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はじめての案件受注(2)

「今日は畑Bの南側を我々が、北側をオリ&ツキ、畑の中央をショウが担当する」


 中央? モンスターが出るのは畑の外だよな?


「中央とはどうすればいいのだ?」


 黒装束に麦わら帽子姿でキリリと話してるのがシュールすぎる。


「中央はどちらかに煙幕が上がったら加勢に行く係りだ」

 

 なるほど。


「この案件は1週間だから基本的に担当場所は毎日交代していく」


「7日間の内、5日間はいいとして残りの2日間は何で決めるんですか?」


 別にどこでもいいけど念のため、聞いておこう。


「基本的にはやりたい奴がやればいい。中央は巡回しなくていいから楽だが、モンスターを倒した時の魔石や獣肉の入手はできない」


 なるほど。基本の報酬は皆一緒だからな。楽を取るか、どれだけ入手できるか分からない魔石を取るかか。


「担当したい場所が被ったらどうするのだ?」


 確かにそれも気になるな。

 ついでに黒装束で麦わら帽子がやっぱり気になる。


「譲り合うか、じゃんけんだ」


 平和的~。


「他に質問はあるか?」


 特にはないな。


「ないなら以上だ。とにかく畑と働く人を守れ」


「「はい」」


「分かった」


 じゃあ、北側行くか。


「どうする? とりあえず、巡回しておくか……ぷっ」


「何がおかしいのですか?」


「麦わら帽子似合うな」


「ありがとうございます。あなたは似合いませんね」


 別に麦わら帽子が似合いたいと思った事ないからなんとも思わないぞ。


「普通に気持ち悪いですよ」


 それはただの悪口だから傷つくぞ。


「なぜそんなに気持ち悪いんでしょう」


 ひどい。


「ああ、麦わら帽子のサイズが合ってないからですね。明日は違うサイズを借りた方がいいですよ」


 まともなアドバイスだった。


「北側まで遠かったな」


 広い畑だ。


「とりあえず、巡回するか」


 それっぽい動きをした方が士気が低下しないらしいから。


「それにしても暑いな~。麦わら帽子、貸してくれて助かったな」


「そうですね」


「暑~」


「うるさいですね」


「暑いって言うと、余計暑くなるとか言うけど、言っちゃうよな~」


「冷気でも出しておけばいいじゃないですか」


「え?」


「冷気でも出しておけばいいじゃないですか」


「聞こえてるよ」


「魔法で冷気でも出せば涼しいですよ」


「本当だ!」


 やんないけど。


「なぜですか?」


「暑い暑い言ってるのがいいんだよ」


 熱中症は怖いけどね。


「皆この暑いのに頑張ってるんだし」


「それとこれとは関係ないのでは? 使える能力は使えばいいではないですか」


「じゃあ、お前は冷気出しておけよ」


「そんな事しませんよ」


 なんだよ、お前も一緒じゃんか。


「暑くないので」


「え?」


「暑くないので」


「聞こえてるよ」


「あなたこのくだり好きですね」


 お前のせいだよ。


「おや」


「『おや』じゃなくて、暑くないってどういう事だよ」


「自動調整ですね」


「は?」


「体温調整が自動で行われています」


 やっぱりお前、人間じゃないよな。


「人間ですよ。高機能なだけで」


 さてはロボットだな。

 機能って言っちゃってるし。


「こんな感情豊かなロボットがいるわけないでしょう」


 感情豊かってなんだか知ってる?


「あなたのような人ですね」


「え、ありがとう」


「どういたしまして」


「暑いな~」


「そうですね」


 分かんないくせに。


「自動体温調整機能をOFFにしました」


 それ、OFFにできるんだ。


「あ、確かにツキの汗って初めて見たかも」


「体温調整機能を止めれば汗だって出ますよ」


「別に止めなくていいだろ」


「皆この暑いのに頑張ってるので、一緒に頑張りますよ」


 おお、さっき俺が言ったセリフだけど、お前が言うと感動するな。


「ちょろいですね」


 うるせー。


「無理すんなよ」


「水がおいしくなるので、これはこれでアリですよ」


「こんだけ暑いとモンスターも熱中症になってんじゃないか~?」


 そういや、モンスターはその辺どうなってんだろ。


「モンスターはこれくらいの暑さには影響されませんね」


 ふーん。


「燃えれば影響されますが」


 そうだろうね。


「てかさ、索敵してたら巡回する必要なくないか?」


「そうですね」


「しておくか」


 畑になんかあったら、あの優しそうな人が鬼になりそうだからな。


 右目に索敵の透明なやつを出す。


「透明なやつって言い難いな」


「『アイヤー』ではなかったのですか?」


 そういえば、そんな風に言おうとしてたな。


「考えた本人が忘れてるってどういう事ですか」


 確かに忘れてた。

 そもそもアイヤーってなんだよ。ださ。


「……開いた口が塞がりません」


「なんか良い言い方あるかな?」


「何も言わずに出せばいいではないですか」


「え~……言いたい」


 レンズとかは違うしな、これ物体じゃないから。

 確かにこの前も考えてたわ。


「え~……あ、クリアとかいいな」


「お好きにどうぞ」


「『クリア・エネミーサーチ』にしよ」


 あと他の能力なんだっけ?


「熱感知があったな『クリア・ヒートセンシング』にしよ」


「長くないですか?」


 格好良いからこれでいい。


「かっこ……良い? それが……?」


 お前を困惑させる日が来るとは。俺もなかなかやるな。


 索敵『クリア・エネミーサーチ』

 熱感知『クリア・ヒートセンシング』

 暗視『クリア・ナイトヴィジョン』

 望遠『クリア・テレフォト』

 集音『クリア・サウンドコレクション』


 よし!!


「よし!! じゃないですよ」


「いいのいいの。あと今度は忘れないから。たぶん」


 あれ? キラーベアーいるな。


「あっちから来るぞ」


 俺達のいる北側にキラーベアーが近づいていた。


「近いな。ちょっと行ってくるか」


 お、森から出て来てるわ。


「いたいた、なんて丁度良い距離」


 炎の弓矢でいいか。

 俺のこの暑さをお前も炎の弓矢で知れ。


「よっ」


 炎の弓矢がキラーベアーに命中し、見事頭が砕け散った。


「グロ」


 魔石になるからグロいのは一瞬だが。


「拾ってきます」


 ツキが魔石を拾いにいってくれた。


「ど、どどどどどうしたのですか?! 何か凄い音が聞こえましたが」


 近くにいた畑の人がやってきた。


「すみません、うるさくして。キラーベアーがいたので倒してました」


 次からは氷の弓矢にしよう。


「はぁ……」


「拾ってきました」


「ありがと」


 畑の人がツキが持ってきた魔石を見て驚く。


「本当にキラーベアーがいたんですね」


「はい」


「爆弾か何かで?」


「そんな危険なものは使ってないので安心してください」


「はぁ……」


「次はうるさくないようにしますんで」


「はぁ……よろしくお願いします」


 畑の人が首を捻りながら戻っていった。


「この調子ならこの任務楽勝だな」


「だから簡単すぎると言ったのです」


「なんでも経験よ」


 あれ? またいるな。


「2体もいるな」


 そこそこコンスタントに来るもんだな。


「そうですね」


「氷と雷にしよ」


「ではまた次回」

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