お話がふくらんでいくまでに
お話を作る時、私はキャラクターから考える。
主人公は何歳で、どんな顔をしていて、どんな性格なのか。
周りには誰が居て、それぞれどんな関係なのか。
そうすれば、自然と世界観が広がってくる。
住む場所や環境、近い場所からずっと遠いところまで。
あとで消すこともあるけれど、とにかくどんどんメモに書き出していく。
少しの間置いておくと、別の設定が浮かんでくることもある。
この頃には書きたい場面が決まってくる。
書き出しのこともあれば、重要シーンの場合もある。
そんな時のウキウキした気持ちは、遠足や旅行の前に似ている。
遠足は短編や詩や童話で、旅行は長編小説だ。
バッグやリュックを出してきて、必需品を詰め込みながら、
行く先を思ってワクワクしたり、
事故や怪我が気になって少しだけ不安になったり。
そうしていよいよキーボードに打ち込み始める。
手元のメモや、頭の中で動く人達に従って、
どんどん、ガンガン、勢いに任せて突き進んでいく。
長くなるほど、話は広く大きく展開出来るし、深くもなる。
けれど、新しいお話はやっぱり魅力的だ。
あのまっさらなワクワク感が好きで、誘惑に負けそうになる。
手を付けてしまおうか、今の話を途中で投げ出して。
いいや駄目だ。こちらが済んでから!
そんなふうに、今日も頭の中で戦っている自分がいる。
お話を書く人なら、同じような気持ちになるんじゃないでしょうか?