混沌が始まる日1
お久しぶりです《激遅》
ここからが六章後編となります。
気が付けば、そこは薄明と薄暮入り混じるぼやけた視界が広がっていた。
足に地の感触は無い。
黒の外套が引力に逆らう姿から堕ちていることを自認する。
でも……そんなことに躊躇う必要はない。
傷だらけの身体にはもう力が入らない。
どれだけ魂が叫ぼうとも、千切れた喉では悲鳴すら出ない。
それでも、不思議と後悔は無かった。
やれるだけのことはやったのだ。
運命に翻弄され、どれだけ絶望に打ちのめされても、ここまで歩みを止めず突き進んで来れたんだ。後悔なんてあるはずが無かった。
「────っ」
微かに届いた響きに薄っすらと瞼を開く。
「────っ!」
煙る視界の中でその瞳が視たのは、たった一筋の光。
小さくも消えることの無い一等星。
無数の星々と差異など無い筈のそれは、俺の心に何度だって灯を宿してくれる。
届くはずのないその光に向けて、俺は真っ直ぐと手を伸ばした。
本当に、本当に長らくお待たせして申し訳御座いません!!
いつも読んでくださる読者様のおかげで、こうして投稿ができること本当に嬉しく思っております。
少しでもまた皆様に楽しんで頂けると幸いです!
宜しくお願い致します!