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ブーンが兵士になるようです  作者: カジ
一話
6/50

1-6

一刻も歩かないうちに小さな川にたどり着いた。途中何度か立ち止まると、耳をすませては二人で難しい顔で話し合っていたので道を知っているようではなかった。

川の淵まで着くとすぐにイヨウはできるだけ離れないように休憩を取るように伝え、帷子についた血を洗いながらしているニンジャの傍に座った。

ブーン達は休憩を告げられると向かい合い、力なく腰を下ろすとすぐに話し始めた。思い出したくは無かったが、思い出さずにはいられなかった事を吐き出す。


(´∀`) 「あの偉そうな男は死んだモナ?」


( ^ω^)「たぶん」


( ´_ゝ`)「あの場にいた敵はきっと全員死んだかと。いや、殺さましたよ」


オトジャは小声で話し合っている二人の方を顎で示す。


( ´_ゝ`)「よくはわかりませんが」


そう前置きすると一度深い呼吸する。


( ´_ゝ`)「イヨウ家はどこか面倒なところから恨みを買ってるみたいですね。商人なんてそういう相手から目をつけられたら終わりですよ。あぁ、いい選択だと思ったんだけど、そうでもなかったかもしれない」


( ^ω^)「でも、さっきの奴らが恨みを買った全部なら、これで終わりだお」


オトジャはハッと目を大きく見開いた。


( ´_ゝ`)「なるほど、そうですね。僕はあいつ等がただの使い走りだとばかり。仮にも商家の七位。この国の名門中の名門、騎士であるイヨウ殿にあんな態度で掛かって来るものだから、てっきり相手はもっと巨大な集まりかと思っていました」


全く予想外の考えに対し、単純に興味を持った様子でオトジャは嫌味なく、少し早口で考察を始める。


( ´_ゝ`)「たしかに、あの十人に満たない人数で一国に、五十もいない名士を襲おうとしたのがさっきので全員だとしたら」


(´∀`) 「いや、たしかにそのめんどうな相手はまだいそうだモナ」


モナーはブーンが話を聞きながらどんどん元気がなくなっていくのを見かねて割り込んだ。


(´∀`) 「そもとも、騎士相手にあの人数でどうのってのよりも」


モナーは顔を三人で作った円の中心へ寄せた。


(´∀`) 「騎士とお供で二人きりってのはどうだモナ。それもどうやら狙われているようだし、それを知っていた様でもあるモナ」


( ´_ゝ`)「たしかに、たしかに」


(´∀`) 「うちの村の間抜けな領主様だって何人も引き連れて募兵に来るってのに、危険な中を二人で遠くまで来る。帰りにしたってこんな森を突っ切ろうとする。おかしくないモナ?」


( ^ω^)「とにかく、おかしいところだらけだお……」




(=゜ω゜)   「さぁ、屋敷まではあと少しだよ」


イヨウは全員の顔が確認出来るまで、森と平野の境目で青年達を励ます。真上より随分傾いていた月明かり、そこに浮かぶ一行の表情はどれも疲労の色が濃い。


( ^ω^)「やっとこの真っ暗な森ともおさらばだお」


( ´_ゝ`)「あぁ、地面に置いた足が滑らない。これだけでもすごいありがたい」


辺りには誰かが身を隠せるような木や建物はほとんど無いので、一行の緊張はいくらか緩み余裕が生まれていた。


(´∀`) 「もうあと数刻で東の方が明るくなりそうだモナ」


自分の脚を揉んでいるモナーの声はかすれていた。


(=゜ω゜)   「ここからしばらくは真っすぐ進むよ。そこで一つ用事を済ませてしまおう」


|/゜U゜|    「なに、方向は屋敷と同じだ。遠回りにはならない」


まだ目的地ではない。イヨウの言葉で落胆した六人にニンジャが慰めるように言う。しかし、その落ち着いた口調とは逆に青年達の体が強張った。

二人はそれに気づいた様子だったが、何も言わずにま歩き出すと後についてくるように促す。

真っ赤な帷子も強烈な異臭も大分消えていたが、一行の頭の中に焼きついた数刻前の光景は全く薄れてはいなかった。

ニンジャの一挙手一投足に皆の目がいき、警戒をする。

そうして森に入る前より三つの塊は間隔を広げて、開けた道を静かに進んでいく。




(=゜ω゜)   「私だ」


周りの民家より一回り小さな家の前までくると、イヨウは短い間隔で引き戸を二度叩く。

次の瞬間、ブーン達は声を上げそうになるのを無理矢理口を閉じて堪えていた。

イヨウには決して声をださないよう、村が見えたところで告げられていた。話しは変わらぬ調子だったが

森の中の一件以来の真面目な顔に一行は不安を感じ、物音一つにも注意を払うようになっていた。

しかし、引き戸が素早く動き指二本分の隙間が出来てから数秒置いた辺りでその注意はほとんど吹き飛んでいた。

獣の様な視線が一行の端から端へ、じっとりと移動していく。

森で感じたあの空気に再び体が包まれ、青年達の体は一気に硬直した。


ξ゜⊿゜)ξ  「どうぞ」


意外な声であった。

獣の様な空気を放っていた、目の持ち主が戸を一人分だけ開けるとイヨウを中へ促す。


(=゜ω゜)   「やぁ、色々心配かけてしまったかな」


ξ゜⊿゜)ξ  「いえ。──彼らが?」


(=゜ω゜)   「あぁ、そうだよ。うちでこれから働いてくれる子達」


(´∀`) 「女の子だモナ」


モナーはあまりの驚きで注意をすっかり忘れていたが誰もそれを気に留めなかった。


( ^ω^)「女の子だお」


( ´_ゝ`)「そうですね」


|/゜U゜| 「さぁ、早く中へ」


ニンジャに急かされ全員が入る。奥には火がおこしてあり進む程徐々に辺りが確認できるようになっていた。


( ´_ゝ`)「うわぁ」


オトジャが大きな声を上げると尻餅をついて何かを見上げている。


(´∀`) 「どうしたモナ」


モナーが二部屋しかない小さな民家の中を大げさに走り駆けつけた。


(´∀`) 「うわぁ」


そして同じように腰から落ちると上を見上げていた。


ξ゜⊿゜)ξ  「静かにしないか」


一行を招きいれた女の声がすると、奥の部屋から顔だけを覗かせると残りの四人には「驚かないように」とだけ言うと顔を引っ込める。


(=゜ω゜)   「まぁ、最初は驚くけど声は上げないようにね。小さな声ならまぁ、大丈夫だろうけどあんまり大声はちょっとね」


イヨウは悪戯っぽく笑うとブーンの背を押してどんどん奥の部屋の方へ進めて行った。

半分開いた襖に手を掛け、ブーンはゆっくりと引いていく。


( ^ω^)「うわぁ」


ブーンが後ろに倒れこみ見上げる先には、巨大な馬が静かに立ちはだかっていた。

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