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ブーンが兵士になるようです  作者: カジ
一話
8/50

1-8

一行は日が出ないうちに屋敷へ着くため、道中を早足で進む。目的地は村を出るとすぐに目に入った。まだ薄暗い中でも分かる、大きな屋敷である。


(=゜ω゜) 「じゃあ、すこし待ってね」


イヨウは屋敷まであとほんの少しというところで、一行の足を止めさせた。

特に合図は無かったがニンジャが辺りを警戒しながら門の前まで一人で進む。

待たされている位置からは、木製の門は随分丈夫なつくりに見えた。

さらに屋敷を囲う壁も過度に思えるほどしっかりとしている。これ程頑丈に外と隔離されていると、この屋敷に住むイヨウがよほど何かを恐れているのだろうと、勘繰りたくもなってしまう。

ニンジャが門を体全体で引くと、僅かに隙間ができた。それを何度か繰り返しようやく人一人が通れる大きさまで隙間が広がると、警戒しながら中を覗き込む。


( ´_ゝ`)「ここって、イヨウ家のお屋敷ですよね?」


オトジャがブーンとモナーにだけ聞こえるように言う。


(´∀`) 「変だモナ」


( ^ω^)「変だお」


( ´_ゝ`)「ですよね」


屋敷を誰かに乗っ取られたのか、しかし誰に。屋敷を奪ったところで騎士なれる訳ではない。確かに堅牢なつくりの屋敷だが、こんな田舎にあっては無用の長物だろう。

それを危険を冒してまで奪う価値があるだろうか。三人が声を潜めて話し合っても答えは出ない。


(=゜ω゜) 「よし、行こうか」


イヨウの視線の先には手招きをしているニンジャがいた。


|/゜U゜| 「部屋は随分荒らされていますが、それだけです。目当てのものがみつからず暴れて行ったのでしょう」


(=゜ω゜) 「だろうね」


イヨウは落ち着いていた。その様子が不思議と見ているものを落ち着かせた。

門の中には大きな屋敷と先ほどの民家くらいの建物が併設されている。庭は広く、背の低い草花がよく整えて植えられていた。


(=゜ω゜) 「よし、お前達も無事だな」


イヨウがニンジャの足元に集まっていた犬達を抱える様に抱き締めた。それまで静かにしていた犬達が一斉に鳴き声を上げながら尾を振り回す。

それもすぐにイヨウが口の前で指を一本立てて見せると静かになった。

ニンジャが馬のために扉をもうすこし広くあけると、二頭は窮屈そうに耳を体につけて通りに抜ける。


(=゜ω゜) 「取り合えず屋敷に入ろうか。簡単にこれからの事を話して交代で休みをとろう」


屋敷の中はツンが一番前を歩いた。イヨウ達家族は二頭の馬で挟む様にし、後ろにはニンジャがつく。


(=゜ω゜) 「恐らく三日もすれば応援が来ると思うよ。だからそれまで何とか耐えないといけない」


屋敷の中で一番丈夫だからと、イヨウの私室に集められた。そして全員が部屋に入ると、ツンが戸の側と窓の側に馬を移動させた。


( ´_ゝ`)「あの、質問してもよろしいでしょうか」


(=゜ω゜) 「いいよ」


イヨウがオトジャの方を向く。


( ´_ゝ`)「私たちは何から三日間耐えなければいけないのでしょうか?」


オトジャの疑問は全員が抱いているものだった。一行の顔はイヨウに向けられる。しかし、意外なところから声が上がった。


ζ(゜ー゜*ζ 「あなた、何も言わずにこの子達を連れてきたの?」


優しい口調は変わらないが、その奥には怒りが感じられた。


ζ(゜ー゜*ζ 「いえ、まさかこんな危険な事。説明もしない訳がないわよね」


それまでのイヨウの笑みと、今の笑みを比べると強張っているのはすぐに分かった。口角は上がっているがヒクヒクと時折痙攣している。


(=゜ω゜) 「我々を、いや。イヨウ家の持つ黄札を狙っているのは商家第五位のゼア」


イヨウはデレから向けられる指す様な視線に耐えきれず「前にも言った様にね」と付け足した。


(=゜ω゜) 「でも」


青年達が不安の色を見せてすぐにイヨウは強い口調で話し出す。


(=゜ω゜) 「いくら五位の騎士っていったって、大義もなしに他家を攻めるなんて事は出来ない。自国内で戦を起こすなんて事したらすぐに周りに潰されちゃうからね」


イヨウは目の端でデレを確認する。まだジッと睨みつけられているのはすぐに分かった。


(=゜ω゜) 「だから、あんな姑息な手を使うって訳さ」


イヨウは少しだけ間を空けたが、またゆっくりと話しを続ける。


(=゜ω゜) 「うちの兵士を殆ど引き抜いて、あんたの家なんてすぐに潰せるんだぞって脅すのさ。でもまぁ、もう攻めては来ないと思うけどね。向こうも表立っては動けないし、子飼いも……ねぇ」


言葉を濁したがすぐに森での一件が一行の頭に浮かんだ。


(=゜ω゜) 「そんな訳で新たに君達を迎えたって訳なんだけどね。さすがに兵士がほぼいない状態でなりふり構わず攻められたらまずいしね、いくらなんでも相手もそこまで頭が悪いとは思えないけど。何より僕らはともかく妻と娘達が危ない」


急いで一言付け加えた。


(=゜ω゜) 「っと、一番最初に話した事の繰り返しになっちゃったね」


イヨウの顔には汗の粒ができていた。

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