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2話 

俺は魔王のスカウトマンの誘いを受け、魔王城に行く事にした。

転移?の魔法を使ってすぐに行けるらしい。

きっと俺も覚えられるんだろうな、まあ今更どこに行ったとしてもな・・・。

ああ、ステータスも見て無いし、今更見る必要もないかな。


不思議な感覚に包まれるとどこかに転移した。

「ささっ!こちらです」

案内されるまま道を進むと、いかにも禍々しい城が見えてきた。

うわ、マジであそこにいくのかよ・・・。

今更引き返せないし・・・行くか・・・。


城の中に入ると想像していたよりも普通だった。

ラス面だと複雑なダンジョンになってるもんかと思ってたけど、

普通に真正面から入れた。

なんとなくスカウトマン(仮)に聞いてみると、

勇者がヘタレで全然乗り込んでこないんだそうな。

そんな事もある・・・のか?

そんな話をしてたら謁見の間についてしまった。

「ようこそ魔王城へ。歓迎しよう私が魔王カオスだ」

「お、俺はミタリョウです。一応人間です。」

「ククク・・・あれだけ悪逆非道の限りを尽くしておいてまだ人間を名乗るか!」

「・・・っ」

「貴様がこの1日で殺した人間の数を教えてやろうか?」

「はぁ・・・」

「たった1日で326人だ・・・ククク戦も無い中コレだけの数の人間を殺戮出来る」

「!?そ、そんな馬鹿な・・・」

頭がクラクラしてきた。

「だが事実だ。貴様が地下牢を脱出した時が傑作だったな!地下牢が全壊し囚人が全員圧死し、地下牢に面していたスラム街が跡形も無く消滅、城壁に大穴を空けた所が丁度騎士団の詰所で、そこも跡形も無く消滅」

「・・・あの時は夢中で逃げてただけだから」

「貴様程の称号を持っていながら、気が付いたら殺していたと?くくく・・・ハハハ!!分かるぞ!矮小で虚弱な人間など無意識に殺せるものだ。」

「称号?称号他の人からって見えるのか?」

「ステータス鑑定があれば見れるだろう?全ては無理かもしれんが」

嫌な予感しかしないが、小声でステータスと呟き、自分のステータスを確認した。


称号

転生者

鬼畜

外道

悪逆非道

脱獄者

大量殺人鬼

世界に混沌をもたらす者

人類の敵


思わず膝から崩れ落ちた。

これは・・・もう駄目だろ・・・。

そう思った瞬間目の前が真っ暗になった。


気が付くとキングサイズよりはるかにでかいベッドの上で目が覚めた。

「お目覚めになられましたか?ミタ様」

声の方を向くと、メイドさんが立っていた。

めっちゃ可愛いけど、角生えてるから人間じゃないのか。

「あ、あぁ・・・」

「人を呼んでまいりますので少々お待ちください。」

そう言ってどこかへいってしまった。

つい乱暴に寝返りをうってみたけど、このベッド壊れないぞ?

ちょっと感動・・・。

人が豆腐レベルの脆さだもんな・・・。

・・・もう二度と人間基準の生活は送れないんだろうな・・・。

魔王が言っていたステータス鑑定とかいうスキルとってみるか。


Lv99まで上げるとステータスの意味や詳細まで分かるのかーへー。

称号の説明っと、

転生者:前世の知識を継承できる

鬼畜;鬼畜行為の成功率にプラス補正

外道:外道行為の成功率にプラス補正

悪逆非道:悪事行為全体の成功率にプラス補正

脱獄者:脱獄行為の成功率にプラス補正

大量殺人鬼:国家所属騎士団の優先攻撃目標にされる。

世界に混沌をもたらす者:勇者の優先攻撃目標にされる。

人類の敵:無条件で人類から嫌悪される。


・・・終わってる・・・。

もう人間のいる場所には近づかない様にしよう・・・。



ってベッドのステータスもわかるのかよ!これは便利だな!


名前:魔法金属のベッド

レベル:1(0/10)

HP:500/1000

MP:0

STR:0

VIT:2600

DEX:0

AGI:0

INT:0


スキル

なし


ベッドのVIT(頑丈さ)は確かに高かったが、カンストはしていなかった。

ベッドのVITは2600だから、普通に使う物ならそれ位あればすぐに壊れないんだろうな、

しかし寝返りで500ダメージってヤバイな・・・。

ちょっと回復系も取得して直そう・・・直るよね?

無理かな?

とりあえずやってみるか。


回復魔法マスタリテーLv99と回復魔法Lv99を取得してっと・・・。

『プチヒール』


名前:魔法金属のベッド

レベル:1

HP:9500/1000


んん!?上限超えて回復してるぞ・・・?

しかもプチヒールって下から2番目なんだけどな・・・

ミニヒール・プチヒール・ヒール・メガヒール・ギガヒール・・・ってあるからきっとそうだよね?

効果はINTに影響されるっぽいな・・・ギガってどれだけ回復すんのさ・・・。

まぁ壊れるよりかましか・・・見なかった事にしよう。


自分の初期ステータスなんて全て一桁だったんだし、

あれが一応一般人だとすると・・・、軽く数千倍の力を持っていることになる。

そりゃ豆腐並みに脆くもなるか。

それに、他のステータスもカンストしてるんだから、世界最高のアスリートで天才の筈なんだけど、変わっている気がしない・・・。

これ、おかしくね?どんな不具合だよ!

とりあえず、まともに生きるなら頑丈な物や人を探すしかないんだろうな・・・。


そんな事を考えていると、メイドさんがスカウトマンを連れてきた。

一人で考える時間が欲しい・・・。

「おお!ミタ様もう体調は大丈夫ですか?」

「あぁ・・・」

「急に倒れらえましたので、魔王様も心配されていましたよ」

「ああ・・・。暫く碌なモノを食べてなかったので・・・すみません」

その説明を聞くとスカウトマンは合点がいったというような顔をした。

「人間は物を食べないと餓死しますからね、すぐ手配しますね」

そういうと急いで部屋を飛び出していった。


メイドさんは監視なのかな?部屋の隅で佇んだままだ。

ちょっとステータス鑑定の練習でもしてみよ。


名前:ミーシャ

年齢:498

身長:160

体重:52

サイズ:90・55・89

種族:サキュバス

職業:メイド

レベル:26

HP:495

MP:198

STR:23

VIT:99

DEX:69

AGI:101

INT:62


スキル

エナジードレイン

飛行


称号

なし


次>>



すごくプライベートな事まで見えるんですけどコレ・・・。

それに次?なんだこれ?嫌な予感しかしないけど、いっちゃう・・・?

もう何も怖く無いっての!


性格

流されやすいが温和で優しい

押しに凄く弱い

結婚歴:30(婚姻中)

浮気:70(浮気中)

ストップ!ストップ!!

おい!?これはヤバイだろう!!

奥さん!浮気中ですね!これじゃ探偵いらないね!?ハハッ!

・・・生々しいよ・・・、見なきゃ良かった。


Lv99はヤバ過ぎる・・・。

もう何も怖く無いとか調子乗りすぎましたほんとすいませんでした。

ごめんなさい。

はぁ・・・疲れた・・・精神的に。


暫くベッドでぐったりしてると、スカウトマンがご飯の用意が出来たと言うことで、

呼びにきてくれた。

魔王さんもくるらしい。粗相が無い様にっていわれたけどさぁ・・・。

黙々とご飯食べてりゃいいか。


*****


結果から言うとご飯は最高に旨かった。

小学生並みの感想だけど許して欲しい。

だって3日振りだよ!?てかこの世界で始めてのご飯ですよ!


まあ簡単に言うと、

何の肉か分からないけど、とにかくジューシで肉汁が旨いのなんのって・・・。

何の野菜か分からないけどシャキシャキしてみずみずしかった!

魚っぽい何かは、まだ生きていたみたいで、目があったから気まずくてパスしといた。

だいたいこんな感じかな。


魔王さん達も居たらしいけど、まっっったく気にせずひたすら食べてたよ。

翌日は俺の部屋に直接料理を持ってきてくれるらしい。

・・・まぁ、なんか、ごめん。

あと、明日もう一回魔王さんと謁見するんだって。

途中でぶっ倒れたんだしなぁ・・・。

でも腹が膨れたら、何とか乗り越えられそうな気がしてたぞ!

今日はもう寝よう。


メイドさんが寝ようとしてる時までいるから、

冗談で一緒に寝てくれませんかって言ったら、

「しょうがないですね」とかいいながら、

顔を赤くしてベッドに入ってきそうになったから、慌てて冗談にしたよ。

押しに弱いってレベルじゃないよ!奥さん!!


そんな感じでおやすみ。


*****


おはよう。

なんだか俺の隣に誰か寝てるっぽいんだけど、なんで?

とりあえず、俺の服に乱れはないから、変な過ちは犯してないと思いたいけど。

俺が警戒していると、

隣の人も目が覚めたのかもぞもぞし始め、声を掛けてきた。

「ぉはよぅございましゅ」

そう言うとぽふっと倒れてまた眠りについてしまった。


・・・何故か全裸なメイドさんでしたよ。

でかいし、ピンク色だし、色白だし・・・凄いね。

てか俺、何もしてないよね・・・?



部屋の扉が開いてスカウトマンが入って来たけど、

ごゆっくりどうぞって言って踵をかえしていったよ。


待ってくれ!違うんだ!

メイドさん早く眼を覚ましてくれ!頼むよホント・・・。

俺が無理矢理揺すっておこしたら、

きっとバラバラ死体が出来るのは間違いない。

昼ドラみたいな修羅場かサスペンス劇場の殺戮かの二択って酷すぎないか。

ホントどうにかしてくれよ・・・。



暫くすると完全に目を覚ましたメイドさんが、

顔を赤らめながらイソイソと着替え始めた。

全裸で寝るのが習慣で、人肌が恋しくなっちゃったんだってさ。


着替えをチラチラ見てたら、「一回、します?」って!

チラ見はすまなかったけど、自重してくれ頼む!!

”何を”なんて聞かないよ!マジで!!


・・・何で朝からこんなに疲れるんだ・・・。



その後ゆっくり朝食を食べ、魔王さんとの謁見に臨んだ。


謁見の間

「おお、来たか。昨日の食べっぷりを見る限り、もう大丈夫みたいだな」

「えぇ、まぁ・・・」

「では、早速すまいないが、勇者を始末してくれはしないか?」

「勇者を・・・」

「お主程の猛者なら、あの程度の腰抜け勇者など容易いと思うがな?

人間共にとっておきの絶望をくれてやれ!!では頼んだぞ!!」

そう言うとさっさと何処かへいってしまった。


もう人類の敵だしな・・・はは・・・。

もう人を殺すのは嫌だし、平和的な解決をしたいんだけどね・・・。

どうにかならないかなぁ。

勇者の詳細な情報は何故かスカウトマンが教えてくれた。

スカウトした者にしっかりと仕事をさせるのも仕事らしい。


スカウトマンからの情報だと王都に拠点を置き、

王都周辺の魔物を地味に討伐しているらしい。


そんなこんなでスカウトマンに王都近くの森まで転送魔法で送って貰った。

あれ?帰りはどうすりゃいいんだ?

食料も3日分も貰ってあるし、大丈夫か。


森を出ようとしたが俺はふと思う。

このまま王都に行けば間違いなく殺戮が待っているだろう事に。

入場でトラブル→衛兵を殺戮→騎士団殺戮→勇者殺戮まで簡単に予想出来る。

だけどそれじゃ駄目だ。

クズな俺だけど、人間は辞めたくない。

ちっぽけなプライドかもしれないけど、そこだけは譲りたく無い。

・・・一度勇者と対話してみようと思う。

王都周辺でレベリングしてるっぽいし、暫く張り込んでいれば分かるだろう。


*****


数日後・・・


勇者が出てこない・・・。

遠視という遠方を見るスキルを取って、

王都に出入りをする人達全員ステータス鑑定したけど、まだ見つかってない。


魔王さんが腰抜けって言ってた訳が分かった様な気がする。

正直この辺の魔物はかなり弱い。

勿論この世界基準で。

こんな所で躓いてたら魔王城までは当分これないだろうな。


食料には困って無いしもうちょい頑張ってみるか。

・・・カウンター無双で魔物の肉食い放題ですよ。

肉以外が食べたくなってきたぞ・・・。

あと風呂にも入りたい・・・切実に。


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