3-2
( ^ω^)「じゃあ、屋敷にいる丁稚さんは兵士と変わらないって事ですお?」
(=゜ω゜) 「そうだね。だからしばらくは君達がいなくても屋敷は何とかなるかな。もともと一晩か二晩の間、何もなければ大丈夫だと思っていたしね」
三人が息を呑んだ。
(=゜ω゜) 「あぁ、もちろん君達を手放す気はないよ。むしろ逆さ。出来るならずっとうちで働いて貰いたいんだよ」
取り繕うようにイヨウが急いで付け加える。
(=゜ω゜) 「こんな言い方はどうかと思うんだけど、君達は掘り出し物なんだ。はっきりいって僕達はあまりあの村に期待はしていなかった。
だけどあまりに急ぎだったんでね。後から金さえ払えば勝手な募兵を許してくれそうな領主は近場には一人だけでね」
ブーンとモナーが顔を見合わせると苦笑した。
(=゜ω゜) 「失礼な話しだが一人も来てくれないかと、村が見えた時は不安になったさ。だけど、結果は違った。大違いだよ。
六人の立派な子がついて来てくれたし、三人は読み書きまでできる。相場の二倍三倍は当然の人材さ。残りの三人だってすぐにものにしてくれそうだ。やる気に満ちている」
何もない空間を見つめるイヨウはいつもよりもやさしい口調で語った。
(=゜ω゜) 「どこまで話したかな。あぁ。それでね、ニンジャと少し話して決めたんだけど君達には少し商売の手伝いをお願いしようかなって。三年位したらとは、考えていたけどうちもあまり余裕も無いしね。
丁稚がいる間に君達を早く一人前にして、その下に一人ずつ位、今後新たに募兵した子をお願いしたくてね」
(´∀`) 「でも、まだ見回りの順路と屋敷の修繕についてしか教わっていないモナ」
それを聞いてイヨウが声を上げて笑う。そうやって歯を見せて笑う顔は三人よりも年下に見えた。
(=゜ω゜) 「もちろんこれからみっちり刀の扱いについて教えてくれるさ。ニンジャがね。彼は自称できない子だったらしくてね。わからないところがわかるから、教えるのがうまいんだ」
イヨウが短く咳払いをした。
(=゜ω゜) 「あと、いや、ほんの興味なんだけどね。その……計算とか……できたりする?」
強張った笑顔を作り、自然な様子を繕っている。
(=゜ω゜) 「いや、なんでもないんだ」
( ´_ゝ`)「ある程度なら」
(´∀`) 「モナも」
( ^ω^)「ブーンもだお」
(=゜ω゜) 「え……本当に?」
イヨウの声が大きくなる。勢い良く前に手を着くとグッと顔を中心に寄せ、笑顔から不自然さを一気に消す。
(=゜ω゜) 「足したりできるの?」
( ´_ゝ`)「まぁ」
(=゜ω゜) 「引いたりは?」
(´∀`) 「できるモナ」
(=゜ω゜) 「掛けれる?」
( ^ω^)「桁があまり大きくなければ大丈夫だお」
(=゜ω゜) 「割っちゃう?」
息を止め答えを待っているイヨウを横に、三人が見合わせて小さく頷く。
(=゜ω゜) 「……聞いてみるもんだ。いや、本当に。いや、本当。うん。本当に」
イヨウは腕をダラリとさせて立ち上がると、早足で部屋から出て行った。
部屋はしばらくの間、静けさに覆われた。
( ^ω^)「なにかまずい事いったかお」
( ´_ゝ`)「普通に考えたら損はないと思いますけど」
(´∀`) 「喜んでるみたいだったけど、良くわからないモナ」
以降は言葉は交わさずに、不安に駆られた青年達はお互いの顔を見合わせる。
(=゜ω゜) 「ほら、早く早く」
さほど時間を置かずに間隔の短い足音が聞こえた。
開いたままの戸から見えたイヨウは親を急かす子供のような、期待ともどかしさを足した顔に見える。
(=゜ω゜) 「ねぇ、ほら聞かせてあげてよ」
前を向きなおした顔は、感情のあまり感じさせないイヨウにしては珍しい満面の笑みだった。
左手はデレの右手をしっかりと握って、三人が話し出すのを今かと待っている。
(´∀`) 「何をモナ?」
(=゜ω゜) 「ほら、あれだよ。さっき話していた」
ほとんど間を置かずに、待ちきれないようにイヨウが言葉を続ける。
(=゜ω゜) 「読み書きはできる?」
( ´_ゝ`)「あ。はい、できます」
イヨウが視線を少しずらす。
( ^ω^)「できますお」
(´∀`) 「できるモナ」
視線で促されて、一人ずつ答える。
ζ(゜ー゜*ζ 「あらまぁ、すごいわ」
(=゜ω゜) 「そうだろ、そうなんだよ。でもまだだよ」
視線が再び三人に向けられる。
(=゜ω゜) 「ね」
( ´_ゝ`)「えぇ。一応、一通りの計算もできます」
( ^ω^)「ブーンもだお」
(´∀`) 「できるモナ」
ζ(゜ー゜*ζ 「あら、本当? 私はいまだに計算は少し苦手」
デレが驚いている顔をしているが、口調はあまり変わらない。
ζ(゜ー゜*ζ 「やっぱり、真面目にお勉強しないとだめね。私はすぐに眠くなってしまってもう」
(=゜ω゜) 「いやね。将来的には読書きを学んでもらって仕事を手伝ってもらいたいと思ってたんだ。その後には、計算なんかも見に着けてくれたなら商売の手伝いまでってね」
( ´_ゝ`)「商売ですか?」
(=゜ω゜) 「そう、商売。まぁ、とにかく」
イヨウが左手のデレの方へ体を向けた。
(=゜ω゜) 「すごいだろ、彼ら。僕が募兵したんだよ。いや、頑張ったよ。うん」
ζ(゜ー゜*ζ 「偉いわね」
デレに頭をなでられると、イヨウは動物の様に目を細めていた。