7話
朝か・・・。
まさかぶっ倒れていた日の分も含めて求められるとは。
あれからずっとだもんな・・・。
それにしてもどっから30回って数字がでてきたんだろうな・・・。
まず出来る事が凄いよなぁ・・・普通の人間なら腹上死だよな・・・。
・・・これからは“こういう事”に関して困る事はないな、うん。
その前に俺が厭きられて捨てられない様にしよう・・・。
ただ今はまだベッドの上でまどろんでいたい・・・。
そういえば、なんで昨日はオートカウンター発動しなかったんだ?
発動しなくて良かったんだけどさ・・・。
条件が分からないぞ!?
愛情表現?だからか?
夫婦喧嘩は除外?
血縁者になったから?
そこでふと死ぬほどの激痛を味わった原因を思い出す。
しかし、あのスキルなら分かるに違いない。
俺は恐る恐る呪文を唱えた。
「ディバッグ」
瞬間的に脳内にこの世界のあらゆる情報が流れ込んでくる。
脳内が最適化、再構築されたかのようにスムーズに情報が確認できる。
勿論のた打ち回る程だった激痛さえない。
「凄いな・・・」
思わずそう呟く。
この世界は細部まで数値化、またデータベース化されていた。
ステータス鑑定では表示されていない所まで数値化されているようだ。
・・・プライバシーがーとか言ってるレベルじゃないな・・・。
ファルの人間モードの“色々”なサイズとかも分かるのか・・・!
だけど、この見難さどうにかならないのか・・・。
カテゴリーが細分化されすぎていて逆に使いにくくなっているぞ。
俺ならもっと最適化出来るんだけどな・・・。
・・・んん?
自分で思って違和感を感じた。
“俺なら最適化出来る”?
ちょっと待て!
確かにスマホのアプリが作れたたらいいな~なんて甘い考えで、
プログラマー養成の専門学校に行ってはいたけど、
俺が思っていたよりも華やかな事してないし、
泥臭いチマチマコツコツ作業ばっかりで即嫌になったから、
授業だって適当に受けていたし、プログラムを組む事が好きでも無いし、
成績だって中の下程度だったぞ?
この世界に来てINTがカンストさせたからか・・・?
前世がINT:1(馬鹿)だったとしても今は9999倍だからか?
嫌々受けていた授業の細部まで思い出す事さえ出来る。
今は異様に簡単に感じてしょうがない。
<<称号を獲得しました>>
おいおい、唐突だな・・・。
今度は何だ?
素早く称号を確認した。
介入者:
世界の創造に関われる。
「はぁ!?」
思わず声に出しちまったよ。
「・・・どうしたの?ご飯できたよ」
「あぁ、なんでもない・・・」
「・・・そう?」
ああ・・・
結局まどろむどころか全力で色々考えてたよ・・・。
*****
まあ、分かってはいたけどさ・・・
俺のカトラリー類はもう用意されないんだろうな、うん。
肉も食べとかないと、死にはしないけど、出るものが出ないしな!
ただ、そろそろ魚も食べてみたい。
魔王城では結局食べなかったしな。
そんなことを考えている内に全部食べさせてもらった。
どうやらファルは仕事があるらしく、出かけるみたいだ。
「・・・浮気しないでね」
といいながら俺の首筋に暫く消えないであろうキスマークをしっかり残し、
出かけていった。
・・・・あれ?俺って本当にヒモじゃね!?
仕方が無いが今はまだ優先しなくてはいけない事がある・・・!
もうちょっとしたら頑張るからもうちょっとだけ待ってくれ!
そう思いながら朝の作業を再開した。
改めて追加された称号を確認する。
介入者:
世界の創造に関われる。
本当に説明不足過ぎるよなぁ・・・。
創造に関われるか。
もしかしてスキルか?
そう思うと、スキルリスト一覧を開き確認する。
案の定一番下にまた追加されていた。
システム解析:
追加されているけどさ・・・
今度は説明が一文字も無いぞ!?
手抜き過ぎないか!?
いや、スキル名でなんとなくは分かるけどさぁ・・・。
取得するのにチートポイントが100000か、相変わらず桁が違うな。
今回は何があっても死にはしないし大丈夫だろう・・・。
・・・うん、今回は問題なかった。
しかしシステム解析を取得したら、また一つ追加されたぞ・・・。
システム改竄:
相変わらず説明文は無し。
取得するためのチートポイントは110000・・・増えてるな。
取得っと・・・。
分かっててはいたけれど、また追加だよ・・・。
システム改変:
今度は取得に120000か。
これを取得して俺の残りチートポイントはあと519317・・・。
ここにきて凄い勢いで減っていくなー・・・。
後いくつ追加されるか分からないけど、
ポイントが続く限り取得してみるか。
*****
結局あと、3つのスキルを取得した。
取得する度に消費量が10000ポイントずつ上昇していった。
最後は160000だったからな、
取得しようか迷ったけど、結局取得してしまった。
取得したスキルはこの3つだ。
システム捏造:
システム偽装:
システム創造:
相変わらず説明文は無し、と。
残りのチートポイントは69317・・・。
減ったなぁ・・・。
楽をするのに100万ポイント位無いとたらなかったな・・・。
ただ、ここまでくると楽というよりはズルじゃないのか?
まあ、取得に必要なのがチートポイントって時点でご察しか・・・。
とりあえずはこの俺のステータスをどうにか誤魔化さないと、
高レベルのステータス鑑定持ちに覗かれれば、
厄介事に巻き込まれるのは間違いない。
それだけはなんとしても避けたい。
スキルリスト一覧にあるのか・・・?
全部で数万個あるし探すのがダルイ・・・。
ゲームだったらやりごたえがあるのかもしれないけど、
ここは俺にとってはリアルだ!
・・・早速つくってみるか。
スキルを解析すればいけるかな?
「システム解析」
ビンゴ!
スキルを通して体に与えるアルゴリズムがバッチリ解析出来た。
今回作りたいのは、ステータスの偽装だから、
ステータス鑑定に付随ずるスキル、マジックアイテムの影響があった場合、
全く別のステータスが見えるようにしてやればいい。
条件定義が2つだから簡単だな。
捏造した表示はどうするかなー・・・。
こっちのステータス作る方が面倒くさいぞ・・・。
名前:サンジェルマン
年齢:18
身長:178
体重:70
種族:人間
職業:農民
レベル:3
HP:50
MP:5
STR:5
VIT:5
DEX:5
AGI:5
INT:5
スキル
なし
称号
なし
こんなもんでいいか・・・?
名前だけ鑑定する度にランダムで変えてやろうかな?
パッシブスキルにして、と。
スキル名はステータス捏造でいいかな?
よし、これで完成だ。
・・・作ってから気が付いたけど、
身近にステータス鑑定を持っている人って魔王さん位しかいな・・・。
流石にあの人で試すのはリスキー過ぎるな、止めておこう。
だからと言って、人間の町まで行ってあの水晶も触りたくないしな・・・。
・・・ま、まあ大丈夫だろ。
いつでも編集できるみたいだしな・・・。