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大人サーバー

「「お誕生日おめでとう!」」


暗いリビングにクラッカーが鳴り、15を形どった蝋燭に火が灯る。


「ありがとうー!ふぅーっ。」


息で火を消すと拍手が起こった。パチっとリビングの電気が付く音がなり、目の前が明るくなる。


「いやーそれにしても日和もう15歳かー。いつの間にこんなに大きくなってなぁ。」


「そうねぇ…あ、これ私達からの誕生日プレゼント。

日和、お菓子作り好きでしょう?生クリーム泡立て、いつも手作業で腕が痛いって言ってたよね。これを使えば、少しは楽になるんじゃない?」


「これ…ハンドミキサー!いいの?これ…しかもめちゃくちゃ高いってやつ!」


「いいのよ、いつも頑張ってる証ね?」


黒髪ロングの髪を一つ結びでまとめているおっとりとしたような顔のお母さん―佐藤珠美(たまみ)


同じく黒髪。髪が少しギザギザになってて少しだけ顔が厳ついけど、性格は優しいお父さん―佐藤裕太(ゆうた)


お母さんは老人ホームの調理師で、お父さんはシステムエンジニア?らしい。うちら3人は帰りがバラバラで、しかもお母さんは早番や遅番でコロコロ変わるからなかなか会うことができない。今回うちが誕生日ってことで、わざわざ有給を取ってくれたらしい。


そして、今回のケーキはイチゴのショートケーキ。中までしっかりイチゴで、生クリームがたっぷり使われている。上に乗っかっている大きくて色艶があるイチゴの王様は、早く食べろとばかりに輝いていた。


「いっただきまーす!んー!!美味しい!」


口に入れた瞬間生クリームがとけ、中を甘さで満たす。

イチゴの酸味が生クリームの脂と甘さにマッチしてて最高。


あっという間になくなったショートケーキの1ピース。残りは冷蔵庫に。



「さてとゲーム再開しますかー。でも一体どうやって進化するんだろ?」



ーーーー



ゲームをセットし、スタートする。

ゲームスタートと書かれた文字をタッチすると、いつもの平原ではなかった。


「え、どこ?」


辺りをキョロキョロするヒヨリ。

すると後ろから声が聞こえた。


『こんにちはヒヨリ様。』


呼びかけられたヒヨリ。慌てて後ろに振り向く。


「あわわわっ。えーと、貴方は…確かアイさん、ですよね!

四年ぶり?ですよね!

お久しぶりですー!」


『はい、お久しぶりです。それからヒヨリ様、お誕生日おめでとうございます。』


「ありがとうございますー!」


『ヒヨリ様が今日誕生日を迎えて15歳になりました。

ですので、ヒヨリ様のサーバーはキッズサーバーから通常サーバーに移行することになります。また、通常サーバーで導入されている掲示板、PKも解禁となります。』


「なるほど?」


『詳しくはメニューから閲覧ください。』


「メニュー!?メニューってどこですか?』


『え?』


「え?」


顔を見合わせる二人。


『質問ですが、チュートリアルは閲覧致しましたか?』


「えーと、…早くやりたくて読み飛ばしちゃいました。

あははー。」


途端にアイの顔面が曇り彼女は頭を抱えた。


『はぁ…………理解いたしました。四年間もメニューの存在を存じていなかったのはこちら側も予測しておりませんでした。

ですので、本来はチュートリアルは一回のみとさせていただきましたが、特別にもう一度体験することができるようにします。というかさせます。

ちゃんと説明しますのでこのゲームのシステムの理解をしましょう。』


「はい…。」


ーーーー


『まずはメニューです。右上を3回タップしてください。』


「はい。わっ、なんか出た。」


『浮き上がった鞄マークを押してください。』


すると持ち物、装備、ヘルプ、設定、掲示板…などなどいろんな文字が目の前に浮かび上がる。


『それがメニューです。』


「なるほど…!」


『次は持ち物についてです。持ち物と書かれた画面をタップして下さい。』


赤、黄色、時々青と、さまざまな色の正方形が並べてあった。よく見るとその四角の中に爪、肉、羽などが入っていた。


『持ち物には、貴方が獲得したアイテムが自動で送られます。赤、黄色、青などの色はレア度を表しています。

レア度の順は赤>黄色>青>白>灰色です。

レア度が高ければ強いというわけではありませんが、進化や装備などに特別な効果を与えるでしょう。』


「え、進化!?アイさん進化あるんですか!!」


『魔物なんですから、当たり前でしょう。というか今までずっと進化してない…と思ったのですが、もしかして縛りプレイではなく単純に進化の方法を知らなかったのですか…。

まぁ、四年間もメニューの存在を知らなかった人ですから…ね。』


「うぅっ……。で!進化ってどうやってできるんですか!」


『すみませんが、私ではその情報をお教えすることはできません。が、代わりに教えてくれる存在がいます。

今回解禁された掲示板です。掲示板にはさまざまな有志の方が、ここに情報など書き込んでいます。ですので、質問すればここにいる人たちが教えてくれるでしょう。』


「なるほど?」


『まずは掲示板を閲覧しましょう。持ち物からメニュー欄に戻る時は上の赤いカッコで覆われたバツ印を押せば戻ります。』


「おぉっ!戻った!」


『続いては掲示板をタップしてください。』


「はい!」



ブックマークといいねをしてくれた方ありがとうございます!

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