種族設定
『world・of・souls。』
今話題のこのVRMMOは世界初のダイブ型で、専用のマスク型のゲーム機と共に発売された。
今まで聴覚と視覚しか感じられなかった世界が五感全てで感じられるという普通ではありえないこのゲームは、発売予告からあらゆるSNSで話題になり、一時期トレンドを制覇していた。
専用ゲーム機含めて一つ100万するという、庶民にはそうそう買えない代物だが…
そんな人達のために10人という少ない数だが、抽選でしかも無料で手に入るという運営会社からの神の通達が来た。
応募用紙を握る少女―佐藤日和は早速応募し、見事に当選。
「これが噂の…ついにうちに!」
早速ゲームを起動し、空間から浮き出た景色を何度もタッチし、ゲームのあらすじを読み飛す。
そしてタイトル画面に行き着く。
「スタート!!」
ゲーム画面をタッチすると浮遊感と共に体が景色に吸い寄せられていく。
「あわわわ、これ結構やばい!」
ジェットコースターなどの浮遊感が、少し苦手な日和は体を竦ませるもなんとか持ち堪える。
すると女性らしき声が辺りにこだました。
『ようこそ、world・of・soulsへ。私はアバター制作サポートのAIと申します。まず、受肉体種族の制作をお願いします。』
『人間』
基本的な種族。種族値は平均で抜きん出る物はない代わりに様々な環境、能力、職業に適応できる。
対応種族―人間
『亜人』
種族値は種族によって大きく変動し、種族によっては向いてない環境、スキル、職業が存在する。
対応種族―エルフ・ドワーフ・獣人・人魚など
『魔族』
全体的に種族値が高い種族。しかし、絶対に克服できない弱点が存在し、一部の環境は厳しい。また、一部のスキル、職業を習得することは不可。
対応種族―天使・悪魔・魔人・竜人・人形・ゴーレムなど
『魔物』
全体的に種族値が低い種族だが、[進化]を繰り返すことで強くなる種族。[進化]の方向によっては厳しくなる環境がある。一部のスキルは習得不可。一部職業、一部装備不可。
対応種族―スライム・ゴブリン・動物など。
「ふっふっふー。もう決まってるもんねー。魔物をポチッと。」
『了解いたしました。では魔物の種類の選択をお願い致します。』
『スライム』
打撃耐性が高く、刺突耐性が低い。
初期種族値は[耐久]が高く、[俊敏]が低い。
装備、職業共に不可。
『ゴブリン』
打撃耐性、刺突耐性共に低い。
初期種族値は平均。
条件を満たせば職業につくことができる。装備可。
『動物』
打撃耐性、刺突耐性共に低い。
初期種族値は全体的に低く、[俊敏]が高いものが多い。
一次進化によって魔物に必ず進化する。
進化するまで魔法取得不可。職業不可、装備一部不可。
「ここは動物をポチッと!」
『了解しました。お好きな動物をどうぞ。』
・ネコ
・イヌ
・カラス
・ウサギ
・ランダム
「…うーん。どれにしよう……よし!ここはランダムで!」
『了解致しました……。動物が決定いたしました。貴方はヒヨコという種族です。』
【種族:ヒヨコ】
進化状態:未進化
Lv:1
HP:10/10
MP:0/0
SP:100/100
腕力:1
耐久:2
敏捷:10
技量:2
知力:0
幸運:10
スキル:【疾走】
『こちらが貴方の初期ステータスです。』
「ありがとうございます!」
『続きまして、この中からスキルを三つ選んでください。』
【蹴り上げ】
足で蹴り上げる。敏捷依存。
【啄み】
嘴で突く。腕力依存。
【逃走】
天敵に背中を向けると敏捷値が上がる。(小)
【地団駄】
足踏みをして攻撃。敏捷依存。
【悪足掻き】
HPが1/3減ると全種族値が上がる(小)
【隠密】
息を殺すことで気づかれにくくなる。知力依存。
【跳躍】
通常より高く跳べる。
「よし、決めた!【啄み】【蹴り上げ】【跳躍】で!」
『ありがとうございます。最後に貴方の名前を教えてください。』
「ヒヨリでお願いします!」
『ありがとうございます。それではゲームスタートです。』
目の前が光で覆われ、私のゲーム人生が始まった。