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書くこと・好きなことについて語るエッセイ  作者: K・t
3.更に書き続けてきて
37/54

流行りものと現実・後編

 もう一つ、忘れられない出来事がある。

 バレンタインだ。


 女子がこれだけいて、チョコをあげないのはどうなんだ?

 と誰かが言い出したのだと思う。


 そこで、全員でお金を出し合ってチョコを買い、

 プレゼントすることになった。



 30人以上が少しずつ出し合えば、それなりの金額にはなる。

 彼はきっと、高校生にしてはお高めのチョコを貰った、はず。

(買い出し係ではないので良く知らない)


 そこは良い。問題はその一ヶ月後。

 要するにホワイトデーだ。


 大人し目の男子高校生が女子全員からの高級チョコ(?)を貰ったらどうなるか、

 私達は想像していなかった。

 別にお返しを期待してのことでもなかったし、あげたことも忘れていた。



 ホワイトデー当日。

 彼は大きな段ボールを抱えて登校してきた。


 そう、お返しのお菓子だ。

 そのまま教卓にどーんと置き、朝礼で配り始めた。


 きっと、お家の人に相談したのだろうな^^;

 本人も家族も、「お返しをしなければ」と考えたに違いない。


 彼はきっと、ときめきとは別の意味でドキドキしたことだろう。


 まぁみんな笑っていて和気あいあいとしていたし、

 楽しい記憶の一つだ。……私には。


 もうかなり前のことで、覚えているエピソードはこれくらい。


 翌年や、その次の年には更に男子が入学してきて、

 学校初の男子生徒会長が誕生した記憶はぼんやりとある。


 残念ながら、私自身は彼らとはほとんど接点がなく、

 男子だからと特別意識したこともない。

(小・中学校が普通に共学だったからかもしれない)



 でも、同性が何人入学するかも読めない元女子高の、

 しかも「普通科」を選んで入ってきたのは凄い事実だと思う。


 一応言っておくと、進学校でもない。

 私は大学進学に多少苦労した。


 そういえば彼らはどんな進路を選んだのだろう?


 いずれにしろ、勇気がある。勇者だ。


 自伝でも書けばいいのにとずっと思っていた。

 同級生が怖くて書けないのかも、とも。


 が、最近考えを変えた。


 彼らはもう書いているのかもしれない。

 高校時代の経験を元にしたファンタジー、

 そう、「ハーレム」を。


 ちょうどウェブノベルを書く世代とも一致するし、

 山のようにある「ハーレムもの」の中に、

 自分の青春時代を昇華したものや

 もしかしたらほぼノンフィクションのものが存在するかもしれない。



 全ては想像だ。

 そして私は女子大に進学し、翌年、再び「共学化」を経験するのである……。

これで一区切りです。お付き合い、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いですね! 忘れられない体験になったのではないでしょうか。 大人になって「俺クラスの女子全員からチョコもらったんだぜ!」的な自慢話になってたりして(笑) (嘘は言っていない)
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