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二話 答えと、そして生まれる謎

 宇宙人からのメッセージは、突如として電波に乗せて現れる。

 俺が実際に見たモノはいくつかある。


 一つ目

<その星を出なければ、お前たちに死が訪れる>

 これは全人類の携帯電話にメールで送られてきたらしい。


 俺はその時、携帯電話を修理中だったのでルニクスにメールを見せてもらった。


 二つ目

<その星から出ていけ>

 俺は実際に見た。


 捨てる予定の壊れたテレビに、急に白い文字が映っていた。


 三つ目

<お前たちが出ていかなければ、滅びが訪れるであろう>

 と、たしかラジオで流れたんだ。


 そして四つ目はさっきの、電気屋のテレビで見た

<もはや我々も、我慢の限界だ>

 というヤツ。


 俺が実際直面した以外にも、様々なメッセ―ジがあったらしいがどれもこれも、似たようなモノだった。

 星から出ていけ、人類は滅ぶ、という言葉を延々と繰り返すように伝えている。


 でも、やっぱ違和感がある。


「滅ぶ。か」


 星を出ていかなければ、滅びが訪れるというメッセージが書かれていた。

 だが、宇宙人たちは”滅ぼす”とは言っていない。

 まるで連中の意思と関係なく、地球人が滅ぶかのような書き方。


 そこはやっぱり、解消したい疑問なのだ。

 だが、俺はその謎より気にすべき仕事がある。

 地下街の住人から、”電池が足りなくなってきてる”とのご通達だ。

 これは致命的、地下に住んでいるのだから人工光は必須。

 どうにか解決策を見つけなければならない。


 そういうわけで、俺は今、夜の地上を走っている。

 急ぎである。

 明日行われるらしい対宇宙人反抗作戦の内容次第では、こうやって探索に挑むのも難しくなるかもしれない。

 もしも街中で爆発物だの毒ガスだのバラまかれたら、探索の危険度は跳ねあがる。

 実際、これまでの反抗作戦の結果、ちょくちょく地面とかビルの壁に穴があいてて危ないし。本命となって来ると、もっとヤバくなるかもしれない。


 急ぎ走る、でも足音は極限まで小さく。

 壊れた綿菓子マシンみたいな音は、今もしてる。


 俺が手に持った傘の色は、当然闇に紛れるための黒。


 しかしまぁ、星は綺麗だという記憶がある。

 最近は見てない、宇宙人に見つからないよう傘をずっとつけているのだから当然だ。

 だが……こんなところで俺みたいな存在が突っ立っていても気づかないんじゃないだろうかとふと思った。


 なら、星も見れるんじゃないか?


 ぽと、と俺の手から傘が落ちる。

 いけない、気が緩み過ぎた。

 宇宙人の船にバレる前に隠れないと、少し慌てて拾いなおそうとし


「……なんだあれ?」

 俺は呟いた。


 ぜんぜん知らない星があったのだ。

 大きな赤い星。サイズはサッカーボールくらいに見える。


「なんだあれ?」

 もう一度言ってみる、自分のなかに疑問の答えは無い。


 うん。まぁ、宇宙人なんか来てるんだ。ああいうのがあっても、変じゃない。

 俺のいる世界は、なんか漫画の中くらいでしか見ない珍しい事が起きてもおかしくない。

 そう、例えばああいう風に星が突然現れて……それから……まぁ漫画とかだと地球に衝突して人類滅亡の危機になるかな?


 待てよ?笑えない話じゃないのかそれ。

 だってあの赤い星、肉眼であんなに大きく見えるって、滅茶苦茶デカいか……”近い”んじゃないのか?


 俺は走っていた。

 天文台が近所にある、そこで望遠鏡を見れば何かわかるかもしれない。


 そして天文台にたどり着くと、人はまったくいないが、埃をかぶった望遠鏡がやはりあった。

 俺はそれで、先程みた知らない星を覗く。

 ぜんぜん知らない白の星だった。


「……月よりも近いぞアレ」


 白い星は月よりも近い。

 だって月に重なってるのに、隠れてるのは月の方だ。


「知らないうちに、あれが地球に近づいてきてたのか?傘で隠れた空であるうちに」


 ……ちょっと待て。

 俺はふと、気づいてしまった。

 もしも、あの星が地球に降って来そうなら全てが繋がる。

 宇宙人のメッセージというのは”地球がほかの星と衝突して人類滅んじゃうから、逃げろ”という事だったのではないか?

 彼らは俺達地球人を救おうとして、でもなかなかメッセージが伝わらないから強引に連れ去っていたんじゃないのか?


宇宙からのメッセージの謎について、"手かがりすら見つからない事自体"がヒントだったのだ。

そう、空に何かがあった。

俺達地球人が、見あげられなくなった空にヒントがあるから見つからなかった。


 って待て、我慢の限界って最近言ってただろ。

 あれ、まさか地球壊滅のタイムリミットが近いってことか?

 だからこの星が滅ぶ前に、宇宙人達は逃げてしまいたい……?


 俺の中で、点が繋がっていく。

 なんて宇宙人のメッセージは"人類に滅びが訪れる"であって、”滅ぼす”じゃなかった。

 どこか他人事な書かれ方をしてたけど、アレは特に疑問に思う事なんてなくて、本当に他人事だからそうだったんじゃないのか。

本当に宇宙人と、あの地球に近づいてくるあの星は関係が無いんじゃないのか。

……地下に宇宙人が入ってこないのは、ただ単に怖いからじゃないのか。

空が見えないと、いつ星が降って来るかわからないから。


 まずい、もしそうならまずい、すぐ逃げないと。


 でもならばまた一つ、宇宙から来た連中のメッセ―ジには謎が生まれるのだ。

 なぜ、宇宙人は地球人と敵対関係になってるんだ。

 向こうが俺達を助けようとしているのなら、もっと平和に事が進められたはずじゃないのか?


 謎の答えはきっと宇宙人からのメッセージの中にある。それを俺は解かなければならない。

 そうしないと、俺の人生の一つに無限の後悔が出来るような気がした。


「わかった……」


 俺は呟いた。

 考えてみれば、すぐわかった。

 シンプルなのだ。

 とてつもなく、あっさりした真相だ。

 だが証拠が無い、日が昇るより早く確かめないと。

 なぜ宇宙人と地球人の戦いはこんなに激しく長引いたか、その答えを。

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