第01話 伝説のリーグちゃん
初めて小説を書くもんだから楽しくなっちゃって徹夜で作ったんですよね!
そのまま仕事に行ってきてから、今死にそうな顔をしながら投稿ボタンを押しました!
悪魔界__魑魅魍魎跋扈する悪辣な世界…日夜、人々を殺め魂を回収して
力を蓄え、この世を牛耳ろうとする悪鬼たちが暗躍している…そんな世界だ
そこに一人の悪魔が嘆き、吠え、この世全てを呪っていた…
「こ…今月も…魂0個…」
彼女の名はリーグちゃん。
日々、仲間たちは「人狩りいこーZE☆」と言って魂を楽々に回収してきて成績を伸ばし、力を増しているというのに
彼女だけが一度たりとも人の魂を狩り獲ることが出来ず落ちこぼれていた…
「ヤヴァイ…冗談なくヤヴァイ…!魔王様にブッ殺されるかブッ殺されるかブッ殺されるに決まってる…!」
ヤヴァイのはいつもの事なのだが、今日という今日はマジでヤヴァかったりする。
この銀髪、美少女のリーグちゃんは今日で14歳なのだ…悪魔で云うところの「大人の仲間入り☆」になってしまった…
それなのに一度も魂を手にしていないというのは人間でいうところの100人の美女に毎晩求められているのに童貞のままというくらい奇跡だ…
隣の家のサキュバスのフタバちゃんですら8歳の時にロリコンの魂を狩り獲っているというのだから必死に頑張ってまだ魂狩童貞というのは
ハッキリ言ってザコすぎてリーグちゃんは伝説となっているし謎のファンが増えている
隠れファンは「今日も獲得出来てなくてカワイイ♡」と他人事のように嘯き、今日も酒の肴にして楽しむ始末。
「いや、諦めなきゃまだ何とかなる!!…と、取り合えずこのカメムシの魂を狩り獲って魔王様を誤魔化そう!
大丈夫…!魔王様バカだからきっとバレない!くふふ…きょ、今日だけなら凌げるぞ!くふふ…!」
カツ…カツ… カツ…カツ…
「さ、さすがにバレるかな?あ、でもこのカメムシすげぇクサイし結構大きめな魂かも…!」
カツ…カツ… カツ…カツ…
リーグちゃんは相変わらず現実逃避をしていて後ろから這い寄る影に気が付いた様子はなく背後を許してしまった
「ォイ、リーグちゃん 何を遊んでるんだァ?テメーェ今日こそ人間の魂を獲ってくるから人間界送りは勘弁してくれって言ってなかったかァ?
それとも何だァ?アタシの耳が腐っててテメーェの話を聞き間違えてたのかァ?アァ~~~ッ?」
乱雑な言葉には似合わない美少女がそこには立っていた…
真っ黒な角に、腰のクビレまで届く闇より深い漆黒の頭髪、猛禽類を思わせる攻撃的な瞳を爛爛と紅く燃やし、
真逆的なのだが氷のように冷え切った視線はリーグを見て離さない…
リーグちゃんはというと蒼い瞳は怯えを見せ、命乞いをする為の唇までも青くワナワナと震わせることしか出来ないでいた…
二人のコントラストは余りに正反対で陰と陽を表しているようにも想える。
「マ!魔王様!や、やだ!人間界は怖いから行きたくないんじゃー!知らないかもしれないが昨日、人間界の子供とバトってボコボコにされたんだぞ!
しかも、最後は「え?あの…大丈夫ですか?良かったらこのポーション使ってください!」って同情されたんだぞ!ムキーーーッ!」
「いや、ザコすぎるだろォ…さすがにアタシも同情をするぜェ?
だけどなァ…アタシはリーグちゃんの事は気に掛けてるんだが、さすがに魂0個で14を迎えるのは悪魔史上オメェが初な訳でよォ
ドハデに罰を与えないとアタシも立場が悪くなるんだよなァ?特別扱いも限界だからァよォ…?」
「ま、待て!待ってくれ!魔王様!今回は魂を手に入れてるんだ!ギリギリだったが何とか魔王様に義理が立てれたんだよ!」
「アァン?お前が最後の最後のチャンスで魂を手に入れられただァ?そんな都合の良いことがホイホイおきるもんなのかァ~~?」
訝し気にリーグを見つめ疑いの眼差しを向ける魔王様。
確かに、証拠もなく信じることは出来ない…それはリーグちゃんも重々承知であり、魔王様に魂を見せる必要がある訳だ…
「これだ!どーだ!見ろこの輝きを!コイツは名のある戦士で能力は緊急時に臭くなるというトンデモないヤツだったんだ!
それを、こう!こー!こぅっやってボコボコにしてギッタンギッタンにしてラリホーして手に入れた貴重な魂なんだ!」
「おォ、おおーォ!あの、あのリーグちゃんが!とうとう!魂を!アタシは嬉しいぞォーーーーー!
やるじゃァねーーかァ!ンだよォやれば出来るじゃァねーーーーーかッ!よしッ!暫くは悪魔界に居られるなッ!」
魔王様は凄く喜んだ!そりゃーそうさ!リーグちゃんは魔王様にとって数少ない友人でもあり、本音で言えば人間界に行ってほしくない
…だからこそ見逃してしまったのだ…通常の魂のサイズの100分の1である事に…
そう、この魔王様は戦闘力はあるが基本的にヴァカなのだ。
友人である魔王様を騙すのは心苦しいがリーグちゃんも必死なのだ!多少見苦しくても、せめて我々だけは許してあげようじゃないか…
___リーグちゃんは三畳の部屋で横になっていた…
カビた畳のニオイはリーグちゃんを落ち込ませるには十分なエッセンスだ。
何もさっきの嘘がバレてこんな芋みてーなところに閉じ込められてるのではなく、元々リーグちゃんの住処がここなのだ
悪魔界は実力主義の世界、如何に美少女であっても魂を獲れないザコの生活は厳しい限りであった…
「あぁ~…ハラ減ったぁ~…あぁ~…ハラ減ったぁよぉ~~~…死ぬぅ~~…」
リーグちゃんは貧乏生活を送っていた、とうに今月分のお金は使い切りモヤシ生活もギリギリで
最近食べた中で一番タンパク質を得られたのは「~カメムシの死骸、もやしのカケラを添えて~」だった程に貧困にあえいでいた…
コンコン…
「んぁ?誰だ~?今日は集金日とかじゃなかったハズだけど…そうだとしてもお金ないしなぁ~…」
コンコン…
「うるさぃなぁ~~今日は居留守なのだー!何も出来ないくらいにハラが減っているのだぁ~!」
…カチャン
「ぇ?」
ギ…ギギギ…ギィーー…
「リーグちゃんお邪魔しますわよぉ~?生きていますか~?」
「…フタバちゃん…今、鍵開けなかった?」
「? なんのことですか~?」
「あれ?開けっぱなしだったかな? …!」
「あらあらぁ~気にしない気にしない~…って、あらぁリーグちゃん気づいちゃったのぉ?」
「こ、この匂いは!シチューだ!クリームシチューの匂いがする!!しかもホワイトシチューのいい匂いに交じって肉!しかも結構いい肉!
私の中に眠る肉食獣が吠えて喜んでる!そんな匂いがする! ハッ!それだけじゃない!ちらりと見えたその葡萄ジュースは評判良かったヤツだ!
よく分かんないけどスゲー美味しいって聞いてたぞ!私の中の葡萄畑のおじさんが舞い踊っているぞ!うぉおおおおーーーーーーーーーーッ!」
「んもぉ~ビックリさせようと思ったのに~、そんなに早く気づかれちゃうとは思わなかったわ~」
「飯ーーッ!飯だーーーーーッ! メーーシ♪メーーシ♪メールシー♪メーーシ♪メーーシ♪」
リーグちゃんは凄い喜んだ、まともなご飯なんていつ以来だろうか…覚えてる限りでもモヤシ炒めとモヤシスープが関の山かも知れない。
久しぶりの食事にウキウキになり謎ダンスで隣の家のフタバちゃんを出迎えておっぱいを揉みながら褒めてはちぎっている。
ニコニコなリーグちゃんは完全に見落としていた…なぜドアが開いたのか、なぜフタバちゃんのポケットにはピンク色の液体の入った瓶があるのか…
「リーグちゃんいっぱい食べて飲んで辛い現実は忘れちゃいましょうねぇ~」
「へへへ!フタバちゃん好き!優しくて好き!ウヒョーーーメシだぜぇ!最高だぁーーー!!ウヒョーーー!」
「ふふふ、おバカなリーグちゃんカワイイ…」
ネチッコイ視線でリーグちゃんを見つめ続けて舌なめずりを繰り返す幼馴染のフタバちゃん…
辛い現実で落ち込むリーグちゃんを介抱して依存させたいと8歳の時に思ってから6年間、一度もブレることなく篭絡計画は進められている…
先に誕生日を迎えて14歳になっているフタバちゃんは今日という日を待ちに待っていたのだ…
_大人になったリーグちゃんをやっと食べられると…サキュバスのフタバちゃんは狙った獲物を逃がさない…
あぁ、リーグちゃん…南無である。チーン。
__チュンチュン…チュン…リュン…
スズメ竜の鳴き声…爽やかな朝…隣にはおっぱいとおっぱい
そう…昨夜、フタバちゃんはリーグちゃんを襲おうとしたのだが途中で乱入した魔王様のせいであえなく失敗してしまったのであった…
そのまま三人で食事するにはリーグちゃんの家はクソすぎたので友人の家に (勝手に) お邪魔して飲んで食べてドンチャン騒ぎをしたのであった
「…アンタらねぇ、勝手に上がり込んだ上に散らかしに散らかしまくって…なんなのよもぅ!」
「あ、シャロ~おはよぉ~ゲプゥ~~~~っ!」
「うわ、リーグちゃんきったないわねー!ヤメテよねー!」
「あらあらぁ~シャロさんおはよぉ~~」
「んあ~ァ、おはよォ…シャロォ邪魔してるぜェ~」
「ハイハイ、三人とも早く起きてから片づけて下さいまし!私が狩りしてる間にどんだけ散らかしてるのよ~…んもォー!」
シャロちゃん、彼女は夜勤組の三毛猫獣人である。従来の夜行性を活かして暗殺を中心に魂を狩っている
割とエリート組でもあり、おバカ三人と接点はなさそうなのだが見ての通り仲良し???????????である。
シャロちゃんとリーグちゃんの出会いはその内話すと思うが、どうやら今はその時でないみたいだ…
「ところで魔王様、貴女のとこの人が探していましたわよ?早く魂の儀を進めて666年溜め込んだ魂炉を開放して悪魔界を拡げたいそうよ」
「んァー、そうかメンドくせぇけど城に帰るかァーー」
「そうして下さいまし。あと、フタバさんもお母さまが迎えに来ていますわよ?何でも最高級のホレ薬が手に入ったとか言ってましたわ」
「あらぁ~、それはとっても大切なことですわぁ~…名残惜しいですけど私も帰りますわねぇ~」
「オイ、フタバちゃんおっぱいを揉むな!溜め込んでる栄養がなくなっちまったら餓死するかもしれないだろ?」
「お乳が出るわけでもないのに減るわけないでしょ?下らない心配しないでくださいまし!」
「この!テメ!出るかもしれねーだろ!シャロより可能性あるだろーが!見ろよ!私より良いもん食ってるのにペチャンコおっぱ…」
「あ゛?」
「ズビバベンでした」
リーグちゃん、この世には言ってはいけない言葉が666個くらいあるんだぞ。
顔をパンパンに腫らしたリーグちゃんはちょっぴりだけ大人になったのだ…
そう、朝チュンのシチュエーションの後は誰だって大人になるものなのだ…頑張れリーグちゃん!負けるなリーグちゃん!
「ハァ、まったくふざけてないでリーグちゃんも出掛ける準備をしますわよ?」
「え?私出掛けたくないよ?今日はシャロん家でゴロゴロして冷蔵庫の中身を勝手に食べる予定だもん」
「余計に家から追い出したくなりましたわ…
まぁ、それはさておいて今日は私が紹介した武器屋の店主様が預かってた物の修理が終わったから取りにおいでと仰ってましたのよ?
ゴロゴロしたい気持ちも分かりますが早く武器を取りにいかないと益々魂狩りに支障がでましてよ?」
「あぁ~それもそうかぁ…分かったよ街に出掛けよう!」
二人はご飯をとり、街に出掛けることにした。
「ん~~~!月末の追い込みのせいで仕事ばっかりだったから外の空気が気持ちいや~!」
「リーグちゃん、仕事した風に言ってますけど魂を獲れた事ないじゃないですの」
「いや、昨日はすごかったんだって!今まで見たこともないようなクッセーーカメム…」
「カメムシの魂は業績になりませんわよ?」
「・・・」
「・・・あきれた」
そうこうしている内に目的地の武器屋の前に辿り着いた二人
「ごめんくださ~い!リーグちゃんでーーすっと」
「挨拶くらい普通にしなさいよ!」
リーグちゃんの声が聞こえたのか奥からカイサル髭の筋肉質なオッサンが出てきた…
このオッサンはリーグちゃんの隠れファンでもありよく値引きをしてくれたりするのだが
どちらにしろ貧乏なリーグちゃんには届かない価格ばかりだったりする…
仕方ない、魔王様を騙して得た金は大方、生活費に消えるのだから武器を新調するのは不可能に近いのだ
「よぉリーグちゃん!頼まれていたダガーの修繕は終わってるぜ?」
「おぉ~~オジさんありがとー!これで人間を狩りに狩りまくって狩り尽くしてやるぜ~~!」
「リーグちゃん、この前90歳近いお爺様にボコボコにされてませんでして?」
「あれも今思えば輝かしい栄光の1ページだったよ…」
「ワーッハハハハ!その前向きなところオジさんは好きだけどな!」
「そうだろうそうだろー?私も私が好きだ!」
「「ワーッハハハハ!」」
「聞いてる私の時間を返してほしいくらいには中身のない会話ですこと」
「ワハハ!ふざけすぎたか!さて、修繕費は1000Gだ!」
「ない」
「「え!?」」
「ない」
「いやいや、さすがにリーグちゃんのためと言っても無料には出来ないぜ?オジさんにも養う家族がいるんだから!」
「安心しろ店主、私は金がないだけだ …コイツが持っている」
「え!?」
最悪である、普通に仲間を売るのは悪魔的に言えば正解なのかもしれないが
友達や家族、仲間を売るのは悪魔の中でも最終手段とまで言われている程なのだ…
…いや、たしかにリーグちゃんは最終手段をとらないといけない段階かもしれない…
「リーグちゃんねぇ…ハァ、まぁ良いわ払ってあげます…」
「わーーい!シャロちゃん好きーー!大好きーーー!ヒャッホーーイ♪」
「ハイハイ、嬉しい嬉しい」
「お、オウ…まぁ支払ってもらえばオジさんは何でも良いんだけどよぉ…リーグちゃん、今の時代1000Gも持ってないのはヤヴァイって…」
「ないもんはない!真理なんだよ!」
「そりゃぁ、そうだが…」
隠れファンすらドン引きにするリーグちゃん…ただ受け取りに行くだけでココまで人に迷惑をかけられるのはある意味の才能かもしれない
改めて言うが、頑張れリーグちゃん!負けるなリーグちゃん!
__魔王城【ラスエン・ヴィグリド・キャッスル】
「おかえりなさいませ魔王様、ご帰宅お待ちしておりました…」
「アァ…」
配下の一人、コイツドくんが紳士のたたずまい通り完璧な礼をしながら迎える。
「わーー!魔王様!探しましたですよー!」
「ワリィお忍びで友達とよォ飯食って騒いで抱いて寝てたゼェ」
「語弊が過ぎますよ魔王様」
「魔王様すごいですーー!」
多分意味が分かっていないが会話を楽しむ狼獣人幼女なモモブちゃん
「ハッ!やっと来たか魔王様!さっさと魂の儀を終わらせて宴をしよーぜ!」
「アァ、魂炉も満タンになってきたからなァ…やっぱり最後の魂はァ、リーグちゃんの獲ってきたこの魂こそ相応しいよなァ」
「ハッ!いっつも思うけど魔王様ってリーグちゃんのこと好きすぎだろー?」
「まぁなァ~リーグちゃんはアタシの数少ないダチだからなァ~ついつい特別扱いしちまうなァ~」
「私も私もーー!魔王様と友達ですよーーー!」
「ありがとなァ、モモブ。お前もォ特別だって思ってるぜェ」
魂の儀を今か今かと楽しみにしている狼獣人のウミテちゃん。 モモブの姉であり、近衛隊隊長でもある。
4人は城の地下に降りていき、最奥にある厳重な扉を開け魂炉の前にたどり着いた。
「分かってはいたがァ緊張するなァ…悪魔界の拡張だなんてピンとこねェが土地が拡がるのは良いことだもんなァ…」
「後は魔王様が手に持っていますその魂を捧げて魂炉を起動するのみでございます」
「ハッ!準備もお膳立ても全て完璧だからよー!思いっきりやっちまおーぜー!」
「私も準備は頑張りましたですよー!」
拡がった土地で農業をしたいだの研究施設を設けて悪魔界の発展に力を入れたいだの拡張土地に新たに現れるモンスターなら任せろだの
各々が口々に魔王様に語り、その第一歩を共に居られることに喜びを見せている。
「__…コイツド、ウミテ、モモブ…お前らによォ支えられたからこそォアタシはここに居るわけだァ!始めよゥぜェ!」
「「「「新たなる創世を!__」」」」
そっとカメムシの魂を捧げる一同…
魂炉は光り輝き、エネルギーを循環させ、新たなる次元を生み出し世界を拡張させようとしていた…
従来なら多少の異物など気にしなくても良かった…ただ666年ぶりの稼働は魂炉を劣化させ限界を迎えていた…
メンテナンス担当であるメカニック局の局長を面白そうだからとダーツで決めてモモブを任命させた魔王様にも非はあるのだが
リーグちゃんの嘘はこの悪魔界の運命を大きく変えてしまった…
魂炉の白い輝きは変化を見せ赤く朱く紅く色を変えていった…
暴走状態…それに気が付いたコイツドは時空魔法を操り、一同を城外へ飛ばしていった…
時空を渡る途中、偶然にもダガーを振り回しながら魔王城に向かっているリーグちゃんとシャロ、後ろから小瓶の中身をぶっかけようとしているフタバ…
仲間であり友人である3人を放ってはおけない…
「コイツド!」
「!ッ、えぇ後のことは任せてください!少々力業になりますが悪魔界の住人を全て別世界に飛ばします!魔王様はご友人のところへ!」
「ハッ!魔王様は何だかんだ優しいよなー!ま、久々にワタシ様らを頼ったって事でコマケーことは聞かねーからよ!好きにしやがれ!」
「えーーー!私もそっちに行きたいですよー!」
「ハッ!テメーはこっちだ!悪魔界の住人を飛ばすのに魔力がワタシ様ら二人じゃ足りねーーんだよ!」
「分かりましたですよー、魔王様また向こうで遊びますですよ!」
「申し訳ありませんが、細かい調整は不可能ですので我々とはかなり離れたところに飛んでしまうでしょう」
「かまわねェよ、向こうで目立っておくからよォ。死ぬ気で見つけに来いよなァ!」
それじゃァなァと言って魔王様だけリーグたちと合流して魔力集中しなければいけない三人を置いて行った
魔王様はなるべく負担がないようにとほとんどの魔力を三人に渡し、リーグちゃん、シャロ、フタバと抱きしめた
「ワリィ…失敗したみてェだァ」
「え?えっ?どゆこと?どゆ状況?」
「急に現れてどういうことですの魔王様?」
「はぁはぁ…リーグちゃんの肌スベスベぇ…」
突如、世界は反転し色は抜け落ち音は遅れ平衡感覚は全てグチャグチャにされる。
パニックなのか興奮なのか冷静なのか感情までが世界に飲み込まれるような感覚…
悪魔界は消し飛んだ…滅んだのだった…
悪魔界の発展を夢見た美少女、魔王様ことラスエン・ヴィグリドちゃん
まさかリーグちゃんが獲ってきたカメムシの魂によって世界丸ごとが消し飛ぶとは思いもしなかっただろう…
初めて執筆というものをしました、くっすんです。
友人が台本などの物書きでして「くっすんも始めてみたらどう?」と言われて
深夜テンションで作ったものだったりしますが、第一話たのしめたでしょうか!
本当はちょっと書いてお終いのつもりでしたが続きが気になると言われて嬉しくなって
続きものとして投稿を決めました!
残念ながら書き貯めをしておりませんので、どうしても遅い投稿になりますが週に1本を目安に作っていきたいと思います!
モチベーション維持のためにも評価、感想、誤字報告を宜しくお願いいたします!