第3話・情熱怪獣大陸の戦い……ルリハ初体験の火炎放射
サファイアが生み出した子怪獣少女の戦闘機獣サファイアは、ルリハの背中に乗っている要塞戦艦を、生体バルカン砲や空対空生体ミサイルで攻撃する。
「あはははっ」
子サファイアの戦闘機怪獣少女から、発射される孫弾丸や孫ミサイルの一つ一つ、すべてサファイアの顔がついていた。
「あはははっ」
「あはははっ」
やがて、甲板に爆撃が命中炸裂して穴が開いた。
艦橋に謎のアナウンス声が響く。
「右舷に被弾! 中破損! 空挺兵士が艦内に侵入してきました」
戦闘機怪獣少女から、分離してクラゲのようなパラシュートで降下してきた孫怪獣少女のサファイア空挺兵が、次々と破損した箇所から艦内に侵入してくる。
キャプテン・竜子がルリハの体内に指示を出す。
「侵入してきた空挺兵士を排除せよ」
思わず、竜子にツッコミを入れるルリハ。
「免疫細胞? あたしの体の中に免疫細胞みたいなのがいるんですか?」
竜子はルリハの質問をガン無視した。
◇◇◇◇◇◇
ルリハの戦艦と体内に侵入してきた等身のエイ型サファイア兵は、謎の刺客に次々と斬り殺された。
「あはははっ」
「あはははっ」
艦橋の竜子が言った。
「これじゃキリがないな……やっぱり、ルリハに火を吐いて、追い払ってもらわないと」
竜子がルリハに言った。
「ルリハ、火を吐け」
鳴き声のルリハ。
「そんなコト、急に言われても……吐き方わかりません」
「怪獣なのに情けない……胸やけでリバースでもさせれば、火を吐くかな?」
竜子が、また謎の存在に指示を出す。
「ルリハの、小ぶりな胸にエネルギーを逆流させて……嘔吐させる……バルブ全開」
ルリハを襲う、突然の胸やけ嘔吐感、慌てるルリハ。
「ち、ちょっと待って! 強制的に胸やけさせるなんて……猫に毛玉を吐かせるみたいに……うぷッ」
頬を膨らませたルリハの口から、空のサファイアに向って火炎が放射される。
翼の一部を焼かれた隼谷 サファイアは、旋回して回避する。
翼に炎がついたままの、サファイアは笑いにながら、子や孫の分身サファイアに退却指示を出した。
「あはははっ、ルリハがついに火を吐いてレベルアップした……こりゃ、今回は退却だな! アチッ、早く湖に着水して翼の炎を消さないと」
サファイアが去ると、ルリハは涙目で口から煙の咳をして呟いた。
「あたしって……本当に何?」