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新人に対する教育も、先輩の仕事だ。まぁ俺も新人だけど。

毎日更新していますが、基本的に展開が出来上がっているのでどんどん投稿しています。

ある時を境に、ガクッとペースが落ちる可能性がありそうです。

翌日……

終業式を終え、家に帰ってくる俺。

「ただいま~」


…………シーン。


「……?」

いつもやってくるはずの、ナツキが現れない。

「……」

台所に行くと……

「お?」

置き手紙。


――ごめん、お兄ちゃん。

今日はちょっと外せない約束があるから、夕方まで帰れないんだ。

冷蔵庫の中にオムライス作っておいたから、温めて食べといてね!


夏希


「……たく」

いつも抱き着かれるのはあしらうのに骨が折れるが、ないならないで調子が狂う。

冷蔵庫の中に入れると、作ってから結構経っているような見た目のオムライス。

俺はオムライスを温めると、ケチャップを大量にかけ一気にかき込んだ。

「……」


「…………うまいな。またレベル上げたんじゃないかあいつ」




キラ~~~ン……

そしてログイン。

ピロリン!

お知らせが2件届いていた。

ひとつはメンテナンスとアップデートが予定通り終わったということ。

そしてもうひとつは、職業の仕様紹介。


~サファイア先生の ワールドオーダーオンライン講座~


今回のアップデートで新しく追加された、職業の紹介です。

職業は、全員が得意武器により最初に決められています。

例えば、タイガさんなら得意武器が長剣なので、「ソードファイター」となります。

これが「下級職」。

「上級職」になるには、下級職を「極める」ことで可能になります。

極め方はスキルと変わりません。ただしスキルと違い、アイテムなどで上げられないので、

敵と戦って能力値をあげるしかありません。

また上級職は、得意属性魔法によってもなれる職業が変わります。

職業というよりは、クラスという感じですね。

ちなみにタイガさんは長剣、闇属性なので、このようになります。


ダークナイト

【剣と闇属性得意。サブ武器として、槍を装備できる上級職。

 代償があるが強力な攻撃を仕掛けるスキルを多く覚える】


暗夜忍(あんやにん)

【剣と闇属性得意。サブ武器として、装具を装備できる上級職。

 相手の能力値を下降させつつ攻撃するスキルを多く覚える】


闇の狩人

【剣と闇属性得意。サブ武器として、弓を装備できる上級職。

 攻撃しつつ状態異常を付与するスキルを多く覚える】


ネクロマンサー

【剣と闇属性得意。サブ武器として、杖を装備できる上級職。

 闇属性の攻撃に特化した職業になっている】


ちなみに上級職は転職可能ですが、転職した際にはまたランク1からやり直しなのでご注意を!


――――――――――――――――――――――――――――――――


「……」

やはりダークナイト一択だろう。

代償があるが強力な攻撃。そそられる響きだ。

だが、闇属性使いとしてはネクロマンサーも捨てがたい。

念のためクラスを確認してみると……


ソードファイター ランク6/10

新スキル「みね打ち」を覚えました

新スキル「騎士道」を覚えました


みね打ち 長剣 消費SP:5

【味方に対してダメージを与える代わりに、

 精神系状態異常を治療する。クールタイム:20秒】


騎士道 長剣 消費SP:10

【相手の攻撃から、味方をかばうことが出来る。

 自身が倒れるダメージを受ける場合はかばえない。クールタイム:30秒】


ランクが6まで上がっていた。

やはりエキドナを倒した影響か……?

「お~い」

遠くから声が聞こえる。ポラリスだ。

「おお、久しぶりだな」

とはいえポラリスは素早さが1しかないため足が遅い。ここは俺から近付いて……

スッスッスッスッ

「速いな!?」

「うん。さっき上級職に転職したからね」


……念のため、能力値を確認。


ポラリス レベル29

得意武器:弓 得意属性:光

職業:トリックスター(1/15)


HP:170

SP:145


腕力:1 知力:10+20 器用さ:107+30 素早さ:1+20 体力:70 精神:5+30


「固定砲台感に磨きがかかってるっ!」

弓威力が腕力依存でなくなったことで、腕力の分をすべて器用さに回したようだ。

……そのせいでHPが前より下がっているが、これはつっこまないほうがいいか。

「まぁ……やっぱ知力はもっと上げておいたほうがよかったかな。これ」

「……てか、トリックスターってなんだ?」

「あぁ、光得意な弓の上級職だよ。上級職効果で、知力が20、器用さが30、

 素早さが20、精神が10上がるんだ」


トリックスター

【弓と光属性得意、サブ武器として、装具が装備できる上級職。

 多くの弓スキルや、独特な効果を持つスキルを覚えられる】


「それでさっき、あんなに足が速かったのか」

「まぁね。あ、そうだ。タイガ」

「ん?」


Get!【砂漠サソリの毒針】×2


「さっき砂漠地帯で弓の試し撃ちしてたんだけど、その時に手に入ったんだ。

 これがあればアクセサリーを作れるから、タイガが持ってて」

「悪いな。何から何まで」

「お互い様だよ」

俺もメンテナンス後の世界を探索したくなったが、ひとまずはやれることをやる。

まず、スキル屋でシャドウガンをシャドウレーザーに強化。


シャドウレーザー 闇 消費SP:25

【闇属性の上級スキル。一直線にレーザーを放ち、直線状の敵をまとめて薙ぎ払う。

 クールタイム:50秒】


クールタイムは長くなってしまったが、まとめて敵を攻撃できるのは大きい。

そして3日前と同じようにステータスを割り振る。

「……うん。ばっちりだな」

「タイガが前衛で戦ってくれるなら、ボクも助かるよ。

 トリックスターで素早さが上がるけど、弓ってそもそも近付かれないように戦うし」

どうやらポラリスも、俺とパーティを組むのに積極的なようだ。

なら、話が速くて助かる。

「いいのか?でも。俺まだ下級職だぞ」

「他に組んでくれる人いなさそうだし、大丈夫だよ。

 てかボクと組んでくださいお願いします」

そこから耳打ち。

「プロゲーマーの大河さんと組めるのは、同じゲーマーとして夢ですから」




ディグの武具屋にやってくると……

「う~ん……」

「?」

いかにも魔法使いっぽい見た目の紫髪のおさげの女の子が、武器を前に悩んでいた。

「早く決めて?置いてっちゃうぞ?」

と、女の子を急かす全身鎧の男。

顔の部分もフルフェイスの鉄仮面で、顔色は伺い知れない。

「あ~、待ってよ、お兄ちゃん」

「冗談だって、ゆっくり決めなよ。ただでさえ最初の設定間違ってんだから」

この女の子は新人……だろうか。そして全身鎧の男が兄。

「家族でやってる人も多いんだな」

「うん。一人でやるより、お互いに情報交換しやすいだろうからね」

なら、俺もやはりナツキを誘うべき……か?

「あの、すいません」

男の声で我に返る。

「え?……ボク?」

まぁ、用事はポラリスのようだ。

「あ、はい。あなた、上級職ですよね?実はこの子……」

ポラリスはその男に呼ばれ、俺から離れた。

……そうだな。上級職のポラリスの方が、最近始めたばかりの俺よりは説明がうまいだろう。

俺はとりあえず、ディグに会うことにした。


「うむ、砂漠サソリの毒針2個、ウェアウルフの皮3個。これで{砂塵のお守り}が作れるのう」


砂塵のお守り

【砂の塵から身を守るアクセサリー。知力が10上がり、目潰し無効】


なかなか悪くないアクセサリーだ。

しかも知力が10上がる。ポラリス、俺に装備させるために選んでくれたんだろうか。

……さすがに考えすぎか?とにかく後でお礼を言っておかないと。

「あ、そうだ、ディグさん。こないだの鎧渡してくれませんか?」

「いいが……装備できるのか?」

「多分」

「多分じゃダメじゃろ……」


改めて着てみると、やはり相当な重厚感だ。

いや、普通の人には問題ないんだろうが、俺にはとてもそうは思えない。

一通り歩いてみる。

「……どうじゃ?」

「そ、相当体力がいるっぽいんですが……何とか、なりそうです」


俺の自動スキル『やせ我慢』が発動。


てか、アップデートで軽くなったんじゃなかったのかこの辺りの装備……

いや、軽くなったのは確かだろう。現に前は歩けなかったのだから。

それに今は盾も長剣も普通に持てている。

「そうか、ならよかったんじゃが……タイガ、実は折り入って相談があるんじゃ」

「え?」

ポラリスはまだ説明しているようだ。俺はディグの話を聞くことにした。

「……ツバキちゃんを、助けてほしいんじゃ」

「ツバキを?」

「うむ……実はメンテナンスに入る寸前に、この店にツバキちゃんが忍び込んできてな……

 お前さんのその鎧を、盗もうとしていたんじゃ」

俺の装備を?なんで……?

「ツバキちゃん、こうも言っていたんじゃ」


――無駄です


――私は兄の操り人形……あなたの言葉は届きません


「兄の……操り人形。兄って、レックスっていうプレイヤーですよね」

「話が早くて助かるわい。前回のビギニングイベント2位の奴じゃな。

 奴らのギルド{ダークリゾルブ}がツバキを操っていると、ワシはにらんでおる。

 にらんでおるというか……そうあって欲しいのじゃがな」

正直、俺もそうだった。

少し前、俺を助けてくれたツバキが、そういった悪に手を染めているとは信じたくない。

「お前さん、ツバキちゃんとフレンドになっておったじゃろう。

 今のお前さんならできる。ツバキちゃんから話を聞いとくれ」

「……」

俺はフレンドに入っていたツバキを確認して……

「……ダメ、みたいです」


【ツバキさんは あなたをブロックしました フレンドワープ メールの送信はできません】


「なんと……」

「……」

考えられる原因は二つだ。

ひとつは、アイテムを盗もうとしたツバキが、俺に追跡されないようブロックしたこと。

もうひとつは……

「ツバキちゃん……まさか……」

憔悴しているディグ。ディグは、さっき言った可能性を考えているんだろう。

……だが、俺は違う。

もうひとつの可能性。それは、ツバキの兄、レックスが何らかのアプローチをしたこと。

こういう家族を道具のように扱うような奴は、間違いなく脅しを使う。

……前、とあるゲームで出会ったことがある。

自分は何もせず、攻撃を弟と名乗る人物に任せきりにして、手柄だけを横取りする兄。

まぁ、顔を見せていないから本当に兄弟かもわからないが。

「おぉ~い」

再びポラリスの声が聞こえる。

「と、そろそろいかねぇと。とりあえずディグさん。また」

「う、うむ」


「悪い、待たせた」

出来れば走っていきたかったが、やはり鎧が重い。

「うんうん?こっちも今終わったところ」

女の子と男の人が、俺に向かっても頭を下げる。

「えっと……まず、女の人がエルさん。男の人がアレンさん。

 アレンさんはタイガと同じくらいから始めた水属性の斧使い。

 エルさんは今日始めたばかりっていう、水属性の杖使い」

「よ、よろしく、お願いします……」

もじもじする、エルと呼ばれた女の子。……かわいい。

じゃ、なくて……ちょっとくらい煩悩を捨てろよ俺。

「で、彼女のためにコーラルロッドを作ろうと思ったんだけど、

 素材が海岸地帯でしか手に入らないものばかりでね」

「要するに手伝いしてほしいってことだな」

「あ、はい……水属性になったのはいいんですけど、ちょっと僕、能力値間違えたっぽくて」

「わ、わたしも……なんです……」

念のために、二人の能力値を見てみる。


エル レベル1

得意武器:杖 得意属性:水

職業:魔法使い(1/10)


HP:75

SP:55


腕力:51 知力:1+5 器用さ:1 素早さ:1 体力:1 精神:1


武器:魔導士の杖

【杖の基本武器。知力が5上がる】

防具:グリーンローブ

【ゴブリンの皮を使ったローブ。身体状態異常にかなり弱くなる】

腕:なし

アクセサリ1:なし

アクセサリ2:なし


アレン レベル7

得意武器:斧 得意属性:水

職業:ウォーリアー(1/10)


HP:60

SP:60


腕力:1 知力:1 器用さ:1-10 素早さ:81 体力:1 精神:1


武器:ロングアックス

【斧の基本武器】

防具:オールプレート

【全身をすっぽりと、覆い隠す鎧。防御力は高いが、器用さが10下がる】

腕:(装備不可)

アクセサリ1:なし

アクセサリ2:なし


「……なるほど」

口に出すとさすがにかわいそうなので、心の中でこう思った。


(どうしてこうした!?)




……ちなみに、今の俺のステータスは装備品などの影響でこんな感じになった。


タイガ レベル15

得意武器:長剣 得意属性:闇

職業:ソードファイタ―(6/10)


HP:115

SP:175


腕力:7+20 知力:65+10 器用さ:5+20 素早さ:36 体力:6+20 精神:5+20


武器:邪剣アジ・ダハーカ

【世界を滅ぼすほどの激情を持つ三つ首の大蛇の力を封じ込めた長剣。

 腕力と器用さが20上がる。超覚醒可能】

防具:魔鎧テュポーン

【世界そのもの、と言えるほど強大な蛇の力を封じ込めた鎧。

 体力と精神が20上がる。超覚醒可能】

盾:皮の盾

【モンスターの皮で作った盾。軽くて持ちやすい分、防御力には期待できない】

アクセサリ1:砂塵のお守り

【砂の塵から身を守るアクセサリー。知力が10上がり、目潰し無効】

アクセサリ2:なし

エル、アレンの兄妹登場。

ステータス振り的にお荷物になりそうな存在ですが……?

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