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大抵ゲームって、最初の設定の時に一つや二つ後悔するよね。

少し加筆。

得意武器以外の武器があるという説明部分を誤って消してしまったようです。

申し訳ありません…

「……」

目を覚ますと、そこは電脳空間のような場所だった。

「……こんな感じなのか……面白ぇ」

すると目の前に、ボードが見えた。


【見た目を設定してください 現実世界での姿を利用するならば、スキップしてください】

まぁ、見た目は変えなくていいだろう。せっかくのVRだしな。


【名前を入力してください】


「名前……か」

俺は無難に自分の名前……【タイガ】と入力した。


「ようこそ!VRMMORPG、ワールドオーダーオンラインへ!」

そこへ現れた、青いキツネのようなキャラ。

名前はサファイア。このキャラはワールドオーダーシリーズでは常連だ。

「ワールドオーダーシリーズは初めてですか?」

「VRMMO自体は初めてだけど、ワールドオーダーシリーズは何度かやったことはある」

「了解!でも今作から仕様が変わっているので、武器と魔法の特徴だけでも覚えてくださいね!

 そのほうが読者さんにもいいかもしれないし!」

読者?何のことだ……?とにかく、耳を傾けることとした。


~サファイア先生の ワールドオーダーオンライン講座~


このワールドオーダーオンラインでは、全プレイヤーが戦士となり……

それぞれ思い思いの戦士生活を送ることができます!

まず得意属性魔法を決めましょう!


得意属性は、炎、水、雷、風、光、闇の6属性。

炎は風に強くて、水に弱い。

水は炎に強くて、雷に弱い。

雷は水に強くて、風に弱い。

風は雷に強くて、炎に弱い。

どの属性に対しても弱点を突けない代わりに、弱点を突かれることもない光。

どの属性に対しても弱点を突ける代わりに、どの属性からも弱点を突かれる闇。


次に得意武器。これもいろいろなものがあります。


バランスが良く、盾を装備することにより攻防一体の攻撃ができる長剣。

威力は高く、刀身で身を守ることができる反面、取り回しが難しい大剣。

範囲が広い反面、先端を当てないと火力が出ない槍。

威力が抜群な代わりに、非常に重い斧。

離れれば離れるほど火力が上がりますが、当てること自体が難しい弓。

魔法の威力を増大させる代わりに、武器攻撃力はイマイチな杖。

攻撃速度は抜群ですが、範囲に不安がある装具。

……他にも武器はありますが、今のところ得意武器に出来るのはこれだけです。

どれを選ぶかは勝手ですし、途中で武器の変更もできますが、

得意な武器、属性は1度決めるともう変更できません。


次にステータスです。それぞれ、

腕力、知力、器用さ、素早さ、体力、精神に分かれています。

あなたの現実での能力にある程度合わせてあります。

腕力は武器による攻撃力。知力は魔法による攻撃力と魔法に対する防御力。

器用さは全体的な命中率。素早さは足の速さ。命中、回避力にもある程度影響します。

体力、精神は打たれ強さ。また精神が高いと、技のクールタイムがある程度減少します。

あ、言い忘れていましたが、HP、SPは……

それぞれHPが腕力と体力、

SPが知力と精神の影響を受けます。

それぞれ体力、知力のパラメータが5上がるたびにHP、SPが5上がり、

腕力、精神のパラメータが10上がってもそのたびに5上がります。

そうでなくても、レベル5アップごとに10あがります。


―――――――――――――――――――――――――――


「とまあ、ここまでが説明ですが、もう大丈夫ですか?」

「あぁ」

「わかりました。では、得意な属性と武器を選んでください」

ワールドオーダーで選んできた武器はこれまでずっと、同じだ。

武器は槍。中距離から戦う。だが油断するとすぐに詰められて……

そんなスリルが、たまらなく好きだ。

属性は闇。火力は高いが、その分リスキー。

うむ、いい感じだ。

今までは自分の分身がその得意な武器や属性を持っていたのだが、今度は俺自身。

一体、どんな感じになるのか……楽しみで仕方ない。

「では、タイガさん。あなたの能力は……こうなっています!」

サファイアの言葉で我に返る。俺は、そのステータスを見て……

「……」


タイガ レベル1

HP:50

SP:95


腕力:1 知力:46 器用さ:1 素早さ:1 体力:1 精神:5


……絶句した。

知力はまぁ、俺はガリ勉だからいいとしよう。精神も。

腕力、器用さ、素早さ、体力がいずれも1。

いくら何でもピーキーすぎる!

「これでよろしいでしょうか?」

「よろしいわけねぇだろ!?」

現実を踏襲するとしても、あまりにも偏りすぎだ。

「では、どうします?」

「当たり前だ。多少割り振りを変える」

……と、言っても闇属性だ。知力は多少なりとも高めにしておきたい。

とりあえず知力を25まで落とす。残りの20は……精神以外のステータスにバランスよく振る。


タイガ レベル1

HP:55

SP:75


腕力:7 知力:25 器用さ:5 素早さ:6 体力:6 精神:5


……いわゆるバランス型で面白くもなんともないが、とりあえずこれでいいだろう。

「では、こちらをどうぞ」

と、念じると、サファイアの視線の先から降りてきたのは、槍だった。

「銅の槍。槍使いの初期装備。そして……」

キラン

再びサファイアが念じると、俺の服装はRPGでよくあるような、水色の服に変わった。

「旅人の服。ごく普通の装備です。槍装備なので、盾は装備できない点はご注意ください。

 それでは、準備はいいですね?」

……いよいよだ。いよいよ俺のワールドオーダーライフが始まる。

「扉を開けた先が、ワールドオーダーの世界です。さぁ、行ってらっしゃい!」

「あぁ。行ってくる!」

そして俺は、銅の槍を手に取り……

グ、グ、グググ

「……」

そして俺は、銅の槍を手に取り……

ググググググググ

そして俺は、銅の……

ググググググググ

「どうしました?タイガさん」

「……」

嘘だろ?

俺は、至極残念な結論に至ってしまった。

「……槍が重すぎて、持てねぇ」

でもおかしいだろ?

俺は腕力は一応7あったはずだ。


――腕力は武器による攻撃力


……そうだ、サファイアはそう言っていた。つまり……だ。

腕力は現実のものが参照されるんだ。

現実ではいわゆる「ヒョロヒョロ系」な俺は……

こんな大きな武器を軽々と振り回せる。……わけがない。

「……あのさ、サファイア」

「え?」

「……武器、変えるわ」

「そ、そうですか……」

その時サファイアはこう思ったそうだ。


(次アップデートする時、重量軽くしないといけませんね)


ステータス配分はそのままに、武器を長剣に変えてもらった。

くそ。こんなところで躓いてしまうとは。

「では改めて……行ってらっしゃい!」

俺は今度こそ、長剣の初期装備……ブロードソードを手に取る。

「……」

いや、これもかなり重いが、何とか持ち運べるレベルだ。

目の前にある扉に手を伸ばす。

……正直、期待と不安はどちらもあったが……期待の方が上回っていた。

何しろ、VRMMO自体が初めてなのだから。

ゲーマーの血がたぎる。

そして扉を開けると……




「……おっ」

そこは、RPGでよくあるようないかにもな町だった。

あちらこちらで様々な装備をしたプレイヤーたちが闊歩している。

「……」

得も言われぬ期待に、胸が躍る。

とりあえずまずは、武具屋からだ。

防具を買っておいたほうが、後々に楽になりそうだからだ。

俺は歩き出す。

歩き……出す。

「……お、重っ」

背中に背負ったブロードソードが重い……

俺はこんなに体力がなかったのか……あ、体力ってリアルな体力の方。

この後、敵を倒して金を貯めないといけない。あまり消耗しないほうがいいはずだ。

しかし、どこに武具屋があるかわからない。

と、そこへ……

「ん?……あ」

目の前に、ロングコート姿の女の人が見えた。

黒いアップのロングのポニーテールが、これまた黒いロングコートとよく似合う……

じゃなくて、

友人関係は勉強に邪魔とは言ったが、こう言ったゲームの世界では別だ。

何よりVRMMOは初めてなので、助け舟は欲しい。

「あの、すいません」

「え?」

私ですか?といった感じで女の人が振り返る。

そして服の上からでもわかる。鍛え抜かれた肉体が。

武器は……装具のようだ。ロングコートの下の動きやすそうな軽装に、赤い装具が付いている。

「あの……何か?」

「あ、すいません。実は今このゲーム始めたばかりなんですけど、

 武具屋がどこにあるかわかんなくてっすね」

「武具屋ですか?私もそこに用があるんで、もしよかったら一緒に行きませんか?」

「え?いいんすか?」

俺は早速、お言葉に甘えるとした。


(この人の顔……似た人をどこかで見たことがあるような……?気のせい。ですよね……?)


と、この女の人が思っていたのを、俺は知る由はない。

1話含め少し短めですがご容赦を。

タイガはワールドオーダーオンラインでどう生きていくのか?

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