするんだ。

 俺がショウ姉なら惚れちゃうね。


「じゃあ、何?」


「いつもと違う俺を見て、オリは俺の事おかしいと思ったよな?」


 正直思ったし、怖かった。


「まぁ……驚いた、な」


「そこの誤解は解かせてくれよ。ショウ姉の事になるとおかしくなる俺だけど、オリに見せてる俺だって、俺だ。オリの事好きだからこの事で嫌われたくない」


「嫌いになんてならないよ」


 ちょっと距離は置いてたかもしれないけど……。


「嫌いにはならなくても、距離は置いただろ?」


 あれ? 俺の心の声聞こえてる?


「はは、分かるよ。顔に書いてある」


 そんなに分かりやすいのか俺。


「ちゃんと説明させてほしいけど、それだとショウ姉の事を話さずには通れないんだ」


「おお……」


「他の奴らだったら、ショウ姉の事を話したくないから距離を置いて終わりだ。けど、オリはもう俺の中で距離を置きたくない人になってる」


 なんか凄い嬉しい事言われてるな。


「ありがとう」


 あれ? お礼言っちゃった。


「なんだよそれ」


 ライが破顔する。

 

 え、何? 惚れちゃう。

 なんで、ショウ姉はライに惚れないの?


「だから、聞きたくないかもしれないけど、俺とショウ姉の話し聞いてくれる?」


「聞きたくないとかじゃないけど、俺が聞いていいんなら、聞くよ」


 心臓が持てばね。


「ありがと~」


 あはは、うふふする俺達。


「ちょっと! 何二人だけで良い感じになってんのよ!」


「あ、いたんだ~」


「いたんだ~。じゃないでしょ!」


「俺とオリは仲直りしたから、リリーはもう部屋戻っていいよ」


 そもそもケンカしてなかったけどね。


「なんでよ!」


「リリーがいると話しが拗れるから」


「はぁ?!」


「そもそもリリーのせいで、オリを巻き込んだんだからな」


「はぁ?! あんたが、ショウ姉見るなり血相変えていきなり追いかけたりするからでしょ!」


「あれは、ああなるって分かるだろ! ショウ姉だぞ! ショウ姉が目の前にいたんだぞ! で、俺の前から逃げたんだぞ! 追いかけるに決まってるだろ!」


「分かってるけど、あの場合は止めるように動くしかないじゃない!」


 これはまたおかしくなってるライって事でいいのかな?


「あの、俺どうしたらいい?」


「「あ、ごめん」」


「さっきはリリーが一人でオリに説明してたんだから、今度は俺だろ」


「え~……」


「その後三人で話せばいいだろ」


「え~……」


「そうじゃないと、この繰り返しだぞ」


 うん。そんな感じするわ。


「分かった。じゃあ、部屋戻ってる。けど! 終わったら呼んでよ!」


「分かったよ」


「終わったら呼びなさいよ!」


「分かったって!!」


 リリーが部屋に入るまで言い合っていた。


「ごめんね~。リリーってばうるさいよな~」


「いや、面食らってはいるけど大丈夫」


 もっととんでもない感じになるかと思ったけど、思いのほかいつもと同じな感じに落ち着いて来てほっとしてる。

 ライじゃないけど、このまま距離ができてギクシャクする事も想像した。

 正直、二人が歩み寄ってくれた事に感謝したい。

 俺、この世界でもまた前の世界みたいな俺になるところだった。


「じゃあ、聞いてくれる?」


「おお、教えてくれ」


 とりあえず、どんな話が来てもいいように覚悟を決めよう。

「ではまた次回」

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