1つの愛の遺書
女性の恋は波が大きいと思います。生きるか死ぬかぐらいの…まぁ自分非リアですけどね
これは私がある人にあてた遺書です。なんて、どこかの文豪の真似事をするようですが、それほど私にとってあなたは大層なことで、愛した人なのです。もしかしなくとも、あなたへの遺書は私にとっての恋文ですよ。
拝啓 最愛の人へ
季節は秋に木々も紅葉し、木枯らしが舞う季節となりました。
あなたを愛した日々がとても恨めしく思います。毎晩温もりもない布団で枕を濡らし、途方も無い思いに疲れ果てて眠る日々を誰が心地よく思いましょうか。
私が死ぬ原因すらあなたはきっと理解してくれない。あなたに想いを馳せた日常はどんなに楽しかったか、どんなに苦しかったか、この大波である私の激情でさえあなたは見えなかったのですから。
あなたのたった一言で冬にも春にもなる心は何度四季を廻ったことでしょう。
心が凍ったなんて生ぬるい。1度死なねば新しくやり直せまい。
さて、これは呪いの文ではないので、今後について話しましょう。1つ目に、どうか私の遺体を探さずに。遺体なんてすぐに消え失せるのですから。そして2つ目、新しくいい人を見つけてください。私はあなたに気づかせるには力不足だったようなので、もっと聡明で、美しい人に出会ってください。最後に、髪も薬指も切り、変わり果てた私をどうぞ憐れんでください。あなたが私を放置した時間だけ、私の腐敗は進んでいるのですから。
最後になりますがどうかお幸せに。体には気をつけて、いつまでもお幸せに。あなたが愛されることを心より望んでおります。 敬具
さぁ、生まれ変わりましょう。腐敗していては人生はつまらないものになりますから。あなたへの愛は死に、私は生きるのです。私自身は私を愛していますから。
いかがだったでしょうか。拙い文だと思いますが、最後まで読んでくれていたらありがたい限りです。