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( ^ω^)「来たお」
(´∀`) 「来たって……何がだモナ」
( ^ω^)「募兵に決まってるお。そのために今までこうして山に篭ってたんだお」
(´∀`) 「そりゃそうだモナ。で、旗は何色モナ?」
ブーンは真剣な顔で登っていた木から落ちそうな位に身を乗り出すと、再び遠くをにらむ。
( ^ω^)「黄……多分、黄だお」
(´∀`) 「おぉ、ついに白以外の旗が来たモナ」
春と呼ぶにはまだ少し早い肌寒さが二人を包む。
それでも山の草木はもう春が来た様に、そこかしこで若芽が顔をのぞかせる。
聞こえるのは風が吹くたびに擦れあう葉の音と、仲間を呼び集める小鳥達の鳴き声。
その中に、踏まれた小枝の折れる乾いた音が混ざり出す。
( ^ω^)「急ぐお。山を降りたら募兵が終わっていたら、浪人生活が続くお」
(´∀`) 「無職は楽だが、ずっと続けられるほどモナ達の精神は強くないモナ」
( ^ω^)「全くだお。親公認とはいえ、兵士になれなきゃただ飯ぐらい、穀潰しだお」
(´∀`) 「念願の白以外の旗モナ。なんとしても決めるモナ」
( ^ω^)「そうだお。今日から兵士になるお」
二人はできるだけ呼吸を一定に保つよう意識し、山を駆け下りる。
半刻程で辺りは平坦になり視界が一気に開ける。
そこから、徐々に道は整備されていき、半刻程かけて道の左右はよく手入れされた畑だけが広がる景色になった。
/^o^\ 「よう、穀潰し」
畑の世話をする男が大声をあげる。日焼けした腕は太くはないが力強さを感じさせ、農具を大きく振ってみせても危なげない。
( ^ω^)「おじさん、今日も仕事お疲れ様だお」
/^o^\ 「おう、俺は真面目な農民様だからな。暇なら今日も手伝ってけ」
(´∀`) 「悪いけど、珍しく暇じゃないモナ」
( ^ω^)「そうだお、ようやく来たんだお」
/^o^\ 「……すると、とうとうか?」
( ^ω^)「そうだお、募兵だお」
/^o^\ 「そうか。おし、しっかり気張って来いよ」
(´∀`) 「おうだモナ」
( ^ω^)「おっおっ」
/^o^\ 「あいつらには俺から伝えといてやるよ。急いでんだろ?」
( ^ω^)「……助かるお。父ちゃん達によろしく頼むお」
(´ ∀ `) 「挨拶はいらないと言われているモナ。強がりだろうけど……おじさん、頼んだモナ」
二人は深く頭を下げると山を降りる時よりもずっと早く走り出す。
/^o^\ 「生きて戻って来いよ」
男は二人の背中が見えなくなるで見守り続けた。
まもなく、二人は生まれ育った村に足を踏み入れる。そこからは人目を避ける様な、道を選びながら進んでいく。
途中にある家はどれも古く、いつ崩れてもおかしくないものまである。
(´∀`) 「あれだけ作物を育てて、この暮らしモナ」
( ^ω^)「だから変えるんだお」
二人は頷き合うと、また駆け出した。
村の外周には塀が無く内と外の明確な境界線は無い。
だが村の北東部に、周囲の建物より立派な門が一つだけ建てられており、そこだけがはっきりと内外を隔てている。
これを使うのは年に何度か、白旗を掲げてやってくる一行だけであった。
その村の中で浮いた存在である門のすぐそばに身なりの良い男が二人、近くの者から借りたのか、木材を使って簡単な机を支度していた。