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レベルアップは、迅速かつ大胆に。

昨日体調を崩し毎日投稿が崩れてしまいました(滝汗

とりあえず第三回イベントまでは構築が出来上がっているので、

今日からもまた付き合っていただければ……


ギルドホームに帰った際のエルの姿を変更しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「さて、みんなもわかっている通り、今日、イベントの告知があった」

アキラが立ちながら、ギルドホームの掲示板を背後に話している。

「とりあえず戦闘班はオレと、ホムラ、で、アキラは確定で……

 もう1人、闇属性使いが欲しいとこだな」

「あぁ。頭部は光属性得意。その頭部に致命的なダメージを与えられるのは闇属性。

 {黒き悪魔たち}{もつ煮込み}など、強力なギルドには強力な闇属性使いがいる。

 僕たちも彼らに対抗するためにも、頭部へのダメージを稼げる属性が欲しい」

「なら、サザン殿は?彼女は闇属性、それに弓使いでござろう」

アキラは横に首を振った。

「彼女はどこかつかみどころがなくてな……今回もどうなるのか」

「アタシがどうしたの~?」

そこにいたのは、くせっけのある中性的な顔つきの黒髪の女。

燕尾服の様な服を着ており、胸はな……

「あ?」

……スレンダーな体つきをしている。

「いたのか、サザン。なら話は早いな?」

「えぇ。その日はちょうど店が定休日だし、アタシも参加できっけど?」

「うむ。ものわかりがいいな。そして、お前にもうひとつ頼みたいことがあるんだが……」

耳打ちをするアキラ。

「……なるほど。わかった。戦闘にならなくても大丈夫?」

「むしろ不必要な戦闘は避けてくれ。活動内容が知りたいだけだ」

「はいほ~い」

サザンは、ギルドホームを出る。

「いいのかよ、アキラ。確か{もつ煮込み}って……」

「あぁ。わかっている。だがサザンは、任務を全うしてくれるはずだ。きっと、な」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


で、こっちは俺のギルドホーム。

「イベントが結構間近に迫ってる。ここはまず、俺たちの強化から先にやりたいとこだ。

 特にツバキ。お前はまだレベル1。レベルを上げとかないとまずそうだな」

「そうですね。皆さんの足を引っ張ることだけは避けたいです」

「そこで……だ」

俺はギルドボードに文字を書いた。

「しばらく、{強化が必要な組}と{素材集め組}に分けようと思う」

今のところのレベルは……


タイガ30 ポラリス34 ディアナ34 エル25 アレン27 リエータ50 ツバキ1


リエータは十二分にレベルがあると言える。

ポラリス、ディアナ、俺も30をとりあえずは超えている。

もう少し欲しいところではあるが……

エル、アレン、ツバキは30を超えていない。

この3人は重点的にレベルを上げていきたいところ。特にツバキは。

「でもさタイガ君。ツバキちゃん、レベル1になっちゃってるけど、戦闘勘は大丈夫?」

「そうだな……それを確かめるために、ツバキにはお前がついてくれるか?」

「了解!」

戦闘勘を確かめるには、戦闘勘が一番強い人物がいいだろう。

レベルが高いリエータなら、なおのことだ。

「で、ポラリス、ディアナ。お前たち二人は素材集めを頼む」

「うん。ボクもここのところ戦闘詰めで疲れてたし、ちょうどいいよ」

「ポラっちゃんと二人きりなんて、超おひさかも。アチュラチュな感じで行きたい!」

「ボクは男だ」

……………………

「……あ、いや、あってるか」

ポラリス、まさかの天然ボケ。

「て、事は、わたしと……」

「僕と、タイガさんでもレベル上げですね」

「そう言うことだ」

俺も正直、まだレベルが高いとは言えない。

自分を鍛える意味でも、エルとアレンと共に行く方が無難だ。

何故かって?


何故か知らないがリエータ、すごくスパルタそうだから。


「じゃあ、またここで」

ポラリスのその言葉と同時に、俺たちはギルドホームを出た。

「!?」

ところで、ポラリスが立ち止まる。

「……どうした?」

「……い、いや、何も」

どうしたんだろうか?




ポラリスは気になるが、今は自分がやるべきことをやらねば。

俺は海岸地帯の、海辺の洞窟にやってきた。

「こんな場所にも洞窟があったとはな……よし、行くぞ、エル、アレン」

「おっしゃあ!ボッコボコにやってやらぁ!」

「やる気だなぁエル。僕も負けていられないですね」

歩いていくうちに、早速敵が現れる。


【スカイイルカ レベル30】


宙に浮いているイルカが、3匹いる。

「そういや、試してぇスキルがあるんだけどよ。早速試していいか?」

「あぁ。やってみてくれ」

エルが半歩前に出る。

スカイイルカがエルを見つめて突進してくる。

「{アクアソリッド}!」

スキルを使った直後、杖の先端に水が集まりだし、一気に凍り付く。

「オラアアアァァァ!」

そしてそのまま杖を両手に持ち、スカイイルカを1撃。

吹き飛ばされたスカイイルカに他2匹のスカイイルカがぶつかる。

デストロイヤー効果も手伝って、受けた相手は1撃。……まぁ、当たり前か。

「では僕も……{スティール}!」

次にアレンが倒れているスカイイルカに接近し、斧を振りかざす。

同時に、スカイイルカが持っている素材を奪い取ってしまった。


Get!【スカイイルカのヒレ】


「互いに職業スキルだな。{ソニックブレード}!」

剣が閃いた後、高速で斬撃の残滓が飛ぶ。

マグナムブレードのレベルが3になったため、こちらに強化した。

火力が高く、速度も高いため避けられにくい。

これは本格的に腕力に振るべきだろうか……?

そうしているうちに、スカイイルカは全匹消滅した。

「さすがじゃねぇかタイガ!それでこそオレたちのリーダーだぜ!」

まぁ、どんな相手も1撃なエルの方がある意味リーダーっぽいが……

あえて言わないでおいた。

「レベル30の敵が普通に出るってことは、ここはレベルアップに適してそうだな。

 ついでに探索もやってみるか」

「はい」

「おっしゃあ!待ってろよザコどもが!」

俺たちは意気軒昂と、洞窟の奥に入っていった。


アクアソリッド 水 消費SP:40

【アクアメイガス専用スキル。

 武器の先端で水を一気に凍らせ、一定時間、攻撃力を大幅に増加させる。

 炎属性得意の仲間には効果時間が大幅に減少。クールタイム:2分】


スティール 斧 消費SP:5

【バイキング専用スキル。斧を振ると同時に相手からアイテムを奪う。

 成功率は使用者の素早さと器用さに依存。クールタイム:20秒】


ソニックブレード 長剣 消費SP:40

【長剣の上位スキル。非常に素早い剣閃を飛ばし、遠距離にいる相手を一掃する。

 相手の防御をある程度無視できる。クールタイム:2分】


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ふぅ……ふぅ~……ふぅっ」

一方こちらは雪山地帯にやってきているツバキとリエータ。

……竜の座する洞窟。

リエータが稼働2日後に攻略した洞窟である。

そのセーフティエリアにやってきた。

ここならモンスターも襲ってこず、スキルなどの付け替えも可能である。


……レベルアップのやり方は至極簡単だ。

リエータが先制で何らかの攻撃を与え、ツバキがトドメをさす。

ツバキが相手をするのが苦しい場合は、リエータがそのままトドメをさす。

しかし、さすがにレベルが低いツバキに、このダンジョンの敵はこれでも厳しい。

最低でもレベル25、高い相手に至ってはレベル45にもなる。

レベル1から18まで、一気に上がっているのがその証拠だろう。

ツバキは地面に座り込みながら、大きく息をついて体力の回復を図っている。

「大丈夫?ツバキちゃん。スパルタすぎた……かな?」

「いえ、大丈夫です。あまり後れを取るわけにもいきませんから」

ツバキはやる気ある目線でリエータを見つめる。

「……それで、リエータさん。少し質問なんですが……」

「どうしたの?」

「結局私は、どのようにパラメータを振ればいいんですか?」

そうか。

確かツバキはパラメータの振り方から、何から何までレックスの思うままだったんだ。

「じゃあとりあえず、覚えたスキルを教えて?」

「え~っと……装具使い、そして風使いのスキル以外に

 {立ち向かう心}{無慈悲}{ハイテンション}を覚えてますね」

【パワーパンチ(強化可能)】【パワーキック】【チャージ】

【エアロスラッシュ】【ヒールブリーズ】

【立ち向かう心】【無慈悲】【ハイテンション】

……を、今のところ覚えている。


パワーパンチ パワーキック 装具 消費SP:10

【装具の基本スキル。パワーパンチは腕力、パワーキックは素早さに威力依存。

 レベル3でパワーパンチは{アッパーブレイク}パワーキックは{スラッシュキック}

 に、それぞれ強化可能。

 レベルMAXでパワーパンチは{スクリューブロー}

 パワーキックは{レッグトルネード}を編み出し可能。クールタイム:20秒】


無慈悲 自動スキル

【相手から攻撃を受けず、攻撃を連続して当てれば当てるほど威力が上昇していく。

 攻撃を受けずに敵を攻撃し、戦闘に勝利した回数が一定以上でレベルアップ】


ハイテンション 自動スキル

【戦闘開始時たまに{ハイテンション}状態となり、一定時間攻撃力が上昇。

 レベルアップで発動確立が増加。

 先制攻撃を仕掛けて戦闘に勝利した回数が、一定回数以上でレベルアップ】


武闘家で覚えたスキルは

【ビートパンチ】【ヒールレイド】【ストンピング】

の3個。


ビートパンチ 装具 消費SP:20

【武闘家専用スキル。連続してパンチを放ち、相手にダメージを与える。

 1撃1撃の威力は低いため、集中して当てる必要がある。クールタイム:40秒】


ヒールレイド 装具 消費SP:25

【武闘家専用スキル。足を振り上げ、かかとおとしで相手を攻撃。

 たまに相手を混乱状態にする。クールタイム:1分】


ストンピング 装具 消費SP:30

【武闘家専用スキル。相手を上空から踏みつける。

 威力は腕力と素早さを足して2で割った数に依存。クールタイム:1分半】


「ん~、まずツバキちゃんは装具使いだから、体力や精神、器用さはあまりいらないかな。

 で、優秀な特技が揃う分SP消費も激しいから知力も欲しい。

 後は手技を主体とするのか足技を主体とするのか……

 あたしとしては、素早さを上げて、避けながら戦う方がいいと思うけどね」

「わかりました。後でやってみます」

「そうね。とりあえず職業のレベルが8まで上がったし、上級職に進職してから考えよっか。

 あ、でも素早さか腕力はある程度上げておいた方が、モンスターとの戦いで楽になるよ」

そうとだけ伝えると……

「……何だかリエータさん、タイガさんに似ていますね」

と、ツバキが笑いながら言った。

「……そ、そうかな?」

「それにタイガさんに初めて会った時なんですが……リエータさんに似てる気がして」

するとリエータはいたずらっぽく笑い、

「だとしたら、どうなのかな?」

挑発するように、ツバキに言った。


……どうやら、リエータはツバキが何を言いたいのか、わかっているようだ。


「いえ、どうもしないです。さて、休憩は十分ですし、行きましょうか」

トントンと装具を馴染ませるように足を鳴らすと、ツバキは立ち上がった。


スキルの立ち向かう心と無慈悲、そして素早さを上げたことにより……

「たぁっ!」

このダンジョンのモンスターにも、かなりの活躍を見込めるようになってきた。

そんなツバキに、背後から牛型の敵が突っ込んでくる。

「っ!」

素早さを上げたことにより、相手の攻撃を寸前で回避できている。

「{ストンピング}!」

とりわけストンピングと相性は抜群だ。

「ンモオオオォォォ!」

「くっ……!」

踏みつけ、そのまましがみつくツバキを、振り落とそうとする。

「おとなしくっしてください!」

しかし抜群の体幹と握力で踏ん張り、パワーパンチ。

あっさりと牛は消え去った。

……アレンが相手の攻撃を避け、反撃する回避盾とするなら、

ツバキは攻撃を矢継ぎ早に行い、相手に反撃する隙を与えない『攻撃盾』と言えるだろう。

アレンにしてもツバキにしても、戦闘スタイルの差別化は出来るはずだ。

攻撃は最大の防御。1対1なら、鍛え抜かれた格闘技で無類の強さを誇るはず。

2体以上の場合は……

「離れてて、ツバキちゃん」

「はい!」

「{インフェルノ}!」

リエータが新たに編み出したインフェルノで一掃。

リエータを中心に、炎の渦が上空へ巻き上がる。

クールタイム中以外なら、これだけで何とかなる。

「今のスキルは……?」

「炎属性の最上級スキルの{インフェルノ}だよ。クールタイムはめちゃくちゃ長いけど……

 威力や範囲の事を考えたら、それでも短い方だね」


インフェルノ 炎 消費SP:70

【敵を炎の渦に閉じ込め、焼き尽くす炎属性最上位スキル。

 威力が非常に高く、範囲も非常に広い。クールタイム:3分】


さらに、10分ほど戦闘して……

「あっ」

レベル20になった上で、上級職への進職が可能になった。

「やったねツバキちゃん!早速町に戻ろっか!」

「はい!」

ツバキはウキウキしながら洞窟の出口に向かって歩き出した。

「……」

楽しそうでよかった。心から思うリエータだった。




一方そのころ、密林地帯で採掘をしているポラリスとディアナ。

「ふっふっふ~、大量大量!」

すでに大量の黒鉄を集めているディアナと……

「さすが、大剣を振り回すだけあって……」

ぷるぷると、ピッケルを震えながら持ち上げるポラリス。

「か、軽々なん……だね……」

「わ~!ポラっちゃんしっかり!ブルーブレスじゃん!」

ブルーブレス=青息吐息。

「ダメだ……ボクはやっぱり戦闘の方が向いてるよ……」

体力はあるものの、こう言ったことに慣れていないようだ……

「よ、よくそれで今まで1人でやってこれたね……とりま、これだけ集まれば大丈夫っしょ」

「だね。そろそろみんな戻ってきそうだし、ボクたちもギルドホームに戻ろう」

心なしか、ポラリスがにこりと笑った気がした。

「……本心は?」

「二度と採掘なんてやりたくない」

「あ~」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そして、全員がギルドホームに集まったところで……

「……」「……」「……」「……」

アレンと俺以外の視点が、エルに集まる。

エルは、普段通りに魔法使いがかぶっているような帽子……

を、突き破ってウサギの耳が生えており、

青白いローブ……からもふもふした尻尾が生えていた。

そしてエルは、恥ずかしさから顔を真っ赤にしている。

「……タイガ君。コスプレプレイに目覚めた……?」

「ちげ~わ!言い訳させろぉ!」


何故、こんな事になってしまったのかと言うと、時は少し遡る。

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