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オークに転生したので人間の村を焼いていこうと思う  作者: べりや
第二章 ウルクラビュリント奪還戦
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ゴブリシュタット会戦と魔族国の思惑

 魔族国の短い秋の風が広大な畑に吹きすさぶ中、花火のような轟音と祭りのような鼓笛の音色が響く。数日前に冬穀が撒かれたばかりのせいか、むっと大地の臭いに混じって硝煙の香りが鼻をくすぐる。



「ああ天主、われは今日(こんにち)全世界に行われるすべての星祭を、今日死すべき人々のため、特に献げ奉る。願わくは救世主ルーナの尊き御血の功徳によりて、かれらに御慈悲をこうむらしめ給わんことを。汝に星々の恩寵があらんことを」



 そんな長閑な畑に膝をつき、胸の前に五芒星を切る。それと共に丁寧に耕された母なる大地を背に黒い法衣を纏ったナイ殿が静かに星書の一節を読み終えた。

 これは死に臨める人々のためにする祈りと呼ばれるものだ。あぁ主よ。人々を死地に向かわせる俺の罪深さをどうかお許しください……。

 ナイ殿に続いて祈りの言葉を復唱していると「閣下!」と無粋な声がそれを遮った。



「……オーク伯。何事かね?」



 振り返れば赤い軍衣(ジャケット)に白い軍袴(ズボン)に黒の三角帽子(トリコーン)姿のグロリオサ・フォン・オルク伯爵が緊張を顔に滲ませながら右手の拳を側頭部に押し当てていた。そのオーク式の敬礼に答礼をしつつ要件を訊ねると「第一銃兵旅団の戦闘準備が完了いたしました」と簡潔な報告をもたらしてくれた。



「よろしい。特火は?」

「御命令通り師団特火及び軍特火が準備砲撃を継続中です」



 オルク王国軍の最近の編制では八門の八十四ミリ野戦砲を標準装備した特火中隊が基本となり、軍団には四個特火中隊(これを合わせて特火大隊となる)、師団には一個特火中隊が配属されるのが定数となっている。

 もっとも軍特火も師団特火も装備に違いはなく、違いをあげるとすればどこに属しているかくらいだろう。

 最初は一括管理した方が合理的だと思っていたのだが、大局的に戦況へ寄与できる軍特火と師団が所管する銃兵に直接火力支援を与える師団特火の二種類があった方が混乱を生みにくいとあって二つに分けることにしたのだ。



「敵は?」

「はい。賊軍は事前の索敵情報通りゴブリシュタット大公国軍を中心とした連合軍を形成しておりますが、その数は八千に上りそうです」



 その言葉に思わず「八千?」と聞き返していた。おかしいな。不敬にも魔王様に異を唱える不届きな賊軍は五、六千ほどだと報告を受けていたのだが……。

 もっとも今回は有翼人の国であるハピュゼン王国が隣国のエルシス=ベースティア二重帝国と領土問題でもめているせいで参陣が遅れているせいで航空偵察が出来なかった。その代わりに騎乗経験者を中心にした斥候兵を偵察に派遣していたのだが、直近の偵察に出向いた斥候兵が何故か未帰還を繰り返したため正確な情報をつかめておらず、戦場全体が霧に覆われているも同然だった。

 偵察くらい空を飛ばなくてもなんとでもなると思ったのは慢心だったな。



「賊軍はドラゴニュートやコボルトの傭兵を雇って数を増しているようです。なお敵にはセントールも含まれており、恐らく偵察に出た者は奴らに……」

「なるほど。人馬一体のセントールに食いつかれたら逃げきれぬ、か。だが口惜しい。先にその情報があれば決戦場を平野にはしなかったな」

「どうなさいますか?」

「もちろん殺す。一匹残らず丁寧に殺す。そもそもセントール相手に徒歩では逃げきれん。ここで殺してやる他あるまいて。それに魔王様へ反旗を翻す愚か者を生かしておけるか。一族郎党皆殺しにし、その骸をスケルトンにして魔王様に奉公させてやろう」



 何が新式軍制の強行採用は陛下より賜った自治権の侵害だ? オークロード卿の軍務伯就任を許すな? 自由と平等のための蜂起?

 逆賊の戯言は聞き飽きたが、どうも誰も俺を愛さないらしい。

 特に新式軍制導入にあたって諸改革を実行するために魔王様から軍務全般の統帥権を委任された軍務伯位に俺が就いたことを連中は快く思っていないようなのだ。

 出る杭は打たれるというが、異世界でも同じだとは辟易を覚えるばかりで気がめいるな。



「まったく。まったくもって忌々しい連中だ。デモナスを下して少しは平和になったと思ったのだが……。ナイ殿もこんな遠方までお付き合いくださり、なんとお礼を申し上げて良いのか」

「お構いなく。傷つく人々のために祈るのもまた教会の務めですから」



 今回、星神教の教会からは戦死者の葬儀や戦傷者の治療のために軍属として従軍司祭を募っており、そのリーダーをナイ殿に依頼していた。



「そう言っていただけると幸いです。では指揮に戻りますのでこれにて。流れ矢もありますし、後方に避難してください」

「それでは失礼させていただきます。皆さまに星々の恩寵があらんことを」

「星々の恩寵があらんことを」



 互いに簡易礼拝をすまし、一礼した後に俺は軍司令部へと向かう。



「諸君。ご苦労」



 天幕に覆われた司令部に入ると任官されたばかりの()()達が一斉に敬礼をしてくる。

 その種族もオークだけではなくゴブリンやノームにドラゴニュートと雑多な面々がそれぞれ統一的な赤色軍服を身に着けている様は一言でいえば壮観であった。そんな彼らに答礼をし、唇を一舐めする。



「諸君。君達の中には高貴なる家柄に生を受け、すでに初陣を迎えた者もいるだろう。だが敢えて言おう。今日が初陣であると」



 軍団司令部の幕僚に抜擢したのはお世話になっているナリンキー商会から派遣された事務屋に加え、オルク王国に軍事留学中の貴族の子息、子女が混じっていた。

 最初こそ商人と貴族、古兵と新兵という対立もあったが、面倒だったので俺が“和解”させたことで今の司令部には和気藹々とした空気が漂っている、はずだ。



「賊軍は八千の上、セントールも混じっておる。そのような相手に平野で合戦をするのだ。地の利は敵が握っている。だが対する我らは総じて二個師団二万! 数の利を掌握しているのだ。最早天上の星々は我らに勝利を授けてくださっておられる。これで負けたら地獄の底まで貴様等を追い回し、殺してくれと懇願する責め苦を負わせてやろう」



 強めの言葉で士気を上げようとしたが、何故か幕僚の面々は顔を青くするばかりで意気があがったようには見えない。おかしいな? ジョークだよ、ジョーク。



「さぁ、諸君。敵は魔族国に溜まった毒だ。すべからく吐き出させよう」


 ◇


 冬の気配が見え隠れするモンスタルスタット王宮の宰相執務室に魔族国五大種族の一雄であるハーピーの長であるファルコ・ハーピーロード・フォン・ハピュゼンが渋い顔で訪れたのはゴブリシュタット大公国の蜂起の報せが舞い込んでから一週間後のことであった。



「宰相殿。我々がオークロード卿を担ぎ上げたとはいえ、近頃の卿の行動は目に余る。特に陛下より軍務伯位を授けられてからは軍制改革の名の下に軍権をわが物のように扱っているではないか。そのような者を此度のゴブリシュタット征討の大将にするなど正気を疑うぞ。あいつがなんと呼ばれているか知っているか? “魔王代行”だぞ。このまま功をつまれては奴を抑えることが出来なくなる。第二のルドベキアを生むことになるぞ」



 鷹のように鋭い眼光を向けられた初老のドラゴニュートであるホテンズィエ・フォン・ニーズヘッグ侯爵はでっぷりとした貴族らしい腹を揺らし、執務机の中から二個の小さなグラスと蒸留酒のボトルを取り出してその封を切る。



「ハピュゼン殿の言ももっともであるが、万が一に蜂起の鎮圧に失敗した場合、事はオルク殿や私の首が飛ぶだけではすまされん。最悪、ローゼ殿下派が息を吹き返し、蜂起から内戦に燃え上がるやもしれんのだから。故に万全を期して新式軍制の第一人者であるオルク殿に征討軍の大将を任せるのは必至のことではないかな?」

「だが……! 此度の叛乱の原因はそのオークロード卿が主導する新式軍制の導入ではないか。諸侯の意に反して新式軍制の採用は性急すぎている。だから不満が溜まって叛乱が起きたのではないか」

「今更新式軍制の導入の是非を問われてもなぁ。陛下から新式軍制導入の勅も得ておるのだぞ。それに逆に軍制改革を認めずに新式軍制を彼奴に独占させた方がより危険ではないかね?」



 「それは……」と口を濁すファルコに対し、ホテンズィエは小さなグラスに透明な酒を注いで差し出す。



「好きにやらせれば良い。子供にはなんでもさせてやって、己の限界を知って大人に成長させるものだ。取り返しのつかない過ちを犯そうなその時こそ大人が掣肘してやればよい」

「すでにその取り返しのつかない過ちを犯そうとしているのではないか、といっているのだ。新式軍制の導入はエルシス帝国に、ひいてはガリア王国に対抗するために必須であるのは承知している。だが、奴は星神教の手先でもある。連中は陛下の戴冠式にも口出しをしてきた上に先の内乱の功によってデモナスの一部を教皇領として割譲要求をしてきたのだぞ。このままでは内政干渉も時間の問題だ」



 ホテンズィエは白髪が目立ち始めた頭をかきながらグラスを呷る。それと共に口内に草原のような爽やかな風味が広がり、喉に熱い液体が流れ落ちる。彼の故郷であるドラゴ大公国で愛飲される焼けるように強い酒(ゴシャウカ)と呼ばれる蒸留酒の味に解放感を覚えながら椅子に身を沈めて思案する。

 どうやら今日の客人は現在起こっている内乱のことでも、その原因の新式軍制についてでもなく星神教のことで執務室を訪れたのだと見当をつけた彼は己の手札の中から一枚のカードを切る事にした。



「教会に見返りを与えねば魔族国は異端者として星字軍遠征の的となっていただろう。連中は慈善事業に毛ほども興味をもっておらんのだから要求を飲むほかなかったのだ」

「領土は譲歩すれば終わりだ。再現なく切り取られてしまう」

「エルシスと国境を揉めるハピュゼンの国主の言葉と思うと軽々と流せぬな」

「軽口を叩いている時ではないのだぞ!」

「まぁまぁ。確かに魔族国にとって教会は外敵の一つではあるが、対処さえ見誤らねば良き隣人だ。隣人を愛せだったか? それに教会の存在は何も害だけではない。私も入信したが、それほど悪いものではないぞ。何より教会を通してリーベルタースに接近出来るから中央海交易の恩恵にあずかれるのが良い」



 それにファルコは怪訝な顔を示す。そもそも魔族国はリーベルタースとは国境を接していない。魔族国から南に下れば山岳国家であるヘルベチア連邦にエルシス=ベースティア二重帝国が広がっていて直接国が繋がっていないのだ。



「あー。ハピュゼン殿は業腹かもしれんが、実は教会を仲介人にして我が国とリーベルタース、それとエルシスの三国同盟を模索しておる」

「――!? 聞いておらんぞ! 何よりエルシスは我が国と国境を巡って対立中だというのに同盟だと!?」

「まぁまぁ。この同盟が成れば魔族国南部の安全保障だけではなく、中央海交易で得た品々を外洋交易で転売することで莫大な富を稼げるし、その逆も然りだ。考えてみよ。今の外洋交易は低湿地同盟やピスキス王国、それにブリタニア連合王国に牛耳られていて参入しても利は限られる。つまり中央海交易の力なくしては後塵を拝すままだ。連中に先んじるには教会の力を利用し、同盟をなさねば我が国はいつまでたっても強国になりえない」



 だがファルコの顔にありありと浮かんだ不快の色にホテンズィエは苦笑しつつ自分のグラスに二杯目のゴシャウカを注ぐ。



「それにしてもファルコ殿も強欲よな。こっそりと銃砲の製造権をオルク王国と独占しておるというのに土地まで欲しがるとは」

「………………」

「政治においても譲歩はよろしくない。だが貴国は銃砲製造により恒久的に富を得られるのだ。少しくらい譲歩してくれてもよいではないか。確かに国境問題はハピュゼンの死活問題だが、貴国が目をつぶってくれれば魔族国はより発展し、新たな恩恵を得られると思うのだがな。それに三国同盟の発足の暁にはハピュゼンにも安価な鉄が入ってくるのだ。悪い話ではなかろう?」

「ぐ……。警告しておくが、星神教は毒だ。それを自ら呷ったことをお忘れなく」

「おや? ファルコ殿。毒とは加減すれば薬になるのですぞ。このゴシャウカも飲み過ぎは身体を壊すが、適量であれば万病の薬となる。それは星神教に限らずオルク殿とて同じ。いささか劇薬ではあるが、今の魔族国を強くする薬だ。薬の内は飲み続ければよいし、毒になれば吐き出すのみだ」



 ファルコは舌打ちしたい気持ちを抑え、差し出されたグラスを一気に煽る。強烈な癖のある酒に彼の顔はいよいよ渋くなるばかりであった。


 ◇


 ファルコが宰相執務室を立ち去った後、ただ一人残った部屋の主は三杯目のゴシャウカをグラスに注ぎながら独りごちた。



「毒か……。言い得て妙だな」



 カレンデュラの暴走めいた諸政策に反意を示す者は少なくない。

 特に軍制改革により領主の私兵であった各軍に変わり、規格化された部隊を編制することに対して陛下より授かった自治権の侵害であると声高に叫ぶ一派が蜂起したのだ。その上、民の中からも働き手を奪われると徴兵反対一揆が起こったこともあった。

 だがホテンズィエはカレンデュラの考案した徴兵制度を高く評価していた。


 これまで民衆は各領主から直接的な支配を受けていたが、徴兵制の導入によってその身を軍が取り扱うようになり、軍を統率する魔王が民衆を把握できるようになった。

 それは魔王の力が及ぶ範囲が拡大するということであり、貴族の弱体化を意味する。


 その他にもカレンデュラ主導の兵站業務を主任務とし、肥大化した軍組織をサポートするために作られた参謀本部の存在もホテンズィエは気に入っていた。

 そもそもカレンデュラの定めた参謀の仕事は部隊指揮官を補佐であり、目下の参謀が貴族共に上申する権利を有している。

 そしてその参謀は参謀本部より派遣される中央の軍官であり、地方貴族を掣肘するにはうってつけの存在だった。



「貴族が貴族の力を削ぐのだから笑いが止まらん」



 今までは各領主が自治権を盾に魔王の命令さえ拒む事態があったが、貴族の力が弱まれば相対的に魔王の力が増していく。

 それは中央官僚のトップである宰相の力が増すということでもある。



「それに新式軍制は良い増税の口実となってくれた。おかげで連中を騙せたわい」



 カレンデュラと共に奏上した予算は案の定、水増しされており、その差額を使って彼は外洋に面したプルーサ王国の各港の拡張費に充てようとしていたのだ(もちろん彼のポケットに消える金貨もあるが)。



「軍備が強国を作るのではなく、強国が軍備を作れるのだ。強い国には金がかかる」



 その口実となるならばホテンズィエは毒と分かりつつカレンデュラの暴走を容認したのだ。



「それに奴の信ずる星神教は案外悪くない。酒を飲んでも良いという神は信奉するに値する神だ」



 そして彼は三杯目の命の水を一気に飲み干すのであった。



「……だが毒にならぬよう保険をかけておくか」


 ◇


「――やれやれ。手こずらせおって」



 赤銅色に染まった空の色が麦畑をも色づける中、屍がそこかしこに転がるそこに膝をついて恨めしげに俺を睨む一匹のゴブリンがいた。



「公爵殿。貴殿の兵は皆、精兵揃いでしたな。たかがゴブリンと侮っておりました。いや、頑強な抵抗を見せたのはセントールでしたか? おい、我が軍の被害は?」



 背後に控えていた軍司令部の参謀が「被害は概略して、およそ八千ほどかと。その他スケルトンが壊滅的打撃を受け、四千体を喪失した模様です」と打てば響くように答えてくれた。

 なんか思ったより損害が多いな。



「まぁ肉の投げ合いになったのが貴軍の運の尽きでしたな」



 一気呵成の騎馬突撃を仕掛けてくるセントールに対し、オルク王国軍はあまりに脆弱過ぎた。

 それこそ当初の作戦計画であればセントールの突撃をスケルトンが吸収し、その間に銃兵や特火兵が火力を集中して敵を撃砕するはずだったが、想定よりもスケルトンが弱いせいで甚大な被害を出してしまっていた。

 いや、スケルトンが弱いというよりセントールが強いというべきか? スケルトンを突破したセントール達は次々と銃兵の方陣に襲い掛かり、そしていくつもの大隊が壊走を余儀なくされた。

 もっとも少数のセントールがいくら暴れようと豊富な予備戦力を投入し、囲んで叩いたおかげで戦線の崩壊を防げた。やはり最後は数がものをいうのだな。



「なんにせよ貴殿の貴族の誇りとやらの旧態然とした軍備よりも、無思慮な民を徴兵した新式軍制の方が勝っておるというのがはっきりと証明されましたな。さて、魔王様への反逆行為は重罪であり、死刑は避けられまい。敬虔な星神教徒として貴殿の冥福を祈らせてもらおう。汝に星々の加護があらんことを」



 それに殺気のこもった視線を飛ばす泥や血に汚れた敵将は吐き捨てるようにいった。



「この“狂信卿”め。教皇領の名で神聖なる魔王様の国土を夷敵に差し出しただけでなく、魔王様の名を騙って暴政の限りを尽くす貴様に義があると思っているのか? 真の反逆者は貴様の方だ! 今でこそ貴様の軍門に下るが、裁判にて必ずや貴様の悪行を――」

「おっと。言い忘れていた。畏くも魔王リーリエ・ドラゴンロード・フォン・エルルケーニッヒ・ドラゴ陛下より貴殿に対する一切の処置を任されている。つまり俺は警察官であり、検察官であり、弁護人であり、裁判官であり、死刑執行人でもある」

「――ッ!?」



 俺の言葉がわからないというようにフリーズしてしまったゴブリンを無視して手を挙げると待機していた部下が手際よく罪人を縄で縛り、それをスケルトン達がはがいじめにする。その間に隊伍を整えた銃兵が一斉に撃鉄を引き起こす。



「や、やめろ! わ、私は魔族国公爵だぞ!! 放せ! 放せ!!」

「どうか汝に星々の恩寵があらんことを――!」



 一呼吸おき、「撃て」と命じるや芳しい硝煙の香りと共に世界が静かになった。

 さーて。俺はこんな所で蜂起軍の討伐をしている暇なんかないんだ。それより早く故郷であるウルクラビュリントを奪還するための準備をしなくてはならない。

 あぁ忙しい。忙しい。

 こんな忙しくなるとは、前世(あのころ)では思いもしなかったな。

第二章なので初投稿です。



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