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5話

ファルが朝ごはんを作っていうのだろう、

いい香りと空腹感で目が覚めた。


もしここが宿屋ならきっと「昨夜はお楽しみでしたね」

なんていうテンプレ台詞が返ってくるんだろうな。

お楽しみというよりかは、残らず搾り取られたと言うべきか・・・うーん。

それにしてもここにきてから色々あったな・・・

やっと落ち着けた・・・。

マイホームに美人な嫁!

性格はちょっとアレかもしれないけど・・・。

ん?

そういえばファルって料理出来るのか・・・?

などとぼーっとする頭で考えていたら、ファルが起こしにきた。


「・・・ご飯できた、一緒に食べよ?」

抱きついてこようとするのを慌てて制止し、

適当に服を着ると食卓へ向かった。



そこには、美味しそうな肉料理が沢山並べられていた。

正直朝から肉はキツイかなと思ったけど、

昨夜の”激しい運動”と肉料理なのにサッパリした味付けの為、

何の問題も無く美味しく平らげてしまった。


宴会の時にあった肉料理と同じか・・・?

酔っ払ってたから細部まで覚えてないけど・・・。


「・・・美味しかった?」


「うん、美味しかったよ、ありがとう」


「・・・うん」

そういうと俺の腕に抱き付き満面の笑みで頬ずりしてくる。


「頬ずり好きだな」


「・・・ホオズリ?マーキングしてるだけ」


「そ、そうか、俺なんて誰にも盗られないと思うぞ・・・?」


「・・・そんなこと無い、村の雌は全員皆狙ってる」


「全員!?それは流石にいいすぎだろう・・・?」


「・・・視線感じない?」


「視線・・・」

確かに感じるかもしれないが、俺が人間であり、

物珍しさからくる好奇心によるものかと思っていたけど・・・?


「・・・あなたは私の父さんを倒した。

もしあなたがドラゴン族だったらもうその日から村長だった。

もっと自覚を持つべき」


「お、おぅ」

なんという脳筋思考なんだ。力こそ全てか・・・。

さらに下克上上等ってのも凄いな。

ん?

しかし、グーン倒して、ファルを嫁に貰った俺は次期村長か・・・?


「あの、ファルさん?俺は次期村長ですか?」


「・・・」

凄い勢いで視線を逸らされ無言でマーキングをし続けるファルであった。



俺・・・、実はハメられた・・・?

まあ、その前に寿命で死ぬよな人間だし・・・。

・・・あれ?死ぬのかな?この世界の人間ってどれ位いきるんだ?


「な、なあファル?人間の寿命って何年位なのかな?」


「・・・!」

マーキング作業を止めて、ハッとした顔で見つめてくる。

ファルの顔色が見る見るうちに真っ青になっていき、今にも泣きだしそうだ。

「だ、大丈夫か?」


「・・・待っててすぐに戻るから」

そう言うと足早に家を出ていってしまった。


家を出る時に、「絶対、絶対に死なせないから」という呟きが聞こえたけど、

どうするつもりなんだろうか。

今日明日死ぬ訳じゃないし、そんな慌てなくてもいいんだけどな・・・?

まあ、せっかく一人の時間が出きた事だし、

自分のステータスとチートポイントの使用可能リストでも眺めてみるか。

幸い朝ご飯の時にファルが作ってくれた紅茶の様な

香りがいい飲み物は大量にあるし、丁度いい。




「ステータス」

そう唱えると、紅茶モドキを啜りながら自分の物騒なステータスを眺め始めた。


名前:ミタ リョウ

年齢:18

身長:178

体重:70

種族:人間

職業:ヒモ

レベル:99

HP:9999

MP:9999

STR:9999

VIT:9999

DEX:9999

AGI:9999

INT:9999


スキル

オールレンジオートカウンターLv99

HP常時回復Lv99

MP常時回復Lv99

ステータス鑑定Lv99

遠視Lv99

転移魔法Lv99



称号

転生者

鬼畜

外道

悪逆非道

脱獄者

大量殺人鬼

世界に混沌をもたらす者

人類の敵

人類の希望を絶つ者(NEW)

聖剣を砕き者(NEW)

イレギュラー(NEW)


見ているだけでうんざりしてくる。

さて、どれからみますかねぇ・・・。

まあ、職業の所なんてぜっったいにツッコミをいれないからな!


勇者ご一行様を倒してしまった時に追加された物騒な称号を見てみますか・・・。


人類の希望を絶つ者:

人類に敵対している者に無条件で好意を持たれる。異性だと効果2倍。


なるほどね・・・そういうことか。

ファルの言った通りだな・・・。

この称号があったら魔族のハーレムも作れそうだな。

俺の場合やるとしてもドラゴン族オンリーになるとは思うけど・・・

そんなことしたら間違いなく血で血を洗う血みどろの内乱が起こるな・・・。

俺にはファルだけいれば十分だって!



聖剣を砕き者:

魔剣装備作成可能


聖剣砕いて魔剣が作れるようになるってどうなの?

魔剣の方が聖剣より強いってことなのか・・・?

どうせチートポイントだって腐るほどあるし、

後で一振り作ってみたいな。

・・・勿論使うかどうかは別として。


イレギュラー:

世界の理の影響を受けない。


なんだこれ・・・?

世界の理の影響を受けない・・・?

そもそも世界の理ってなんだ?

全く意味が分からないぞ・・・?

改めてステータスを見てもなんの変化もないし・・・

って事は膨大な量のスキルリストに追加でもされたのか・・・?

ちょっとスキルリストを全部見てみるか。

うーんとりあえずスキルの詳細なんていちいち確認せずに、

一気にリストの下の方まで確認してみた。

すると、スキル名が「???」と記載されたものが現れた。


なんだこりゃ?

詳細も開けないし、覚えられないってことか?


<<称号を取得しました>>


へ?

なんで?

そう思っていたら、「???」のスキル名が変化していいき、

「デバッグ」に変化していった。


称号も確認してみた。


世界の理を知る者:

デバッグスキル取得可能


・・・どういうことだ?

このスキルリストを全て閲覧する事が条件、なのか?

そもそもこんなリストを開ける人なんて、

よっぽどの例外な人以外いないんじゃないのか・・・?

例えば俺みたいな人間か・・・?

しかもデバッグ・・・?

プログラミングを専攻していた専門学校で習った記憶がある。

思わずスキルの詳細を確認してみた。


デバッグ:

世界の理に潜む欠陥を探し出して修正する事が出来る。


デバッグや欠陥の修正って、本当にプログラムみたいだな。

取得に必要なチートポイントは100000!?

随分とポイントを使うんだな・・・。

どうせ余っているんだし、取ってみるか?

使いこなせそうに無ければ、使わなけりゃいいんだし。


欠陥かどうかの判断って一体誰がするのか疑問だが、

直したい事なんていくらでもある。

俺に出来るかは疑問だけど・・・。

取得っと・・・。


その瞬間に、世界の根幹に関わる膨大な情報が直接脳に流れ込んでくる。


「ぐあああああ!!」


あまりの膨大な情報量に脳が焼き切れそうになり、

脳を内部から破壊されるような想像を絶する激痛の為、

のた打ち回り絶叫する事しかできない。


「・・・!?」


ぼやける視界の端にファルがいた、どうやら戻ってきたようだ。

しかし、声をかける余裕なんて一切無い。


「・・・・!・・・!」

泣きそうな顔で必死に何か話しかけてくれているようだが、

言葉を理解する余裕すらない。


するとファルは手に持っていた液体を俺に飲ませてきた。

何か覚悟を決めるような顔をしていた様なきがするけれど・・・。




それから少しして俺の意識は闇へ沈んでいった。



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