狂った川
誰か助けてくれませんか。
すぐに、そう呟いている。
誰か助けてくれませんか。
いつも、いつも、滲んでくる。
いつも自分を信じられないで、
渡りたい時の川を、
橋はまだか、舟はまだかと<
岸辺で祈ってばかりいる。
誰かは誰かに愛されて、
誰かは誰かに恨まれて、
互いの助けがもつれ合い、
岸辺はそんな人でいっぱい。
時の川、深い川、速い川、
自分の力で泳いでみれば、
川の力に守られるという。
もう、泳いでゆけ、泳いでゆけ。
これからは、泳いでゆけ。
誰か助けてくれませんか。
呟く前に泳いでゆけ。
狂った時の川を泳いでゆけ。