第76話 激レアドロップ
ラッキー達はアクアマリンの近くにある中級ダンジョンアクアに来ていた。
「リスボーンやフロンに比べて冒険者が多いわね。」
「ああ。王都からも近いし人気の金策場所なんだろうな。」
「でも困りましたね。こうも冒険者が多いと思うように動けないです。」
『魔物全然いないんだぞー。』
ラッキー達はダンジョンの5層まで来ていた。もちろんギルドでアクアの地図は購入していたので道に迷う事はない。
ただ、ダンジョンに来ている冒険者の数が予想以上に多く、魔物にあまり遭遇する事なく、ダンジョンを進んでいた。
ラッキー達の目的はダンジョンの攻略ではない。王国武道会で良い結果を残す為に、このダンジョンでレベルを上げようと思っていたので、思うように魔物と遭遇しない事にどうするか戸惑っていた。
ちなみにアクアダンジョンに出る魔物は、
1階層はゴブリン
2階層はビックラビット
3階層はキラータートル
4階層はミニミニオーク
5階層はギラギラロックである。
1階層から10階層に出る魔物は比較的動きの遅い魔物が多いので安全に狩る事ができるので冒険者にとって人気の階層だった。
「まあギルドでも低階層は冒険者が多いって言ってたからな。今日は様子見で来ただけだからとりあえずこのまま10階層まで進んで見るか。」
「たしかにギルドでそう言われたけど予想以上よ。」
「そうですね。これは何か考えないと無駄に時間がかかるかもしれないですね。」
『俺は森でオークを狩るのが良いと思うんだぞー。』
その後もダンジョンを進むラッキー達。冒険者と狩場が被らないように移動するが、あまり魔物と遭遇する事ができず10階層までサクサクと進めてしまった。
「これは・・・。」
10階層に進んだラッキー達は絶句した。なぜならそこには、ボスに挑戦する冒険者が数多く順番待ちをしていたからだ。
「これ・・・ボスに挑戦するのにどれぐらい待たないといけないの?」
「よくよく考えれば道中も冒険者は多かったですし、ボス戦で順番待ちしてるのは当然ですね。ちょっと考えればわかる事なのに、全然考えてなかったです。」
「まああれだな。聞くのと自分で見るのでは全然違うな。とりあえず自分の目で確認できたのは大きいな。今日はボスに挑戦するのに時間がかかるから戻るか。これからどうするかも決めないといけないし。」
「そうね。何か作戦を考えないといけないわね。ギルドでも聞いて見ましょ。空いてる時間とか、他の冒険者がどうやってるのかを。」
「シルフィーの言う通りね。情報収集が甘かったみたいね。先に時間を使ってでも色々情報を集めた方がいいわね。」
ラッキー達はボスへの挑戦を諦め、アクアマリンの街へ帰還した。
ギルド併設の酒場で食事をしながら明日からの事を話し合ってると、周りで食事をしている冒険者がダンジョンの話しをしているのが聞こえてきた。
「昨日アクアでステータスの種が出たのは知ってるか?」
「ああ。羨ましい限りだぜ。激レアドロップなんて一生に一回出会えるかどうかの代物だぜ。」
「全くだ。売れば大きな家が買えるほどの大金がもらえるんだ。そりゃこぞってアクアに行くよな。」
「でもさすがに多すぎだろ。こんな状況が続くならダンジョンより、普通に依頼を受けた方がいいかもな。」
「今は、激レアドロップ狙うより、その方がいいかもな。だけどまあ後半年もすれば落ち着くだろ?」
「まあな。武道会が終わるまでの辛抱か。あ〜俺も激レアドロップ出して、家買ってのんびり過ごしたいぜ。ステータスの種に祝福の種、英雄の種、どれでもいいから出ねぇもんかね。」
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話しをしていた冒険者達が出て行くと、
「アクアに人が多い理由がわかったわね。」
「ああ。王国武道会があるから各地から王都に人が集まってる。参加する、もしくは来る人の護衛なんかでこのあたりの冒険者が増えてるって所か。」
「みたいですね。王都周辺で安全で人気と言う事でアクアマリンにきてるんでしょう。王都より物価も安いし、人気なのもわかります。」
リルは興味がないのか、皿に出されたミルクをひたすら舐めていた。
「それで、どうするの?このままじゃ思うようにレベル上げできないわ?」
「ああ。それなんだが、多分10階層を超えたら大丈夫なんじゃないかと思うんだ。」
「どうしてですか?」
「ボス部屋がかなり混んでただろ?あそこを通るのはかなりのタイムロスだと思うんだ。だから1階層から10階層までを行き来してる冒険者はかなり多いと思う。逆に言えばあそこを抜ければましになってるはず。・・・だと思う。」
「なるほどね。確かにラッキーの言う事も一理あるわ。ならフロンでしてたように1週間ぐらい泊まりで挑戦するのがいいわね。」
「またダンジョンで泊まり・・・ラッキー様と一緒に・・・。」
泊まりで攻略するときいてマリアがいつものようにブツブツ言っていた。
『泊まりで行くならオークを狩っておきたいんだぞー。』
「よしじゃあそれでいこう。リルが食料にオークがいるみたいだから明日は一日準備して、明後日から1週間ダンジョンに行こうか。」
「わかったわ。」
「わかりました。」
『オークだぞ。たくさん狩っておくんだぞー。』
そうして、ラッキー達はダンジョンへ行く準備を進めるのだった。




