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ブーンが兵士になるようです  作者: カジ
二話
11/50

2-2

(,,゜Д゜) 「そうだろそうだろ。ここは国で一番の市場だからな。許可証のだって金さえあれば手に入る。治安も悪くないから店を開くにはもってこい」


不意に横からの馴れ馴れしい声に驚いた。


(,,゜Д゜) 「この街に店を持つのを夢見た旅商人が危険を覚悟で交易品を運ぶ。あんたもそんな明日の店主を夢見る口かい」


(^ω^ )「まぁ、そんなところだお」


ブーンは少し考えてから、そう答えた。


(,,゜Д゜) 「ふぅん。あてはあるのかい? 何がどの辺りで高く売れるのかとか、どこで何が売っているかとか、そもそも金があるのかも俺は心配だな」


(^ω^ )「心配には及ばないお」


無意識に革袋に手を当てていたが、気がついてすぐに離す。


(,,゜Д゜) 「そうか。まぁ何かあったら遠慮なく言うんだぜ。例は出世払いでいいからな」


(^ω^ )「じゃあ一つ、いいかお」


(,,゜Д゜) 「なんだい」


男は少し嬉しそうな顔を見せた。


(^ω^ )「このあたりで人の集まる場所を教えて欲しいお」


(,,゜Д゜) 「それなら決まってるぜ」


手で賽を振る真似をしながら言う。


(,,゜Д゜) 「賭場だ。あまり品の良い奴はいないから、くれぐれも気をつけな。まぁ、見たところあまりカモにはされなそうだから大丈夫かな」


ブーンの体を見回す。男は頷きながら肩や背を軽く触りだすと、その硬さに少し驚いているようだった。


(^ω^ )「あ、後一ついいかお」


わざとらしく、今思いついた様な表情を作る。


(^ω^ )「王都に入るにはどうしたらいいんだお?」


ブーンはできるだけ興味が無いような口調で言った。男はまた驚いた顔をしたが、すぐに話し出す。


(,,゜Д゜) 「おぉ、これまた急だな。ふむ……。そうだな。あんたは良いとこの知り合い、例えば親戚がいたりするかい?」


ブーンは首を振った。


(,,゜Д゜) 「じゃあ、商人はいるかい? 商家への誘いが来る位の」


また首を振る。


(,,゜Д゜) 「でかい町の要職なんかには?」


首を振る。


(,,゜Д゜) 「厳しいね。王都はここ最近、相当に入り辛くなっているんだ。ちょうど王が変わった辺りからだな」


(,,゜Д゜) 「昔から許可証を持っていた商人でも、取り上げられたのがいるって聞くぜ。」


(^ω^ )「それでもなんとかしたいんだお」


自然と語気が強くなっていく。


(,,゜Д゜) 「……」


男は顎をさすりながら小さくうなっていた。


(,,゜Д゜) 「あぁ、そうだな。無くもないな」


(^ω^ )「なんだお」


隣に座る男の肩を掴み、急かすように揺する。


(,,゜Д゜) 「兵士だよ、兵士」


男が途切れ途切れにそう答えると、ブーンは手を離し、急いで詫びた。


(^ω^ )「それで、兵士って言うことは騎士に仕えるのかお?」


(,,゜Д゜) 「そうだな。そうすりゃ王都へ入る事とはできるぜ」


男は歯を見せて笑う。


(,,゜Д゜) 「いつでもって訳じゃないぞ」


男が思い出したようにそう告げた。


(,,゜Д゜) 「年に一度だ。それで、期間は三日くらいかな。騎士の順位を決めるために王都に集まるんだ。それで王に許可をもらう。王から直接、印を押してもらうらしい」


(^ω^ )「おっおっ。王様にも会えるのかお」


(,,゜Д゜) 「らしいな。まぁ俺は騎士じゃないから正確なところはわからないが。って、おい。どこ行くんだ」


(^ω^ )「どこって、兵士になりに行くお」


(,,゜Д゜) 「お前……。あてはあるのか?」


(^ω^ )「ないお。とりあえず賭場に行って話を聞いて回るお」


(,,゜Д゜) 「よく分からんが、行動力だけはあるようだな」


男が手を出した。


(^ω^ )「なんだお」


ブーンが男の手を握り軽く、揺らす。


(,,゜Д゜) 「いや、握手じゃない。金だよ。ここは何でも手に入る良い街だ。それでも、ただで手に入るものは何もない。仮に手に入ったとしたらそれは何か裏がある。それがここの常識だ」


男が再び手を出す。


(,,゜Д゜) 「ギコだ」


(^ω^ )「ブーンだお」


一番小さい銅を二枚、取り出す。


(,,゜Д゜) 「一枚で十分だ。これから色々大変だろう。そんな時に金はなかなか役に立つ。大事にするんだぜ」


一呼吸置いてギコが歯を見せて笑う。


(,,゜Д゜) 「ロクでもない騎士の下に就いちまって、そっから逃げ出す時なんかにな」


(^ω^ )「ギコさんは冗談が怖いお」


(,,゜Д゜) 「すまんな。だが騎士なんてのは大半が碌な奴じゃないぞ。まぁ俺が知ってる奴だけだがな。お前も気をつけるんだぞ。だめそうな奴なら他を当たるんだ」


ギコの顔は徐々にながら真面目な顔になっていった。

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