行ってらっしゃい勇者様
前回、波野翔梧は死んだのさ、そして再会したかつての某てな感じ、進みます。
拝啓、波野翔梧様。
あなたの、あまりにも短かった人生、申し訳なく思っております、浮いた話もなく、寂しかったであろう。
だが、記憶を取り戻した今だから言える、僕の人生そんなに長生きした経験はないんだ。
だいたい10代で、世界の命運を懸けて魔王と戦ったり、世界の滅亡と戦ったりとね、色々あるんだよ、それで20代になるとね、今度は、人間関係で殺されたり、やっかいごとを押し付けられたり、まあ、色々あるんだよ。
でも、大丈夫だよ。
なにもかも報われる訳じゃないけど、今僕は幸せだから。
セオルに抱き締められて、随分とたってしまったけど良いんだよね、何となく長い時間たったような気がするんだけど、
「セオル?もうそろそろ離してくれないかな?」
「ぐへへへへ、ショウゴ♪」
ダメだ、聞いていない。
「あのさ、セオル?俺がこの世界にいるという事は、どういう意味なのかな?説明してくれないかな?」
「そんなことはぁ、どうでも良いのですよ♪」
こいつ、お役目忘れていやがるな。
「ショウゴは、私と離れたいのですか?」
下から見上げる小動物的なかまってアピール、しかもどこで身に付けたんだそんな技術、成長したのだな。
などと、感心していると、先程の扉から、また、新たに一人の女性が入ってきた。
「いつまで抱きついているのかしら、セ・オ・ル・さ・ん?」
そう尋ねられるセオルは、俺との拘束は解かずに、そのまま声の主の方に顔を向ける。
「えーと、これはですね、いわゆるそのぉ、ですね……ごめんね♪」
ぶちっ、
わぁ、はっきりと聞こえたキレた音。
「あなたという人は、いつもいつもいつも、私をなんだとお考えなのか、今日という今日は、はっきりさせましょうか?」
「痛い痛い、だから謝ったんだから良いじゃないですか!」
物凄い力で俺とセオルを引き離し、セオルの頭を鷲掴みしている、その女性は、
「サプラ。久しぶりだね」
突然の事に、驚いたサプラはこちらへと向き直る、その間もセオルはしっかりとサプラの手の中である。
「……私の名前も、覚えていてくれたのですね♪」
「正直忘れていたよ、思い出したんだ。ごめんね。ホントに久しぶりだね、サプラ」
「転生も兼ねていますので、無理はないかと、それでなくてもショウゴさんは、数が多い方なのですから。」
「……そ……です……よ。」
鷲掴みされながらも、懸命に話に着いていこうとしているセオル。
「もう、そろそろ離してあければ。本人も反省しているだろうし、ね。」
「はぁ、良いでしょう、ショウゴさんの顔に免じて、これぐらいに……」
「ありがとうショウゴ、大好き」
ガシッ
「ホントに懲りませんね、あなたは」
手が緩んだ瞬間に、俺の方へ飛んで来ようとしていたセオルを、サプラがまたもキャッチしている、今度は両手で両方から圧力を、かけて締め上げていく、流石のセオルも気を失ったようだ、死んでないと思う。
「相も変わらずだね、ところで、俺がこの世界にきた理由を説明してくれないかな?」
「えっ?!まだ、説明してないのですか?」
もうすでに、青をすぎて真っ白になっているセオルを差して、サプラは確認をした。
「えーっとね、うん。まだなんだな、これが、説明してくれる。」
「すいません、私は説明は終わっているものだと思い、それなのに遅いので確認にきたのです。しかし、参りましたね。」
どうして?と、聞こうとしたら、急に体が光はじめた。
「これは、一体……?」
「ごめんなさい、あのバカ(セオル)には後でタップリ、こってり絞っておきますので、次の世界に行って下さい。」
「次の世界で、俺は何を……」
「行けばわかります、どうぞごゆっくりしてきて下さいショウゴさん。」
ごゆっくり?…………どういう意味なの?
その意味を、聞く暇もなく俺は、何度目かの異世界に召喚されてしまうようだ。
また、会えるよなセオル、サプラ。
再会を心に決めて、目を閉じる。
懐かしい感覚だな、胸踊る冒険か、はたまた嫌な厄介事か、どちらにせよ求められたらどうしようもない世界、成るようになるだ。
急に重力を感じて、目を開けるそこには、
「遠路はるばるようこそ、勇者殿。」
「?」
「ここは魔王城・ダリヤの、魔王の間、そして私が、魔王・ダリヤ・アダモスである、以後お見知りおきを。」
どういうこと? 続く




