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魔を従える少年  作者: ミルク星人
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序章

初投稿です。拙い文で申し訳ありません・・・

こんな小説があるといいなと思って書いてみました。不定期投稿ですが少しでも興味を持ってくださると幸いです。

 0話 黎明戦争


 それはエクセロンと呼ばれる異世界で起こった2柱の神による戦争である。1柱は男神でもある暗黒神アルシエルが率いる黒の陣営であり、原初の悪魔を筆頭に少数の強者が敵を圧倒し続けた。もう1柱は女神で名を光明神ミスラが率いる光の陣営で、天使長のミカエルが多くの天使をまとめ上げ数を用いて黒の陣営と戦っていた。この両陣営の戦争は終始黒の陣営が有利に戦争を進めており、光の陣営は頼みの綱でもある異世界から勇者を召喚し戦わせても黒の陣営の快進撃を止めるには至らなかった。そしていよいよ戦争が終盤を迎えることに敗戦間近である光の陣営は降伏を申し出て話し合いの場を設けることとなった。

 このとき黒の陣営から降伏は偽装ではないかと疑問視する声が上がっていたが、黎明戦争以前は創成期より協力し合いながらエクセロンを守り続けてきたミスラを信用するとうアルシエルの鶴の一声で疑問の声を一蹴した。しかし黒の陣営から上がった懸念は現実のものとなる。ミスラ及び勇者達は2柱の話し合いの場に罠を仕掛け暗黒神アルシエルの力を奪い地上のどこかに封印したのである。さらには供回りの原初の悪魔を地獄に幽閉し、光の陣営から危険視されていた九尾を石に変え、黒の陣営が拠点としていたマコン大陸にアルシエルから奪ったエネルギーを代用して大陸に滅びと呪いを与えたのである。これにより大地に生きるほとんどが死に絶え、生き残ったごく少数の者たちも呪いによってアンデッドに変質した。

 しかしアルシエルもただただ封印されたわけではない。封印される直前に自らの神格の半分を引き換えに、自らの代わりとなる巫子が遠い未来に現れるように力を振り絞ると同時に極少数の生き残った信者に次代の巫子がいずれ現れることを信託として伝えた。こうして光の陣営が勝者となり黎明戦争は終結した。

 戦争が終わるとマコン大陸以外にいる暗黒神の信者はミスラの呪いにより新たな種族へと変質した。この変質した種族は後の魔族と呼ばれることになる。敗者である魔族は東の大陸であるオーバーニュ大陸に迫害され結界を張られて押し込まれた。

 また黎明戦争時にどちらの陣営にも所属しなかったとされるドワーフと獣人はこれ以降下等な種族として光の陣営の主な種族である人族とエルフ族によって従属されていくのである。

 この戦争が黎明戦争と呼ばれるのにも理由が存在する。戦争によって国は疲弊し文明がリセットされたといっても過言ではない状態にまで追い込まれた。そして戦争終結後に召喚された勇者によって再スタートした文明に少なくではあるが異世界の技術も取り込まれ、戦争以前とは少し違う文明が歩み始めた。新たな文明のきっかけでもある戦争のため黎明戦争と呼称されたのである。

 戦争が終わり光の陣営による輝かしい未来の扉が開かれたように人々には思えた。天使、いや神ミスラでさえアルシエルを封印したことによって安心しきってしまったのである。しかし忘れてはいけない。アルシエルの信託を受けた者は確かに存在するのだ。このことをミスラは認知できなかったのである。

 地獄に幽閉されし悪魔は誓った。今度こそ最後まで守り切れるように。次代の巫子こそは守り切れるように力を蓄えようと。

 封印されし九尾は誓った。次代の巫子に一切の不幸が降りかからないように憎悪によって自らの牙を研ごうと。

 アンデッドに変質したものは誓った。次代の巫子、つまりは自らが信奉するであろうものにあらん限りの幸福を齎すためにも、障害になる敵を屠るだけの力を磨こうと。

 全ては必ず現れる巫子のために信託を受けし者は強くなり続けたのである。物語は巫子が生まれてから始まるのである。




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