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03 異世界人のお土産

「う~ん。この"植物図鑑"は……、読めるんだけど……。難し過ぎ!」


 牧野富〇郎さんのお土産は、"植物図鑑"と"ストア"だった。

 どうやら、あーしは異世界召喚した人の技能(スキル)を貰えるみたいだ。


『破格の性能なんですからね~。自重してくださいね~』


 女神様は……、なんかあーしに憑りついているし。


『悪霊みたいな言い方は、しないで下さいね~。天誅を落としますよ~?』


 怖い女神様みたいだ。



「リナ様。ジャガイモが植え終わりました!」


「皆、あんがとね~」


 領民皆笑顔だ。

 私は、畑に近づいた。


「元気に育ってね~」


『OKっす。豊作を期待して下さい』


 あれ? あーしは、ジャガイモとも話せるようになったみたいだ。

 もしかして、これも牧野富〇郎さんのお土産? スキル"植物との対話"?





 ジャガイモは、2ヶ月で収穫できた。

 スピネル男爵家は、百戸くらいしか人口がいない。その消費量の、数倍に当たる収穫量だ。


「リナ様! まだ秋です。もう一回ジャガイモを植えましょう!」


 う~ん。どうしよっかな~。

 ジャガイモ君を手に取ってみる。


『土地が、枯れてやす……。でも、あと一回くらいなら収穫できるっす』


 ふむ……。


「ジャガイモ君が、OKだってさ~。皆、もう一働きお願いできる?」


「「「おおお! OKっす!」」」


 大丈夫そうだな~。

 領民は、茹でたジャガイモを頬張ると、嬉しそうに働き出した。





 ジャガイモは、冬前に収穫できた。

 もうスピネル男爵領に住んでいる人口の、数十倍を養える食糧増産になっちゃったな~。

 牧野富〇郎さんに感謝!

 それと、土地を肥やさないといけないらしい。"植物図鑑"には、窒素肥料とか、炭酸カルシウムが必要と書かれている。まあ、これくらいなら、あーしたちにも知識はある。

 最悪"ストア"で注文して、収穫の終わった土地に撒いて貰おうと思う。


 "植物図鑑"なんだけど……、土地の改良方法とか書いてあるので、題名が間違ってない?

 今度、牧野富〇郎さんが来てくれたら、突っ込みを入れてみよう。


「リナ様。それと、米なのですが……」


 ああ、そうだった。お米も頼んでおいたんだった。


「おお! 米俵が百(たわら)? か~。これで、異世界召喚者が来ても、もてなせるね~」


「それでなのですが……、食べ方が分かりません。焼くのか、蒸すのか、煮るのか……。小麦みたいに挽いてみたのですが……。なんか違いました」


「う~ん。次に異世界召喚者が来たら聞いてみよっか~」


「それがいいかと。お願いします」


 領民は、皆笑顔だ。仕事がある。成果が目に見えて出ている。お腹一杯食べられる。

 そして、冬を怖がらなくていい。

 うん、領地経営も順調になって来たかな。お父様に報告に行こう。


『穀物だけ食べては、ダメですよ~。タンパク質を取らないと~。大豆みたいな、植物性タンパク質でもいいんですけどね~』


「あれ? 女神様? 久々だ~」


『そろそろ、次の問題が起きそうなので、事前に教えに来ました』


 え? 次の問題って?


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