われはピアディ、かわいいウパルパ
レジーナブックスから書籍化した「聖女投稿」の新キャラ、生意気ウパルパが主人公のお話です。
完結まで書き上げ済みです〜
ピアディは、お魚さん王国の偉大だった大王ポセイドン様の子孫だ。
魚人と呼ばれる水生生物の形をした生き物で、進化した種族の一種である。
まだ幼いピアディは、可愛くて小さなサラマンダー(ウーパールーパー)の愛されキャラで人々に知られるようになった。
身体は半透明で、赤ちゃんの頬っぺたのようなベビーピンク色。
ちょっとだけしっとり、ぷにぷに、ひんやり冷たい体温を持っている。
大きさは、女の子の手と同じぐらい。まだまだ小さくて、よちよちと、短い四本の脚でゆっくりしか歩けない。
つぶらで大きなお目々は、海や空より青く鮮やかなウルトラマリン。
いつも楽しいこといっぱいの毎日に、キラキラと輝いている。
今は大陸屈指のパワースポット、カーナ神国の守護者をしている。
ここはかつて、豊かな海洋国家、お魚さん王国があった場所でもあった。
ピアディは、いつも海の上の神殿にいて、そこから国と人々を見守るのがお仕事だ。
まだ「ぷぅ」と空気の抜けるような鳴き声しか出せないけれど、困ることはない。
仲良くなった人たちや心の正しい人たちとは、とろけるように愛らしい子どもの声で意思の疎通が可能だった。
魚人なので、大きくなれば人間の姿に変わることができる。
けれどまだまだ小さく幼いので、周りの人たちに守ってもらう必要があった。
お魚さん王国は遠い昔に滅んでしまったので、生き残りはピアディだけ。
今の時代にも魚人族の遠い血を引く子孫が人々の中にいたので、寂しくはなかった。
ピアディはそんな大人たちやお姉ちゃん、お兄ちゃんたちに自分の新しい家族になってもらうことにした。
国を守る聖女様は「ねえや」。
保護者の聖剣の聖者様は「おとうたん」。
おとうたんの甥っ子たん大魔道士は大好きな「さいあい」。
おいしいごはん作りが得意な勇者君は「とも」。
あと、いつも怖くて意地悪をする魔王の「おばば」。
愉快な仲間たちに囲まれて毎日とても楽しく暮らしていた。
……はずだった。