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なぜ他の人たちには“UFOが見えなかった”のか?

作者: 毛利秋王




小学6年生の頃だったと記憶しているが、




僕は




UFOを見たことがある。













季節がいつだったかもハッキリと覚えてはいないのだが、その頃は毎晩のように兄と近所の公園でサッカーをするのが日課となっていた。








毎晩、息切れしているのも忘れて僕と兄はボールを取り合っていた。














そんなある夜のこと。














2人ともひと息ついて、ふと夜空を見上げると、







西から東へ




無数の光が横切っていったのだ。













時間にして2〜3秒くらいだったと思う。










何十、何百もの光の集合体が一定の間隔を開けて、




クリスマスツリーを横にしたような奇妙な三角形を形成して飛んでいた。









どのくらいの高さを飛んでいたのかはわからない。




…が、




超巨大だったのは間違いない。







例えるなら、映画『インデペンデンス・デイ』でホワイトハウスを攻撃したUFOと同じくらいだったのではないか、と思っている。






なぜそう思ったのかというと、




そのUFOが横切った瞬間、




空が覆い尽くされたからだ。













横切った光の集合体は




“パッ”と




一斉にライトが消え、




僕と兄の前から姿を消したのだ。














「……お、お、




おっおっおっ




…オイ!




……見たか?




今の?!」






僕の方を振り向き、まるでマンガみたいなわかりやすいリアクションをしながら僕に聞く兄。






僕は「…うん」と、ひと言だけ答える。












…と、兄は一目散に家へ戻り、今見た話を母と姉に喋り始めた。



普段、兄は心霊現象やオカルトといった類の存在を完全に否定しているのだが、自分の目で“それ”を見てしまったために、興奮を抑えられずにいた。




母も姉ももちろん信じてはおらず、



「何かの見間違いちゃうん?」



と言っていたが、



「ホンマやって!なんで信じへんねん!」



と、怒り狂ったのである(笑)。






それまでに僕が幽霊や人魂を「見た」という話を兄にしたら、



「そんなもん、見間違いに決まってるやろ!



そんなもん、あるわけないやろ!」



と怒鳴ってボロクソに言い返されたのに、自分がUFOを見たら、信じてもらえないことに怒りだしていたのを見て、僕は唖然としたものだ。















あの夜の出来事を、僕は今年に入ってからよく思い出すようになった。






そして、最近になって当時を振り返ってみると、ある疑問が浮かんできた。







『他の人たちには、なんで“見えなかった”んだろう?』と。








当時住んでいたのは大阪の南の方で、都市部と比べれば人口は少ないだろう。



だけど、夜9〜10時頃だったと思うけど、あの瞬間に僕たち以外にも夜空を見上げていた人が何百人か何千人もいたって不思議ではなかったはずだ。






一瞬の出来事だったために、その瞬間に夜空を見上げていたのが僕と兄ぐらいしかいなかったのかもしれないが、




もしかすると、



僕たちはトランス状態にでも陥っていたのかもしれない。









サッカーで気持ちいい汗をかいて、




なにも考えず




澄んだ夜空をふと見上げたときに、




たまたま超巨大な宇宙船が僕たちの視界を横切った。






それは、普段生活しているときの感覚では見られなかったんじゃないのか。








今になって、そんなことを思ったりしている。














(※この記事はアメブロ、Ameba Owned、小説家になろう、Instagram他にも掲載します)




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